独立してみたい。
でも、どうやって申請すればいいの?
初めてだからよくわからない…
独立するなら稼いでみたいなぁ。
こういったっ疑問や要望に答える記事です。
この記事でわかることは下記のとおり。
- 登録電気工事業者の種類と申請方法がわかる
- 一人親方の登録電気工事業者で独立するときのポイントがわかる
一人親方で登録電気工事業者になる方法を解説します。
電気工事業者で独立するときは、電気工事登録が必要です。
登録なく電気工事業を営むと、懲役や罰金が課せられるので必ず登録しましょう。
登録に必要な書類や機械器具も紹介します。
また、独立して稼ぐコツも簡単にまとめたので参考にしてみてください。
目次
電気工事登録は4種類ある
電気工事登録には下記の4種類があります。
電気工事登録の種類 | 業務範囲 | 建設業許可の有無 |
登録電気工事業者 | 一般用電気工作物と自家用電気工作物の電気工事を行う | なし |
みなし登録電気工事業者 | 一般用電気工作物と自家用電気工作物の電気工事を行う | あり |
通知電気工事業者 | 自家用電気工作物の工事のみを行う | なし |
みなし通知電気工事業者 | 自家用電気工作物の工事のみを行う | あり |
ちなみに、一般用電気工作物と自家用電気工作物の違いは下記のとおりです。
- 一般用電気工作物:600V以下の電気工作物
- 自家用電気工作物:最大電力500kW未満の電気工作物
それでは、4種類の電気工事登録を1つずつ解説していきます。
①登録電気工事業者
登録電気工事業者は、一般用電気工作物と自家用電気工作物の電気工事を行い、建設業許可がない業者のこと。
登録電気工事業者は、営業所ごとに「主任電気工事士」の在籍が必要です。
主任電気工事士の条件は下記のいずれかです。
- 第1種電気工事士
- 第2種電気工事士取得後の実務経験が3年以上
一人親方の場合は、自分が主任電気工事士として登録します。
一般用電気工作物の工事のみを行う場合は、営業所ごとに下記の機械器具が必要です。
- 絶縁抵抗計
- 接地抵抗計
- 交流電圧および抵抗測定用回路計
一般電気工作物に加えて自家用電気工作物の工事も行う場合は、営業所ごとに下記の機械器具が必要です。
- 絶縁抵抗計
- 接地抵抗計
- 交流電圧および抵抗測定用回路計
- 低圧検電器
- 高圧検電器
- 継電器試験装置
- 絶縁耐力試験装置
一人親方で登録電気工事業者に登録するには、下記の書類を用意しましょう。
- 登録電気工事業者申請書
- 登録申請者誓約書
- 備付器具明細書
- 営業所所在地図
- 電気工事士免状コピー
- 実務経験証明書(第2種電気工事士のみ)
- 都道府県収入印紙(22000円)
- 登記事項証明書(法人登録のみ)
- 登録免許税納付の領収書
②みなし登録電気工事業者
みなし登録電気工事業者は、一般用電気工作物と自家用電気工作物の電気工事を行い、建設業許可がある業者のことです。
下記の3つを満たすことが求められます。
- 主任電気工事士がいること
- 必要な機械器具がそろっていること
- 建設業許可の専任技術者がいること
※主任電気工事士と機械器具については、先ほどの「登録電気工事業者」と同様です。
建設業許可があるので、500万円以上の電気工事を受注できます。
ちなみに建設業許可を取得する方法は、個人事業主で建設業許可を取得する8つのデメリット【年収アップのコツ】を参考にどうぞ。
一人親方で届出する場合は、下記の書類が必要です。
- 電気工事業開始届出書
- 電気工事士免状コピー
- 実務経験証明書(第2種電気工事士のみ)
- 備付器具明細書
- 登記事項証明書(法人登録のみ)
- 建設業許可のコピー
③通知電気工事業者
通知電気工事業者は、自家用電気工作物の電気工事のみを行い、建設業許可がない業者のことです。
電力会社から600V超で受電する電気工作物のうち、受電電力容量が500kW未満の設備の設置・変更の工事のみを行う場合は、電気工事業の登録ではなく通知でOK。
申請には電気工事士の資格が必要です。
また、営業所ごとに下記の機械器具が必要です。
- 絶縁抵抗計
- 接地抵抗計
- 交流電圧および抵抗測定用回路計
- 低圧検電器
- 高圧検電器
- 継電器試験装置
- 絶縁耐力試験装置
電気工事業を始める10日前までに手続きしましょう。
一人親方で届出するには、下記の書類が必要です。
- 電気工事業者開始通知書
- 通知書の誓約書
- 登記簿謄本(法人のみ)
- 備付器具明細書
④みなし通知電気工事業者
みなし通知電気工事業者は、自家用電気工作物の電気工事のみを行い、建設業許可がある業者のことです。
下記の3つを満たすことが求められます。
- 電気工事士資格があること
