建築設備士の試験の難易度!独学でも合格できるのか?

夜景

建築設備士の試験の難易度、独学でも合格できるのかをご紹介します。

建築設備士は電気、給排水、空調設備などの専門知識をもち、建築士に対して建築設備の設計や工事監理のアドバイスをする国家資格です。

 

設計や工事監理に建築設備士のアドバイスがあった場合は、建築確認申請書や工事完了届にその旨を記す必要があります。

建築設備士の資格があれば二級建築士・木造建築士の受験資格を得られます。

また、建築設備士として4年以上の実務経験があれば一級建築士の受験資格も得られます。

 

建築設備の最高資格として活躍できるのが建築設備士です。

この記事では下記を解説します。

  • 建築設備士の試験内容からみる難易度
  • 建築設備士の合格率からみる難易度
  • 建築設備士の過去問について
  • 建築設備士の仕事内容や年収
  • 合格のための勉強時間や勉強方法
  • 独学でも合格できるのか?
  • 建築設備士の関連資格や難易度比較

 

あなたのキャリアアップの参考になればうれしいです。

建築設備士の試験内容からみる難易度

ペン

建築設備士の試験内容から難易度を分析してみました。

試験は一次試験(学科試験)二次試験(設計製図試験)があります。

建築設備のジャンルでは一級建築士試験よりも難しい問題がでるため、難易度は高いです。

学科試験と設計製図試験の難易度を見ていきましょう。

 

一次試験(学科)の難易度

一次試験(学科)は建築一般知識・建築法規・建築設備があり、合格には3科目の総得点で60点以上が必要です。

※マークシート方式で5択問題です。

なお、一次試験本番では法令集を持込むことができます。

一次試験では建築設備の出題が多いので、建築設備の記載が多い「建築設備関係法令集」を購入して持ち込むと良いでしょう。

法令集にはインデックス(目次)をつけておくと試験本番でどこに何が書いてあるかわかるようにしておきましょう。

※ただし、法令集にあからさまに書き込みするのはNGです。

 

後述しますが、二次試験(設計製図)よりも一次試験(学科)の方が合格率が低いため、一次試験の難易度は高いです。

ですが、きちんと勉強すれば合格できる試験です。

学科試験に合格すると、翌年だけ学科試験が免除されます。

 

二次試験(設計製図)の難易度

一次試験(学科)に合格すると二次試験(設計製図)を受けられます。

二次試験の内容は下記の2科目です。※試験時間は5時間半。

  1. 建築設備基本計画
  2. 建築設備基本設計製図

 

①建築設備基本計画は文章を主体にした問題です。

②建築設備基本設計製図は作図や計算の問題で、建築物の条件に対して設備の内容を書きます。

建築設備基本設計製図は設備プロット図の作成や系統図の製図があります。

系統図は大規模施設のセントラル方式の空調設備や、浴場・プールなどのろ過設備などの内容が多いです。

間仕切壁を消した大きい部屋の図面に設備諸室・通路・扉・機械収納スペースなどを作図します。

電気設備は高圧単線結線図を製図します。

 

電気設備は単純な高圧1回線受電の問題が多いため難易度は低いです。

まったく違う答えを書かなければ点数を稼げる可能性があるため、あきらめずに書きましょう。

設計製図試験では事前に課題が発表されるため、準備しやすいです。

 

ただし、設計製図試験は独学で合格するのが難しく、講習会に参加することをおすすめします。

設計製図試験の採点は4段階で評価されて、最高評価の人が合格です。

一次試験(学科)より二次試験(設計製図)の方が合格率が高いので、二次試験の難易度は低めです。

つまり、一次試験(学科)を通過できれば合格の可能性が見えてきます。

 

建築設備士の合格率からみる難易度

パーセント

建築設備士のおおよその合格率は下記のとおりです。

  • 一次試験(学科)の合格率:30%前後
  • 二次試験(設計製図)の合格率:50%前後
  • 全体の合格率:20%前後

 

一次試験(学科)の方が合格率が低いですね。

学科試験で勉強が足りずに不合格になる人が多いので、きちんと勉強しましょう。

学科試験は法令集を試験会場に持ち込めるといっても、二級建築士の知識も必要なため、ある程度難易度は高いです。

二次試験(設計製図)は事前に問題が発表されることもあり合格率が高いです。

前述のとおり講習会に通えば二次試験は合格しやすいです。

全体の合格率は20%を切っているため、建築設備士の試験は難易度が高いです。

 

建築設備士の過去問

メガネと本

公益財団法人建築技術教育普及センターのサイトに建築設備士の過去問が掲載されているので、見てみましょう。

前述のとおり、一次試験(学科)は5択のマークシートです。

二次試験(設計製図)の過去問では、記述式の問題も出題されます。

「いくつか述べよ」という問題が多いので、豊富な知識が必要です。

 

建築設備士の資格内容

光線

前述の通り、建築設備士として実務経験が4年以上あれば一級建築士の受験資格があります。

二級建築士→一級建築士以外の道筋があるため、一級建築士を取得できるチャンスが広がります。

 

