建築物の給水方式の比較や、メリットとデメリットをご紹介します。
戸建住宅、マンション、高層ビルなど建物の種類や規模、敷地のインフラ環境によって給水方式が変わります。
建築物に最適な給水方式を選択しましょう。
この記事では、
- 給水方式の種類と比較、メリットとデメリット
- 給水方式の決定方法
- メーターの設置
などをご紹介します。
それでは、さっそく見ていきましょう(^^)
目次
給水方式の種類と比較、メリットとデメリット
給水方式の種類と比較、メリットとデメリットをご紹介します。
給水方式は大きく分けると、
- 水道直結方式
- 増圧給水方式
- 受水槽方式
の3つがあります。
それぞれの給水方式について見ていきましょう。
水道直結方式(直圧直結方式)のメリットとデメリット
水道直結方式(直圧直結方式)は上水道本管から直接給水する方式で、上水道本管からの圧力だけで給水します。
主に戸建住宅に用いられる給水方式です。
水圧は上水道間の水圧と連動しています。
メリットは、
- 受水槽に水を貯めないため、水質汚染の可能性が低い(おいしい水を給水できる)
- 停電時も給水できる
- 給水設備のスペースが少なくて済む
です。
デメリットは、
- 3階建て以下の建築物しか適用できない
- 断水すると給水できない
となっています。
水道直結方式は自治体によっては5階まで給水できることもあるため、水道局に確認しましょう。
増圧給水方式のメリットとデメリット
増圧給水方式は水道直結方式の一種なのですが、3~5階建ての建築物に採用される給水方式です。
水道直結方式に増圧ポンプを組み合わせて上層階にも給水できる方式です。
メリットは、
- 水質汚染の可能性が低い
- 水圧は増圧ポンプで調節できる
- 停電時は上水道管の圧力で給水が可能(増圧ポンプの電源が落ちるだけなので)
です。
デメリットは、
- 中層階以上の建築物には向かない
- 断水すると給水できない
- 増圧ポンプのスペースが必要
- 地域によっては認可されない
となっています。
ちなみに、増圧給水方式は多くの水道局でメーターバイパスユニットの設置を義務付けています。
メーターバイパスユニットとは、給水設備の交換時に断水しないように給水ルートを確保する設備です。
受水槽方式のメリットとデメリット
受水槽方式は上水道管からの水を受水槽に貯めて給水する方式です。
5階以上のマンションやビルは水道直結方式や増圧給水方式では上層階に給水できないため、受水槽方式が用いられています。
受水槽方式には加圧給水方式と高置水槽方式の2つがあります。
加圧給水方式と高置水槽方式のメリットとデメリットを見てみましょう。
加圧給水方式のメリットとデメリット
加圧給水方式は受水槽に貯めた水を加圧給水ポンプで給水する方式です。
メリットは、
- 高層階にも給水できる
- 水圧はポンプで調節できる
- 断水しても受水槽と加圧給水ポンプで給水できる(ただし給水できる上限は受水槽に残っている水だけ)
です。
デメリットは、
- 受水槽の清掃をしないと水質汚染が進む(ホコリや虫)
- 停電すると給水できない
- 受水槽と加圧給水ポンプのスペースが必要
となっています。
高置水槽方式
高置水槽方式はマンションやビルなどの屋上に受水槽を置き、重力を利用して給水する方式です。
メリットは、
- 高層階にも給水できる
- 重力で給水するので水圧は一定
- 断水しても給水できる(ただし給水できる上限は受水槽に残っている水だけ)
- 停電しても給水できる(ただし給水できる上限は受水槽に残っている水だけ)
です。
デメリットは、
- 受水槽の清掃をしないと水質汚染が進む(ホコリや虫)
- 受水槽と揚水ポンプのスペースが必要
- 設置コストが高い
となっています。
給水方式の決定方法
給水方式の決定するときは、まず水道局で地域の給水方法や給水量を確認します。
また、建築物の種類によっても給水方式を考慮して決定しなければいけません。
戸建住宅であれば「きれいな水」「おいしい水」のニーズが高いため水道直結方式が喜ばれます。
工場、ホテル、飲食店などの事業用の建築物は、水道直結方式を選択すると断水の場合に事業がストップしてしまうリスクがあるため、受水槽方式を検討すべきでしょう。
地域の給水方法や給水量と、建築物の目的によって最適な給水方法を決定しましょう。
メーターの設置条件
水道のメーター設置条件も水道局に確認してください。
水道メーターは8年で交換することが決められています。
また、給水設備の交換時に断水しないようにメーターバイパスユニットの設置が義務付けられている地域が多いです。
給水方法を決定するときは「まず水道局に確認する」と覚えておきましょう。
まとめ
給水方式の比較やメリットとデメリットをご紹介してきました。
建築物に合う給水方式を決定するようにしましょう。
また、建築物完成後のメンテナンスがしやすいように設計することも大切です。
水道局に事前確認するのもお忘れなく。
給水方式決定の参考になればうれしいです(^^)