あと、よく使われる断熱材の種類も知りたい。
こういった疑問に答える記事です。
この記事の内容は下記のとおり。
- 断熱材の熱伝導率を解説
- よく使われる断熱材の種類
- 断熱効果の計算方法
断熱材の熱伝導率を解説します。
設計段階での参考にしてください。
また、よく使われる断熱材も紹介します。
業務の参考になればうれしいです!
目次
断熱材の熱伝導率を解説
断熱材の熱伝導率は、下記の表のとおりです。
断熱材 | 熱伝導率(W/(m/k)) |
フェノールフォーム保温板1種1号 | 0.022 |
フェノールフォーム保温板1種2号 | 0.022 |
硬質ウレタンフォーム保温板2種1号 | 0.023 |
硬質ウレタンフォーム保温板2種2号 | 0.024 |
ロックウール(マット) | 0.038 |
ロックウール(フェルト) | 0.038 |
ロックウール(ボード) | 0.036 |
吹き付けロックウール | 0.064 |
吹き込み用ロックウール25k相当 | 0.047 |
吹き込み用ロックウール65K相当 | 0.039 |
高性能グラスウール16K相当 | 0.038 |
高性能グラスウール24K相当 | 0.036 |
高性能グラスウール32K相当 | 0.035 |
高性能グラスウール40K相当 | 0.034 |
高性能グラスウール48K相当 | 0.033 |
グラスウール10K相当 | 0.05 |
グラスウール16K相当 | 0.045 |
グラスウール20K相当 | 0.042 |
グラスウール24K相当 | 0.038 |
グラスウール32K相当 | 0.036 |
吹き込み用グラスウール13K相当 | 0.052 |
吹き込み用グラスウール18K相当 | 0.052 |
吹き込み用グラスウール30K相当 | 0.04 |
吹き込み用グラスウール35K相当 | 0.04 |
押出法ポリスチレンフォーム保温板1種 | 0.04 |
押出法ポリスチレンフォーム保温板2種 | 0.034 |
押出法ポリスチレンフォーム保温板3種 | 0.028 |
ビーズ法ポリエチレンフォーム保温板特号 | 0.034 |
ビーズ法ポリエチレンフォーム保温板1号 | 0.036 |
ビーズ法ポリエチレンフォーム保温板2号 | 0.037 |
ビーズ法ポリエチレンフォーム保温板3号 | 0.04 |
ビーズ法ポリエチレンフォーム保温板4号 | 0.043 |
A種ポリエチレンフォーム保温板1種2号 | 0.042 |
A種ポリエチレンフォーム保温板2種 | 0.038 |
吹き込み用セルローズファイバー25K | 0.04 |
吹き込み用セルローズファイバー45K | 0.04 |
吹き込み用セルローズファイバー55K | 0.04 |
ロックウール化粧吸音版 | 0.064 |
カーペット類 | 0.08 |
畳 | 0.083 |
アスファルト類 | 0.11 |
天然木材 | 0.12 |
ミディアムデンシティファイバーボード | 0.12 |
火山性ガラス室複層板 | 0.13 |
木毛セメント板 | 0.13 |
木片セメント板 | 0.15 |
合板 | 0.16 |
ハードファイバーボード | 0.17 |
せっこうプラスター | 0.6 |
レンガ | 0.64 |
土壁 | 0.69 |
しっくい | 0.74 |
業務の参考にしてください。
よく使われる断熱材の種類
よく使われる断熱材は、下記などが代表的です。
- グラスウール
- ロックウール
- フェノールフォーム
- セルロースファイバー
- 高発泡ポリエチレン
- 押出法ポリスチレンフォーム
- 現場発泡式ウレタンフォーム
- セルロースファイバー
でも、断熱材は品質が良い新しいものも作られています。
今後は、もっと良い断熱材ができるかもしれませんね。
断熱材には繊維系とプラスチック系がある
断熱材には、下記の2種類があります。
- 繊維系
- プラスチック系
それぞれ見てみましょう。
繊維系の断熱材
繊維系は繊維をまとめたもので、繊維と繊維の間に空間を作ることで、空気を閉じ込める効果があります。
理科の実験で使った「スチールウール」を思い出してもらうとわかりやすいですね。
繊維をまとめることふわふわとして感触になり、空気を含みやすくなります。
空気を含むことで、外気の熱・寒さが室内に入り込むのを防ぎます。
代表的なものは、上記の「グラスウール」です。
グラスウールは、ガラスを繊維上にしてまとめたものです。
比較的安価なので、よく使われています。
ただしグラスウールは湿気に弱いので、防湿対策を万全にしましょう。
他にも、ロックウールやセルロースファイバーなどがあります。
ロックウールは火事に強いのがメリットです。
セルロースファイバーは調湿効果もあるので重宝されます。
プラスチック系の断熱材
プラスチック系の断熱材は、簡単にいうと気泡を作ることで空気を閉じ込めます。
気泡の中で空気が対流し、冷ますor温めるという効果で断熱します。
プラスチック系の断熱材は、細かい気泡があるほど断熱効果が高いです。
発泡スチロールをイメージするとわかりやすいですね。
プラスチック系の断熱材には、下記などがあります。
- ポリスチレンフォーム:価格が安いが熱に弱い
- ポリエチレンフォーム:柔軟性がある
- ウレタンフォーム:防湿対策が必要
- フェノールフォーム:熱に強い
断熱材の選び方
断熱材を選ぶときのポイントは、下記の5つです。
- 予算:グラスウールなどが良い
- 施工のしやすさ:セルロースファイバーなどが良い
- 湿気に強い:グラスウールやウレタンフォームでいいが防湿対策が必要
- 熱に強い:ロックウールやフェノールフォームが良い
- 燃えにくい:ロックウールなどが良い
結論は施主や予算と向き合わなければいけません。
折り合いをつけていきましょう。
断熱効果は熱貫流率・熱抵抗・熱伝導率で決まる
断熱効果は、下記の3つの要素で決まります。
- 熱貫流率
- 熱抵抗
- 熱伝導率
1つずつ解説します。
熱貫流率とは
熱貫流率を簡単にいうと「熱が壁内部に伝わる割合」のことです。
複数の材料(壁、断熱材、壁紙など)を通して、熱がどれくらい伝わるかの割合です。
なので、完成した建築物自体の断熱効果を計算できます。
熱貫流率=1/熱貫流抵抗で計算します。
熱抵抗とは
熱抵抗を簡単いうと、材料の厚さによる熱の伝わる割合のことです。
当然、材料が厚い方が熱は伝わりにくいです。
熱抵抗=材料の厚さ(m)/材料の熱伝導率で計算します。
熱伝導率とは
熱伝導率は、材料自体の熱の伝わりやすさのことです。
※上記の表で表したものです。
1㎥あたりの熱の伝導する割合を示した数値です。
熱伝導率=1/室内側表面熱抵抗+材料熱抵抗+外気側表面抵抗で計算します。
まとめ【熱伝導率の低い断熱材を使いましょう】
この記事をまとめます。
- 断熱材の熱伝導率を確認
- よく使われる断熱材の種類を知りましょう
- 断熱効果は熱貫流率・熱抵抗・熱伝導率で決まる
断熱材の熱伝導率を知りたい人の、参考になればうれしいです!
ちなみに、気密性を上げすぎると換気効率が落ちます。
近年は気密性の高い建築物が増えているので、24時間換気なども義務化されていますね。
換気方法については、下記の2記事も参考にしてみてください。
あなたの仕事の参考になればうれしいです!