また、1年の実務経験で電気工事・管工事の一般建設業の営業所の専門技術者、工事現場の主任技術者になることもできます。

経営事項審査の技術力評価の評点は1点が付与されるため、建築設備士を取得すると会社からの評価も上がります。

建築設備士はあくまでも建築士に建築設備のアドバイスをする資格です。

 

建築士が建築設備について建築設備士にアドバイスを求めることは義務ではありませんが、完成度の高い建築物を造るのであれば建築設備士は必要でしょう。

建築設備士がアドバイスした建築物の建築確認申請書や工事完了届には建築設備士の記名をします。

「建築設備士のアドバイスがあった建築物は優れた建築物」とみなされるため需要があります。

 

また、建築物の防災点検をする防火対象物点検資格者の受講資格も得られます。

建築設備のエキスパートとしてキャリアアップがしやすくなります。

一級建築士取得後に5年以上の実務経験があると、講習を修了することで「設備設計一級建築士」の資格を取得できますが、建築設備士は設備設計部分の講義と修了考査が免除されます。

 

建築設備士の仕事内容、メリットや将来性

夜景

建築設備士は建設会社、設計事務所、設備工事会社などで働きます。

建築設備の専門家として建築士の設計・工事監理のフォローをします。

実際に建築設備設計をすることもあり、CAD業務もあります。

建築設備士の資格だけをもって仕事をするというよりは、下記などの資格も持っている人が多いです。

  • 一級建築士
  • 1級管工事施工管理技士
  • 1級電気工事施工管理技士

 

建築設備士に追い風なのは、省エネ基準適合義務化です。

2020年以降の新築建築物では省エネ基準適合義務があるため、建築設備士の需要が高まるためメリットがあります。

今後もどんどん建築技術が進化していくため、建築設備士は将来性のある資格といえるでしょう。

 

建築設備士の年収

建築設備士の平均年収は500万~800万円といわれています。

二級建築士や一級建築士と同等の評価を受けられる会社も多く、年収アップを狙える資格です。

今後ますます需要がある資格なので平均年収は上がる可能性もあります。

建築設備士資格があると転職も有利になります。

年収を上げる転職も有利になるため、今より大きい会社に転職して年収を上げる人もいます。

 

また、建築設備士や建築士の資格があれば独立することもできます。

安定的に仕事を受注できる営業力や人脈は必要ですが、独立して成功すれば年収1000万円以上稼ぐこともできます。

 

建築設備士の勉強方法や勉強時間は?独学でも合格できるのか?

勉強

建築設備士に合格するための勉強方法や勉強時間をご紹介します。

また、独学で合格できるのかも解説していきます。

あなたの勉強の参考にしてください。

 

一次試験の勉強方法や勉強時間

建築設備士の一次試験は、建築一般知識と建築法規・建築設備があります。

建築一般知識と建築法規の出題範囲は二級建築士の範囲なので、二級建築士の参考書や問題集で勉強できます。

建築設備は一級建築士の建築設備の問題よりも難しいです。

建築設備士の過去問集や、1級電気工事施工管理技士・1級管工事施工管理技士などの参考書・過去問集を勉強することをおすすめします。

過去問は過去5年分までを繰り返しやると安心です。

過去問をしっかり勉強するだけでも6~7割は解けます。

 

一次試験の勉強は5月頭を目安にスタートさせましょう。

仕事が忙しい人は4月頭から勉強に取り組んでください。

2~3ヶ月の勉強期間をもうけましょう。

総勉強時間は50~70時間のイメージです。

つまり、最低でも1日1時間は勉強するようにしてください。

 

一次試験におすすめの法令集・参考書・問題集

一次試験には法令集を持ち込めますが、法令集は「建築設備関係法令集」をおすすめします。

また、おすすめの参考書・過去問集は下記などが良いでしょう。

 

建築設備士の一次試験は独学でも合格できます。

きちんと勉強すればそこまで高い難易度の試験ではありません。

 

二次試験は講習会に参加しよう

二次試験は独学での合格は困難です。

  • 建築設備技術者協会
  • 電気設備学会
  • 空気調和・衛生工学会
  • 日本設備設計事務所協会

などが主催する講習会に参加するのがおすすめ。

受講料は25000円くらいです。

建築設備士の試験の受験料が34650円、講習会の受講料が25000円くらいなので合わせて6万円くらいかかりますが、建築設備士の資格を取得できれば安いものです。

ただし、講習会の申し込みは早めにしておくことをおすすめします。

直前だと申し込みが殺到するため、試験に影響がでます。

 

二次試験の勉強方法や勉強時間

二次試験は講習会に頼り切るのではなく、過去問の独学もしておきましょう。

二次試験は時間が足りなくて不合格になる人が多いので、問題を解くスピードや試験の時間配分の練習をしておくと良いです。

二次試験の勉強のスタートは一次試験の合格発表後(7月下旬~8月上旬)で大丈夫です。

8月頭から二次試験の勉強を始めるイメージです。

二次試験本番は8月下旬くらいなので約1ヶ月集中して勉強しましょう。

勉強時間は20~30時間を想定しましょう。

※講習会以外に1日1時間以上勉強すると良いです。

 