- 必要な機械器具がそろっていること
- 建設業許可の管理責任者と専任技術者がいること
必要な機械器具は、先ほど通知電気工事業者で解説したものと一緒です。
一人親方で届出するには、下記の書類が必要です。
- 電気工事業開始届出書
- 備付器具明細書
- 登記事項証明書(法人登録のみ)
- 建設業許可のコピー
また、建設業許可の管理責任者と専任技術者については、個人事業主で建設業許可を取得する8つのデメリット【年収アップのコツ】にまとめています。
電気工事登録書類の提出先
営業所を設置する場所や数によって、電気工事登録の書類の提出先が変わります。
営業所を設置する数や場所 | 提出先 |
1つの都道府県のみに営業所を設置 | 都道府県知事 |
2つ以上の都道府県に営業所を設置して1つの産業保安監督部内の場合 | 産業保安監督部長 |
2つ以上の都道府県に営業所を設置して2つ以上の産業保安監督部の場合 | 経済産業大臣 |
電気工事登録の拒否事由
下記に該当すると電気工事登録ができません。
- 申請内容に虚偽がある
- 過去2年以内に電気工事の法律に違反して罰金以上の刑罰を受けた
- 過去2年以内に電気工事業の登録を取り消された
- 電気工事業の登録を取り消された日から30日前に当該法人の役員で、取り消しから2年経過していない
- 電気工事業の停止を命じられて停止期間を経過していない
- 法人の役員が上記の条件に該当している
- 営業所ごとに主任電気工事士を配置していない
電気工事登録せずに電気工事業を始めた場合の罰則
電気工事登録をせずに電気工事業を始めると、下記の罰則があります。
- 1年以下の懲役
- 10万円以下の罰金
また、みなし登録電気工事業者の登録をせずに電気工事を始めた場合は2万円以下の罰金があります。
必ず登録してから電気工事業を始めてください。
電気工事登録の更新は5年
登録を継続するには、5年に一度の更新が必要です。
5年が経過する30日前までに更新申請を行いましょう。
更新にかかる費用は下記のとおりです。
- 経済産業大臣へ申請:14400円
- 都道府県知事へ申請:12000円
一人親方の登録電気工事業者で独立するときのポイント
稼げるか不安…
一人親方の登録電気工事業者で年収アップするコツは、下記の3つです。
- 営業する
- 業務提携を広げる
- 人脈を広げる
具体的なノウハウは、電気工事士が独立で失敗しにくい3つの方法【独立前に準備しよう】にまとめてます。
法人or個人どっちで始めるべき?
法人と個人のメリットとデメリットは下記のとおりです。
メリット | デメリット | |
個人 |
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法人 |
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また、個人の確定申告には「青色申告」と「白色申告」があります。
違いがあるので、事前に知っておきましょう。
青色申告 | 白色申告 | |
特別控除 | 65万円 | なし |
赤字の繰越 | 3年 | なし |
家族への給与 | 全額経費 | 制限あり |
減価償却 | 30万円未満なら一括経費にできる | 10万円超は減価償却が必要 |
事前申請 | 必要 | 不要 |
提出書類 | 多い | 少ない |
帳簿作成 | 難しい(複式簿記) | 簡単(簡易簿記) |
詳しくは、個人事業主で建設業許可を取得する8つのデメリット【年収アップのコツ】にまとめたので参考にどうぞ。
また、こちらのYouTubeも参考になると思います。
まとめ【一人親方で登録電気工事業者に登録してみよう】
最後にもう一度、電気工事登録の4つの種類をまとめておきます。
電気工事登録の種類 | 業務範囲 | 建設業許可の有無 |
登録電気工事業者 | 一般用電気工作物と自家用電気工作物の電気工事を行う | なし |
みなし登録電気工事業者 | 一般用電気工作物と自家用電気工作物の電気工事を行う | あり |
通知電気工事業者 | 自家用電気工作物の工事のみを行う | なし |
みなし通知電気工事業者 | 自家用電気工作物の工事のみを行う | あり |
条件を満たしているなら、電気工事登録をしてみましょう。
建設業許可の取得については、個人事業主で建設業許可を取得する8つのデメリット【年収アップのコツ】を参考にどうぞ。
また、一人親方の登録電気工事業者で年収アップするコツは下記の3つです。
- 営業する
- 業務提携を広げる
- 人脈を広げる
詳しくは、電気工事士が独立で失敗しにくい3つの方法【独立前に準備しよう】にまとめています。
あなたの独立の参考になればうれしいです!