床暖房の仕組みや温水式と電気式の違いを解説【施工の注意点】

床暖房の仕組みや温水式と電気式の違いを解説【施工の注意点】
考える男性
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床暖房の仕組みを知りたいな。

温水式と電気式があるみたいだけど、どっちがいいんだろう?

 

それぞれのメリットデメリットも知りたいな。

こういった疑問に答える記事です。

本記事の内容は下記のとおり。

  • 床暖房の仕組みを解説
  • 温水式の床暖房の仕組み【メリットとデメリットも解説】
  • 電気式の床暖房の仕組み【メリットとデメリットも解説】
  • 床暖房を施工するときの注意点

 

床暖房が普及しましたが、お湯で暖める方式と電気で暖める方式の違いって、意外とわかりにくいですよね?

床暖房は一度設置すると後で変更は難しいので、正しい情報で選択しなければいけません。

 

この記事では温水式と電気式の違いや、施工の注意点を解説します。

床暖房を選択する参考にしてください。

 

施工する人は、お客さんへの提案の参考にしてください。

床暖房の仕組みを解説

温水式の床暖房の仕組み【メリットとデメリットも解説】

床暖房の仕組みを解説します。

床暖房は、床の下に電熱線かお湯が通るパイプを敷き詰めて、床を暖めています。

 

寒い冬は床が暖かいだけで、かなり暖かく感じますよね。

※足湯のようなイメージです。

 

床暖房は床を暖めるだけでなく、床暖房自体がストーブの役割をして部屋を暖めます。

 

つまり、床暖房が暖かいのは、

  1. 床から直接感じる熱
  2. 床暖房自体が部屋を暖める熱

 

の2つで暖かくなります。

 

床暖房は大きく分けると、

  1. 温水式
  2. 電気式

 

の2つがあります。

それぞれの特徴や、メリットデメリットを解説しますね。

 

温水式の床暖房の仕組み【メリットとデメリットも解説】

温水式の床暖房の仕組み【メリットとデメリットも解説】

温水式の床暖房は、お湯が通るパイプを床に張り巡らせて、パイプにお湯を流すことで暖める方式です。

お湯を作る必要があるので、床に這わせるパイプの他に、お湯を作る機械が必要です。

 

お湯を作る方法は、

  1. ガス
  2. 灯油
  3. 電気(エネファーム)
  4. ヒートポンプ

 

の4つがあります。

 

ヒートポンプ式は空気中の熱を集めて温水を作るので、光熱費がかなり安いですね。

 

ガスの床暖房の仕組み【床暖房用の給湯器が必要】

ガスでお湯を作る床暖房が一般的です。

給湯器でお湯を沸かして、床暖房のパイプにお湯を流す仕組みです。

 

床暖房用の給湯器が必要です。

床暖房用の給湯器を選べば、1つの給湯器で床暖房と給湯を兼ねることができます。

 

エコジョーズの床暖房の仕組み

エコジョーズを選べば、少ないガスでお湯を沸かすことも可能です。

「エコジョーズ」とは、給湯器がお湯を作るときに外気に出る熱も利用する方式です。

 

廃棄される熱が少ないので、無駄がなく環境にも家計にも優しいですね。

 

エネファームの床暖房の仕組み

近年は電気でお湯を沸かす「エネファーム」もあり、光熱費を抑えられます。

天然ガスから採取した水素と、空気中の酸素を反応させて電気を作る方法です。

 

作った電気で、お湯を沸かします。

 

温水式の床暖房のメリット

温水式の床暖房のメリットは、下記のとおりです。

  • 床が均一に暖まる
  • 電気よりやわらかい暖かさ
  • 暖かくなるのが早い
  • スイッチを切ってもしばらく暖かい
  • 長時間使用に強い
  • 広範囲を暖めるのが得意

 

性能が高いのが温水式の特徴です。

 