二次試験の内容は大きく分けると、下記の2つがあります。

  1. 建築設備基本計画
  2. 建築設備基本設計製図

①建築設備基本計画は10問です。

①建築設備基本計画は講習会の資料で予想問題が記載されているので、答え方を暗記していきましょう。

※暗記がもっとも点数を稼げます。

また、知識はあっても文章力が弱くてわかりにくい文章だと減点されてしまうため、文章を書く練習をしておきましょう。

 

②建築設備基本設計製図は空調・換気設備、給排水衛生設備、電気設備から選択して4問です。

②建築設備基本設計製図は製図と計算問題です。

延床面積10000㎡の建物を想定しておくと良いでしょう。

※10000㎡だと計算しやすいため。

 

建築設備士の関連資格や難易度比較

建築設備士の関連資格や難易度比較

建築設備士の関連資格や試験の難易度を比較してみました。

資格試験を受ける順番の参考にもしてください。

 

建築設備士と二級建築士の難易度比較

建築設備士と二級建築士なら、建築設備士の方が難易度が高いです。

二級建築士の合格率が約25%なのに対して、建築設備士の合格率は20%を切っています。

建築設備士試験は二級建築士の試験範囲にプラスして、一級建築士試験より難しい建築設備の問題が出題されるため難易度が高いです。

ちなみに、二級建築士の試験の難易度については、二級建築士の難易度!合格率や受験資格から分析してみたにまとめています。

 

建築設備士と一級建築士の難易度比較

建築設備士と一級建築士なら、一級建築士の方が難易度が高いです。

建築設備士の合格率が19%くらいなのに対して、一級建築士の合格率は12%くらいしかありません。

やはり一級建築士は建築系資格の最高難易度資格です。

ちなみに、一級建築士の試験の難易度については、一級建築士試験の合格率や受験資格からみる難易度にまとめています。

 

建築設備士と1級管工事施工管理技士の難易度比較

建築設備士と1級管工事施工管理技士を比較すると、試験難易度はほぼ同じです。

  • 建築設備士:一次試験合格率30%くらい、二次試験合格率50%くらい
  • 1級管工事施工管理技士:学科試験合格率30%くらい、実地試験合格率50%くらい

 

となっており、難易度はほぼ同じとみていいでしょう。

 

建築設備士と2級管工事施工管理技士の難易度比較

建築設備士と2級管工事施工管理技士なら、建築設備士の方が難易度が高いです。

  • 建築設備士:一次試験合格率30%くらい、二次試験合格率50%くらい
  • 2級管工事施工管理技士:学科試験合格率60%くらい、実地試験合格率40%くらい

 

となり、やや建築設備士の方が難易度が高いです。

管工事施工管理技士の難易度については、1級2級管工事施工管理技士の難易度や合格率にまとめています。

 

建築設備士と電気工事施工管理技士の難易度比較

建築設備士と電気工事施工管理技士なら、建築設備士の方が難易度が高いです。

  • 建築設備士:一次試験合格率30%くらい、二次試験合格率50%くらい
  • 1級電気工事施工管理技士:学科試験合格率45%くらい、実地試験合格率60%くらい
  • 2級電気工事施工管理技士:学科試験合格率60%くらい、実地試験合格率40%くらい

 

となり、やや建築設備士の方が難易度が高いといえます。

電気工事施工管理技士の難易度については、1級2級電気工事施工管理技士の合格率・過去問・受験資格の難易度にまとめています。

 

建築設備士と建築設備検査資格者の難易度比較

建築設備士と建築設備検査資格者であれば、圧倒的に建築設備士の方が難易度が高いです。

建築設備検査資格者は講習と修了考査だけで合格でき、合格率は約85%です。

 

建築設備士とエネルギー管理士の難易度比較

建築設備士とエネルギー管理士の難易度はほぼ同じです。

建築設備士もエネルギー管理士も合格率は約20%です。

 

建築設備士と高圧ガス製造保安責任者の難易度比較

建築設備士と高圧ガス製造保安責任者なら、建築設備士の方が難易度が高いです。

建築設備士の合格率が約20%に対して、高圧ガス製造保安責任者の合格率は40~50%です。

高圧ガス製造保安責任者の難易度については、高圧ガス製造保安責任者の合格率や試験内容からみる難易度にまとめています。

 

まとめ【建築設備士は独学だけでなく講習会も活用しよう】

清水寺

建築設備士は合格率も20%を切るため、簡単な試験ではありません。

二級建築士よりも難しい試験だと思ってください。

 

ですが、建築設備についての基礎があって、きちんと試験勉強をすれば合格できる試験です。

一次試験は独学でも合格できますが、二次試験は講習会への参加がおすすめです。

 

一次試験(学科)を突破できれば二次試験の合格率は高いため合格が見えてきます。

 

2020年以降の新築建築物では省エネ基準適合義務があるため、建築設備士の需要が高まります。

あなたのキャリアアップのためにもおすすめの資格です!

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