機械換気設備が必要な場合や、必要換気量の計算方法も知りたい。
こういった疑問に答える記事です。
この記事の内容は下記のとおり。
- 換気計算の1/20を解説
- 必要換気量の計算方法
- 24時間換気システムについて
換気計算の1/20について解説します。
設計の参考にしてみてください。
設計を間違えると確認申請に通らないので、注意が必要です。
間違いがないようにしましょう。
目次
換気計算の1/20を解説
換気計算の1/20については、建築基準法28条第2項に定められています。
ホルムアルデヒドなどシックハウス対策の法律です。
建築基準法28条第2項では、換気計算を「外気に向かった換気の開口部の面積を、床面積の1/20以上にすること」としています。
床面積に対して1/20以上の換気口がない場合は、機械換気設備の設置が必要です。
また、床面積に対して1/20以上の換気口でも、機械換気設備でも下記を守る必要があります。
- 室内の一酸化炭素濃度を50ppm以下にすること
- 二酸化炭素濃度を5000ppm以下にすること
ただし、室内に二酸化炭素を発生させる機器がある場合は、機器で発生する二酸化炭素も加味して計算することが必要です。
換気の開口部の面積の計算式
換気の開口部の面積は、文字通り窓が開いている面積です。
例えば、縦50cm×横30cm=1500㎠となります。
引き違い窓なら、開放できる面積=換気の開口部の面積ですね。
注意が必要なのは、扉式の窓です。
開放角度が45°以上なら開放面積=換気の開口部の面積でOK。
開放角度が45°未満なら「開放面積×開放角度÷45」で計算します。
角度が小さいほど空気が通りにくいので、45°未満の場合はそれを加味する感じです。
映画館・劇場などは窓があっても機械換気設備が必要
映画館・劇場・集会場・公会堂などは、窓があっても機械換気設備が必要です。
窓を開放しない可能性が高いからです。
映画館で窓が空いてたら、雰囲気ぶち壊しですからね。
なので、機械換気設備を設置しましょう。
必要換気量の計算方法
換気計算をするときは、居室の必要換気量の計算も必要です。
居室の広さや用途によって、必要な換気量が定められているからです。
確認申請にも関わるので、必ず計算しましょう。
必要換気量の計算式は、下記のとおりです。
1人あたりの占有面積の例は、下記の表のとおりです。
建築物の種類 | 1人あたりの占有面積 |
事務所 | 5㎡ |
飲食店 | 3㎡ |
店舗 | 3㎡ |
ホテル・旅館 | 10㎡ |
集会場 | 0.5~1㎡ |
例えば、床面積30㎡の事務所であればこんな感じです。
20×30㎡(床面積)÷5㎡(1あたりの占有面積)=120㎥/h
床面積に対して1/20の換気口はないけど窓がある場合
床面積に対して換気口が1/20未満だけど、窓がある場合は必要換気量から窓の換気量を引いて計算します。
計算式は下記のとおり。
例えば、下記の事務所で計算してみましょう。
- 床面積:30㎡
- 窓面積:1.2㎡
計算式は下記のとおりです。
必要換気量の計算の参考にしてみてください。
24時間換気システムについて
2003年の建築基準法改正で、すべての新築の建築物は24時間換気システムの設置が義務化されました。
主には、シックハウス症候群対策の法改正ですね。
高気密・高断熱の建物が増えたため、自然換気が難しくなったからです。
24時間換気システムでは、1時間で室内の空気を半分以上入れ替える必要があります。
結論、24時間換気システムも使って必要換気量を満たせればOKです。
24時間換気システムについては、24時間換気システムの必要性や種類によるメリットとデメリットにまとめています。
まとめ【換気計算の1/20の基礎を知っておこう】
この記事をまとめます。
- 換気計算の1/20の基礎を知っておこう
- 必要換気量を計算しよう
- 24時間換気システムについても知っておこう
換気計算の1/20について知りたい人の参考になればうれしいです!
ちなみに、換気システムには下記の4種類があります。
- 第1種換気方式
- 第2種換気方式
- 第3種換気方式
- 自然換気
4つの換気システムについて、換気システムの4つの種類と効果にまとめたので参考にどうぞ。
また、換気と同時に重要なのが排煙設備です。
排煙設備の設置基準は、建築基準法と消防法に分かれています。
換気方法も自然換気と機械換気があり、基礎を知っておきましょう。
排煙設備については、排煙設備の設置基準を解説【自然排煙と機械排煙の違いや種類】にまとめています。
あなたの設計の参考になればうれしいです!