鉄道電気設備について解説します。
これから鉄道電気工事の仕事に就職を考える人は、参考にしてみてください。
日本の鉄道技術は海外進出も果たしているため、鉄道電気工事の従事すると国際的に活躍できるかもしれません。
将来性がある仕事といえるでしょう。
それでは、さっそく見ていきましょう!
目次
鉄道電気設備の種類
鉄道電気設備の主な種類は下記があります。
- 電車線路設備
- 信号設備
- 電灯・電力設備
- 情報通信システム
- 発電設備
- 変電設備
- 送電線設備
これらには新設工事と補修工事があります。
1つずつ解説していきます。
電車線路設備
「電車線路設備」とは、電車に電力を伝える設備のことです。
主に下記の設備があります。
- 架線(トロリ線ともいう)
- き電線(架線に電力を供給する電線)
- 高圧配電線
- 第三軌条(線路に沿って敷く給電用の線路)
「第三軌条」は東京メトロ銀座線・丸の内線が有名です。
信号設備
鉄道の信号設備は下記などがあります。
- 電車用の信号機
- 踏切の信号機
- 踏切保安設備
- 閉そく装置(電車が接近しすぎないようにする装置)
- 転てつ機(電車の進路変更の設備)
- 連動装置(転てつ機と信号機を連動させる装置)
- ATS(自動列車停止装置)
- ATC(自動列車制御装置)
- CTC(列車集中制御装置)
安全に電車を運行するためにも、信号設備が必要です。
電灯・電力設備
電灯・電力設備は下記などがあります。
- 照明設備
- 自動改札
- 電気掲示板
- ホームドア
- エレベーター
- エスカレーター
- 受変電設備(受電した高圧電力を変圧器で電圧を下げて供給する設備)
ちなみに、こうした動力になる電気を「強電」といいます。
強電については、弱電と強電の違いを解説します【それぞれ必要な資格が違う】にまとめています。
情報通信システム
情報通信システムには下記などがあります。
- 放送設備
- 電話設備
- 無線設備
- 防災設備
- 監視カメラ
- 雨量計
- 地震計
- 風向風速計
- 運行システム
- 携帯電話のアンテナ
- 光ファイバーケーブル
ちなみに、こうした情報通信に使う電力を「弱電」といいます。
弱電についても、弱電と強電の違いを解説します【それぞれ必要な資格が違う】にまとめたので参考にどうぞ。
発電設備
鉄道会社によっては自社で発電設備を保有しており、電車の運行に必要な電気を発電しています。
例えば、JR東日本では下記の発電設備(発電所)が有名です。
- 川崎火力発電所(神奈川県川崎市)
- JR東日本信濃川発電所(新潟県小千谷市)
変電設備
電力会社から受電した電力を電鉄用変電所で受けて、電車や鉄道関連の電気設備用に変えることができます。
鉄道の変電所には下記の2種類があります。
- 直流変電所:直流電化区間の電力を供給
- 交流変電所:交流電化区間の電力を供給(新幹線など)
ちなみに、JR東日本変電所は306箇所もあります。
送電線設備
送電線設備とは、発電所で発電された電気を鉄道用の変電所に送電する設備のことです。
架線柱をつたう「架空送電線路」と、送電線を地中に埋める「地中送電線路」があります。
【そもそも】電車の電気の流れや架線の仕組み
そもそも電車が走る電気の流れは下記のとおりです。
- 変電所から架線に電気が送られる
- 電車は架線からパンタグラフで電気を受け取る
- パンタグラフから受けた電気でモーターを回して進行する
- 電車の車輪からレールに電気が伝わる
- レールに伝わった電気が変電所に戻る
このように電気が循環しています。
※電車の線路には微弱な電流が流れています。
鉄道電気工事の大変なところ
ちなみに、鉄道電気工事の大変なところは下記の5つです。
- 夜勤が多い
- 重い資材もある
- 災害復旧が大変
- 夏暑い・冬寒い
- 危険と隣り合わせ
鉄道電気工事ならではの大変なところがあります。
詳しくは、鉄道電気工事のきついところ5選【ただし、年収など魅力も多いです】にまとめたので、就職を考える人は参考にどうぞ。
日本の鉄道技術は海外にも進出している
出典:国土交通省「各国の鉄道プロジェクトと海外展開に向けた取組」
日本の鉄道は技術面や安全面で、世界トップクラスといっても良いでしょう。
事実、多くの国から日本の鉄道技術を使った計画が進んでいます。
鉄道電気工事に従事する人は、今後は世界に進出していけるかもしれません。
電気工事の中でも、グローバルに活躍できる可能性を秘めています。
国内の鉄道需要は補修工事がメインですが、海外は新設工事も多いです。
将来性は問題なしといえるでしょう。
まとめ:鉄道電気設備の種類や仕組みを知っておこう
最後にもう一度、鉄道電気設備の種類をまとめておきます。
- 電車線路設備
- 信号設備
- 電灯・電力設備
- 情報通信システム
- 発電設備
- 変電設備
- 送電線設備
ちなみに、鉄道電気工事に就職するときは、下記の2つの仕事があります。
- 電気工事士:実際に電気工事を行う技術者
- 電気工事施工管理:鉄道電気工事の現場監督
いずれも未経験から就職できます。
就職する方法は、鉄道電気工事に転職する方法【2つの進路あり】に詳しくまとめたので参考にしてみてください。
あなたの参考になればうれしいです!