たしか何か基準があったはず。
どれくらいの高さだと便利なのかな?
こういった疑問に答える記事です。
この記事の内容は下記のとおり。
- 階段手摺の高さは75cmくらい【設置基準を解説】
- その他の手摺の高さも解説【設計の参考にどうぞ】
- バリアフリー法の改正【今後はますますバリアフリー設計が必要】
階段手摺の高さを解説します。
使いやすい高さにすることが大切。
階段なので、落下しない高さの手摺であることも重要です。
また、その他の箇所の手摺の高さも参考に紹介します。
目次
階段手摺の高さは75cmくらい【設置基準を解説】
階段手摺の高さは、階段の段鼻から75cmくらいの高さに設置しましょう。
※踏面(ふみづら)から計ると、80cmくらいの高さになる感じです。
段鼻から75cmくらいの高さが、もっとも使いやすい高さと言われています。
階段手摺は高すぎても低すぎてもいけない
階段手摺は、高すぎても低すぎてもいけません。
- 高すぎる:後ろに重心がいく
- 低すぎる:前に重心がいく
階段手摺の目的は落下防止。
高さが適正でないと、落下の危険もあるので正しい高さに設置しましょう。
傾斜が45°以上の階段は両側に手摺が必要
傾斜が45°以上の階段は、階段の両側に手摺が必要です。
急勾配のため、両手で手摺をもたないと危険だからです。
また、45°未満の階段でも片側に手摺が必要です。
階段の幅が3m以上の場合は中間にも手摺が必要
階段の横幅が3m以上の場合は、階段の中間にも手摺が必要です。
横幅3m以上で中間に手摺がないと、階段の真ん中を歩くときに捕まるものがないからです。
万が一落下した場合は、捕まるところがないので危険です。
一般住宅にはあまりない設計ですが、横幅の広い階段を設置する場合は注意しましょう。
高さ1m以内の階段は手摺がなくてもいい
建築基準法では、高さ1m以内の階段には手摺を設置しなくてもいいことになっています。
危険度が低いからです。
ただし、建物を使う人によっては手摺の設置も検討しましょう。
例えば高齢者や小さな子供が住む家なら、安全を考えて手摺がある方が安心です。
依頼主に必ず確認するようにしてください。
階段手摺の柵の間隔は11cm以下
階段手摺の柵の間隔は、11cm以下にしましょう。
広すぎると、小さな子供が落下する危険があるからです。
子供は高いところが好きですからね。
柵の幅が広いと、隙間を通り抜けて身を乗り出して遊ぶ子もいるので危険です。
階段につながる廊下の手摺の高さは80cm・長さ20cm以上
階段につながる廊下の手摺の高さは、80cmくらいが良いでしょう。
80cmというのは、廊下の手摺の高さの基準だからです。
また、階段につながる廊下の手摺の長さは、20cm以上が良いですね。
依頼主に階段手摺を見てもらう
階段手摺を設計するときは、依頼主に手摺を見てもらうと間違いがありません。
特に個人宅の場合は、暮らす人によって手摺の高さの微調整が必要です。
小さな子供がいるなら、低い位置にもう1つ手摺を設置するのも良いでしょう。
階段の傾斜が45°未満でも、高齢者が利用する場合などはあえて両側に手摺をつけるのも良いですね。
依頼主の安全を守り、使いやすい手摺を設置しましょう。
その他の手摺の高さも解説【設計の参考にどうぞ】
参考までに、その他の箇所の手摺の高さも紹介しておきます。
箇所 | 手摺の高さ |
廊下 | 床面から75~85cm |
2階の窓 | 窓台の高さが30cm未満:床から110cm以上窓台の高さ30cm以上65cm未満:窓台から80cm以上窓台の高さ65cm以上75cm未満:床から80cm以上 |
3階の窓 | 窓台の高さが30cm未満:床から110cm以上窓台の高さ30cm以上65cm未満:窓台から80cm以上窓台の高さ65cm以上80cm未満:床から110cm以上 |
バルコニー | 腰壁の高さが30cm未満:床から110cm以上腰壁の高さ30cm以上65cm未満:腰壁から80cm以上腰壁の高さ65cm以上110cm未満:床から110cm以上 |
トイレ | トイレの座面から23~30cm(便器の先端から縦の手摺までは20~30cm) |
ドア横 | 手摺の上端は人の肩より10cmくらい上(手摺の長さは50cm以上) |
設計の参考にしてみてください。
バリアフリー法の改正【今後はますますバリアフリー設計が必要】
障害者や高齢者が移動しやすくするための、バリアフリー法が改正されます。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせての法改正ですね。
具体的な改正内容は、下記のとおりです。
- ホテル・旅館は、車椅子使用者用の部屋を客室の1%以上にすること
- 延べ面積2000㎡以上の特定建築物はバリアフリー情報を提供する
- 市町村がバリアフリープランを作成して、街をバリアフリー化する
今後の建築設計事務所には「バリアフリー設計の強さ」も求められるでしょう。
今回の法改正で、設計の新たな仕事になるかもしれません。
高齢化社会が進んでいる日本なので、バリアフリー設計は避けて通れませんね。
新しいバリアフリー法については、東京オリンピック・パラリンピックを機にバリアフリー法改正が進むにまとめています。
今後の設計の参考になると思います。
まとめ【階段手摺の高さは75cmくらい】
この記事をまとめます。
- 階段手摺の高さは段鼻から75cmくらい【踏面から80cmくらい】
- 傾斜が45°以上の階段は両側に手摺が必要
- 階段の幅が3m以上の場合は中間にも手摺が必要
- その他の手摺の高さも設計の参考にどうぞ
- バリアフリー法の改正で、今後はますますバリアフリー設計が必要
階段手摺の高さを知りたいあなたの参考になればうれしいです!
ちなみに、建築士資格をまだ取得していない人は、受験も検討しましょう。
一級建築士・二級建築士の試験の難易度については、下記の2記事にまとめています。
あなたの設計の参考になればうれしいです!