温水式の床暖房のデメリット

温水式の床暖房のデメリットは、下記のとおりです。

  • 初期費用が高い
  • 給湯器のスペースが必要
  • 床暖房用の給湯器を選ばないといけない
  • 修理費用が高い
  • ヒートポンプは初期費用が高く、暖まるのが遅い

 

初期費用がネックですね。

メリット・デメリットを知った上で選択しましょう。

 

電気式の床暖房の仕組み【メリットとデメリットも解説】

電気式の床暖房の仕組み【メリットとデメリットも解説】

電気式の床暖房は、電熱線を床に張り巡らせて発熱します。

電気式の床暖房のメリットは、下記のとおり。

  • 設置費用が温水式より安い
  • 施工しやすい

 

一方、デメリットは下記のとおりです。

  • 電気代が高い
  • 暖まるのに時間がかかる
  • 低温やけどのリスクあり
  • 暖まる場所にムラがある
  • 温水式の方がやわらかい暖かさ

 

メリットデメリットを理解した上で選択しましょう。

 

ちなみに、電気式の床暖房には、下記の3種類があります。

  1. 電熱線ヒーター式
  2. 蓄熱式
  3. PTCヒーター式

 

3種類を1つずつ解説しますね。

 

①電熱線ヒーター式

床下に電熱線をしくシンプルな構造です。

ホットカーペットを床下に埋めるようなイメージですね。

 

初期費用は安いが、電気代が高くなりがちです。

 

②蓄熱式

深夜電力を利用して蓄熱材に熱を貯めて、夜に発熱します。

電気代を抑えて24時間の床暖房が可能です。

 

ただし、新築じゃないと設置しにくいです。

リフォーム向きじゃないですね。

 

③PTCヒーター式

室内の温度差を感知して、熱を調整してくれます。

結果、室内の温度や床の温度を一定に保つことができます。

 

温水式と電気式のメリットとデメリット

温水式と電気式のメリットとデメリット

温水式と電気式の床暖房の、メリットデメリットを表にしました。

参考にしてみてください。

温水式 電気式
暖まるスピード 速い 遅い
熱のやわらかさ やわらかい 熱い
熱のムラ ムラができにくい ムラができやすい
スイッチを切ったときの保温性 高い 低い
低温やけどのリスク 低い ちょっと高い
初期費用 高い 安い
維持費用 安い 高い
設備のスペース 給湯器スペースが必要 せまくてもOK

メリットとデメリットの参考にしてください(^^)

 

床暖房を施工するときの注意点

床暖房を施工するときの注意点

床暖房を施工するときの注意点は、下記の3つです。

  1. 床暖房用のフローリングを使用すること
  2. 気密性・断熱性を高くすること
  3. 床暖房の面積は、床面積の60~70%にすること

 

床暖房には、床暖房用のフローリングを使用しましょう。

熱でフローリングが変形することを加味して、目地に少し余裕をもたせるのがコツです。

 

また、床暖房を設置したのに気密性・断熱性が低かったら致命的です。

せっかく発熱しても、熱がどんどん外に逃げてしまいます。

 

壁や天井の断熱はもちろん、床下の断熱もしっかり行いましょう。

床から熱が逃げていくのは、かなり暖房効率を下げます。

 

まとめ【床暖房の仕組みを理解してから選びましょう】

まとめ【床暖房の仕組みを理解してから選びましょう】

この記事をまとめます。

  • 床暖房の仕組みは、温水か電気で床を暖める方式
  • 温水式はお湯を沸かして、床下のパイプに流します
  • 温水式は初期費用が高いけど、性能は高い
  • 電気式は初期費用が安いけど、デメリットもある
  • 床暖房を施工するときは床暖房用のフローリングを使い、気密性・断熱性に注意

 

床暖房の仕組みを知りたいあなたの参考になればうれしいです(^^)

 

ちなみに、前述のとおり床暖房には断熱性が必要です。

 

断熱材の熱伝導率について、

断熱材の熱伝導率を解説【よく使われる断熱材の種類も紹介】にまとめたので、読んでみてください。

あなたの参考になればうれしいです!

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