水勾配・手摺高さ・隔て板などの基準はどうなってるんだろう?
こういった疑問に答える記事です。
本記事の内容は下記のとおり。
- バルコニーやベランダの水勾配は1/50【排水口は1/100】
- バルコニーの手摺高さは110cm以上
- バルコニー隔て板の基準【避難ハッチとの距離】
バルコニーやベランダの水勾配、手摺の高さ、隔て板の基準などを解説します。
バルコニー・ベランダの設計の参考にしてください。
目次
バルコニーやベランダの水勾配は1/50【排水口は1/100】
バルコニーやベランダの水勾配は、1/50です。
性能保証住宅設計施工基準で決められています。
バルコニーやベランダに勾配がないと、水が流れません。
水が流れないと、
- 床面の劣化
- 室内に水が入ってくる
- 転倒などの事故
などにつながるので、必ず勾配が必要です。
水勾配が1/50なので、バルコニーの奥行きが50cmであれば1cm下げるという意味です。
奥行き1mなら2cm下げます。
また、排水口の勾配は1/100です。
バルコニーやベランダの奥行きと、水勾配と排水口の勾配の関係は下記の表のとおりです。
奥行き | 水勾配 | 排水口の勾配 |
1m | 2cm | 1cm |
1.5m | 3cm | 1.5cm |
2m | 4m | 2cm |
ただし、床面に凹みがあると水がうまく流れません。
床面の施工時に凹みがないかチェックしてください。
ちなみに、バルコニーの壁側の防水立ち上げは250mm以上をとりましょう。
サッシ側は120mm以上の防水立ち上げが必要です。
バルコニーの手摺高さは110cm以上
バルコニーの手摺の高さは、下記を参考にしてください。
- 腰壁の高さが30cm未満:床から110cm以上
- 腰壁の高さ30cm以上65cm未満:腰壁から80cm以上
- 腰壁の高さ65cm以上110cm未満:床から110cm以上
ただし、2階建ての建築物の場合は、バルコニーの手摺高さの規定がありません。
例えば、戸建て住宅などですね。
でも、2階といえど落ちたら危険なので、床から110cm以上の手摺高さで設計すると良いでしょう。
ちなみに手摺については、
階段手摺の高さは75cmくらい【設置基準やその他の手摺の高さも解説】にまとめたので、必要があれば読んでみてください。
- 階段
- 廊下
- 2階の窓
- 3階の窓
- トイレ
- ドア横
の手摺の高さも解説しています。
バルコニー隔て板の基準【避難ハッチとの距離】
バルコニーの隔て板の基準は、下記のとおりです。
- 横600mm以上
- 縦800mm以上
- 床から隔て板の高さ150mm以下
ちなみに、バルコニーの床面に設置する避難ハッチは、隔て板から600mm以上離して設置してください。
また、バルコニーの雨水管から通路の端までは、600mm以上離して、通路を確保しましょう。
通路がせまいと、避難が困難になります。
雨水管や物干し金物が、避難ハッチの邪魔にならない設計にするのも大切です。
まとめ【バルコニーの勾配・手摺高さ・隔て板の設計は正しく行う】
この記事をまとめます。
- バルコニーやベランダの水勾配は1/50で、排水口は1/100
- 防水立ち上げは、壁側250mm以上、サッシ側120mm以上
- バルコニーの手摺高さは、110cm以上にすること
- 隔て板の基準は横600mm以上・縦800mm以上・床から150mm以下
- 隔て板と避難ハッチは600mm以上離す
バルコニーの設計の参考になればうれしいです(^^)
ちなみに、バルコニーのサッシ側には120mm以上の防水立ち上げが義務化されているので、スロープは禁止です。
車椅子でバルコニーに出れるように設計したいところですが、それはできません。
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