なんか緩和条件があったと思うけど、計算方法を知りたいな。
こういった疑問に答える記事です。
この記事の内容は下記のとおり。
- カーポートの建ぺい率の計算方法
- カーポートの容積率の緩和条件
カーポートも建築物なので、建ぺい率に含めないといけません。
柱と屋根だけですが、建築物に該当します。
ただし、カーポートは建ぺい率の緩和条件があるので、最大限活用しましょう。
また、容積率にも緩和条件があるので併せて紹介します!
目次
カーポートの建ぺい率の計算方法
カーポートは天井と柱で造られているので、建築物に該当します。
知らずに立ててしまうと、確認申請が通らないことがあるので注意しましょう。
原則的には、カーポートの面積をそのまま建ぺい率に算入します。
念のため紹介しておきますが、建ぺい率の計算式は下記のとおりです。
建ぺい率は自治体によって違うので、必ず確認しましょう。
カーポートで建ぺい率オーバーの違反は確認申請が通らない
カーポート分の面積を算入し忘れて建ぺい率オーバーすると、確認申請が通りません。
後からカーポートを新設する場合も、原則的には建ぺい率の範囲内で造らないといけません。
くれぐれもカーポートの面積分を忘れないようにしてください。
カーポートの建ぺい率の緩和条件
条件を満たすカーポートは緩和条件が適用されて、縦横1mまで建ぺい率に参入しなくてOKです。
緩和条件は、建築基準法第2条第2号に記載があります。
下記は、建築基準法第2条第2号の中から抜粋。
ただし、国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造の建築物又はその部分については、その端から水平距離1m以内の部分の水平投影面積は、当該建築物の建築面積に算入しない。
引用元:建築基準法第2条第2号
上記の「国土交通大臣が高い開放性を有すると認めて指定する構造」とは下記のとおりです。
※平成5年建設省告示1437号より
- 天井の高さ2.1m以上
- 外壁がない部分が連続して4m以上
- 柱の感覚が2m以上
- 1階建てであること
結論、上記条件に該当するカーポートは、縦横1mまで建ぺい率に参入しなくてOKです。
図にすると下記のとおりです。
ただし、自治体によって条件が違うことがあるので、必ず事前に確認してください。
カーポートの建ぺい率の計算方法【緩和バージョン】
緩和条件を満たすカーポートの、建ぺい率の計算方法の例を紹介します。
- 縦5m
- 横2.5m
のカーポートを例にして計算してみました。
【カーポートの面積】縦5m×横2.5m=12.5㎡
縦横1m内側は建ぺい率に算入しないので、建ぺい率に算入する部分は、
縦5m-1m-1m=縦3m
横2.5m–1m-1m=横0.5m
【建ぺい率に算入する面積】縦3m×横0.5m=1.5㎡のみ
ちなみに、建ぺい率に算入しない面積は、下記のとおりです。
12.5㎡-1.5㎡(算入面積)=11㎡
カーポートの容積率の緩和条件
カーポートには、容積率にも緩和条件があります。
※容積率とは延べ床面積で計算します。
建築物の延べ床面積の1/5まではカーポートの床面積を容積率に算入しなくてOKです。
例えば、下記の条件で計算してみましょう。
カーポート:縦5m・横2.5m・床面積12.5㎡
建物の延べ床面積60㎡
カーポートの床面積12.5㎡+建物の延べ床面積60㎡=72.5㎡
72.5㎡×1/5=14.5㎡なので、12.5㎡のカーポートの床面積はすべて容積率に算入しなくて大丈夫です。
ただし、容積率は自治体によって違うので、必ず事前に確認してください。
まとめ【カーポートの建ぺい率には緩和条件がある】
この記事をまとめます。
- 原則的には、カーポートの面積をそのまま建ぺい率に算入する
- カーポートが緩和条件に該当すれば、建ぺい率に算入する部分が減る
- 容積率にもカーポートの緩和条件がある
カーポートの建ぺい率・容積率の計算の参考にしてみてください。
ちなみに、カーポートに照明を設置する場合は、LEDと蛍光灯の違いを知っておきましょう。
LEDと蛍光灯の違いは、蛍光灯とLEDの違い14選【結論:適した場所に適した照明を使う】にまとめています。
あなたの設計の参考になればうれしいです!