不快指数の計算式や早見表などをご紹介します。
温度や湿度によって不快指数は変わります。
空調においても不快指数は重要な数値です。
この記事では、
- 不快指数とは
- 不快指数の計算式
- 不快指数の早見表
- 不快指数と体感温度の違い
などをご紹介します。
空調知識の参考になればうれしいです(^^)
不快指数とは?
不快指数とは、1959年にアメリカで電気使用量を予測するために使われた数値です。
夏のジメジメしたときや、日本の梅雨のように気温が高いときに雨がふると不快指数が上がり、エアコンの使用量が増えます。
電力会社が夏の電力供給の指標にしたのが不快指数です。
日本は湿気が多い国であり、1961年から不快指数が使われています。
気象庁では不快指数のことを『気温と湿度による「むし暑さ」の指数』と解説しています。
むし暑さのメカニズム
気温が高くなると人間の体は汗をかきます。
汗が蒸発するときに体温を奪い取ってくれるため涼しくなるのです。
しかし、湿気が多いと汗の蒸発がうまくいきません。
汗の蒸発がうまくいかないとジメジメとむし暑く感じます。
湿度が低いほど汗の蒸発は早いため、不快感は下がります。
不快指数の計算式
不快指数の計算式をご紹介します。
不快指数=0.81×気温+0.01×湿度x(0.99×温度-14.3)+46.3
となります。
例えば、気温が30℃、湿度が60%であれば、
0.81×30(気温)+0.01×60(湿度)x(0.99×30(温度)-14.3)+46.3=不快指数79.84
となります。
不快指数による体感は下記の表のようになります。
不快指数 | 体感 |
~55 | 寒い |
55〜60 | 肌寒い |
60〜65 | 何も感じない |
65〜70 | 快い |
70〜75 | 暑くない |
75〜80 | やや暑い |
80〜85 | 暑くて汗が出る |
85~ | 暑くてたまらない |
出典:Wikipedia「不快指数」
気温35℃、湿度80%であれば不快指数は90.93となり「暑くてたまらない」となります。
気温1度、湿度20%であれば不快指数は44.44となり「寒い」となります。
不快感のない空調は「60~65何も感じない」から「65~70快い」が望ましいです。
例えば、暑い夏で気温が35℃あっても、湿度を下げることで過ごしやすくなります。
※カラッとした暑さという感じですね。
不快指数の早見表
不快指数の早見表(不快指数表)をご紹介します。
不快指数の計算をしなくてもおおよその不快指数の参考になると思います(^^)
エアコンには除湿ボタンがありますよね?
除湿をすると涼しく感じる理由は湿度を下げることで汗が蒸発しやすくなり、体温が下がるためです。
※ちなみに、エアコンより除湿器の方が電気代が安いです。
上記の早見表で、湿度が下がるほど不快指数が下がるのがわかりますね。
オフィスビル・商業施設・病院などの空調は気温だけでなく、湿度を調整することで不快指数を下げることも大切です。
また、暑がりの人は夏エアコンを強くしてしまいがちですが、周りの人は寒がっていることがありますよね。
不快指数を使えば「一般的に快適な気温と湿度」を知ることができます。
特に、オフィスビル・商業施設などは不快指数を使って「一般的に快適な気温と湿度」を心がけましょう。
サウナがジメジメしない理由
あなたはサウナは好きですか(^^)?
サウナの室内温度は80~90℃くらいあります。
ですが、湿度は5~15%くらいしかないためサウナ内はジメジメとした不快感がないのです。
上記の不快指数の早見表で見るとわかるとおり、左にいくほど湿度が下がって不快指数が下がるのがわかりますね。
気温が高くても湿度が低ければ不快感は下がるのです。
余談ですが「サウナって80~90℃なのに、なぜやけどしないの?」と思いますよね。
人間の肌が80~90℃のお湯に触れたらやけどしますが、サウナ内は気体(水蒸気)です。
気体は熱伝導率が低いためやけどしないのです。
また、サウナに入ると汗をかきます。
汗が肌を保護してくれていることもあるので、サウナに入ってもやけどしないのです。
体感温度とは?
不快指数と合わせて用いられるものに「体感温度」があります。
不快指数は気温と湿度で計算しますが、体感温度は気温・湿度・風速で計算します。
風が吹くことで涼しく感じることがありますよね。
風速も含めて計算するのが体感温度で、より正確な数値がでます。
体感温度の計算式は、
体感温度=37-{(37-気温)÷(0.68-0.0014×湿度+1/A)}-0.29×気温×(1-湿度÷100)
A=1.76+1.4×風速(秒速)の0.75乗
となっています。
なんとも複雑な計算式ですね(汗)
快い空調を目指す場合は送風も上手に使うのが大切です。
まとめ
不快指数は空調を知る上での基礎なので覚えておきましょう。
湿度を下げることでむし暑さを解消することができます。
気温と湿度を調節して不快指数を「快い」にすることで快適空間にできます。
また、風を起こすことで体感温度を下げることもできます。
空調では気温・湿度・風速の組合せを上手に使うのが重要です。
あなたの空調の勉強の参考になればうれしいです(^^)