高圧ガス製造保安責任者の合格率や試験内容からみる難易度

石油コンビナート

高圧ガス製造保安責任者の合格率や試験内容からみる難易度をご紹介します。

高圧ガス製造保安責任者は高圧ガスや液化石油ガス(LPガス)を取り扱うのに必要な国家資格です。

冷凍設備や空調設備の仕事もできるようになるため、業務可能範囲は広がります。

資格を取得することで就職・転職に有利になったり、資格手当や昇進で給料が上がることもあります。

この記事でわかることは下記のとおり。

  • 高圧ガス製造保安責任者とは?
  • 高圧ガス製造保安責任者の資格の種類
  • 合格率や試験内容から見る難易度
  • 試験や講習の内容
  • 合格のための勉強方法
  • 高圧ガス製造保安責任者の関連資格

 

あなたの資格取得の参考になればうれしいです。

それでは、さっそく見ていきましょう!

目次

高圧ガス製造保安責任者とは?

工場

高圧ガス製造保安責任者とは高圧ガスや液化石油ガス(LPガス)の災害を防ぎ、高圧ガスや液化石油ガスの製造や販売・保安監督をするための国家資格です。

高圧ガスは取り扱いを間違えると大事故・大爆発を起こす危険性があるため、有資格者しか取り扱えません。

高圧ガスはエアコンなどの空調設備の冷媒ガス、酸素や窒素などの医療用ガス、工業用のガスなど幅広い分野で使われており、それぞれ必要な知識や機材が違うため、高圧ガス製造保安責任者の資格は細かく分かれています。

※高圧ガスの保安に必要な資格の総称が「高圧ガス製造保安責任者」です。

 

高圧ガスを使用する第一種製造者などの事業所では、保安のために高圧ガス製造保安責任者を配置しなければいけません。

高圧ガス製造保安責任者は第一種製造者などの事業所に必要不可欠な資格のため、就職・転職に強い資格です。

ちなみに、高圧ガス保安協会が主宰する資格です。

 

高圧ガス製造保安責任者の就職先

高圧ガス製造保安責任者は第一種製造者の事業所で働くわけですが、第一種製造者の事業所とは下記のとおりです。

  • 石油化学コンビナートの高圧ガスの製造事業所
  • 液化石油ガス(LPガス)の製造事業所
  • LPガス燃料のタクシーのガソリンスタンド
  • 冷凍設備のある事業所(倉庫や配送センターなど)
  • 冷熱源設備のある事業所
  • エアコンの保守点検会社
  • ビルメンテナンス会社

 

高圧ガス製造保安責任者の年収

高圧ガス製造保安責任者の平均年収は400万~500万円です。

もちろん取り扱う業務が大きくなるほど年収が高くなります。

例えば、保安業務であれば保安係員→保安主任→保安技術管理者と上位業務にいくほど年収が上がります。

冷凍設備の保安業務も第三種→第二種→第一種と資格が上がるほど取り扱える設備が大きくなり、年収も上がります。

 

大手の会社になるほど資格手当が大きくなるため、会社の規模によっても給料は変わってきます。

高圧ガスを取り扱う会社にとっては手放せない資格者のため、長期のキャリアアップも可能です。

 

高圧ガス製造保安責任者に向いている人

高圧ガス製造保安責任者の最大の役目は「事故を起こさないこと」です。

「まぁ大丈夫か」「これくらいならいいだろう」という憶測や甘い判断が大事故につながることもあります。

高圧ガス製造保安責任者に向いている人は、下記のような人です。

  • 慎重な人
  • 憶測で判断しない人
  • 確認を怠らない人

 

クリエイティブな発想をする人、新しいものを生み出すタイプの人よりは、慎重で真面目で決まったことをコツコツやれる人が向いています。

 

高圧ガス製造保安責任者の9つの資格の種類

工場

高圧ガス製造保安責任者は、下記の9つに分類されます。

  1. 甲種化学責任者
  2. 甲種機械責任者
  3. 乙種化学責任者
  4. 乙種機械責任者
  5. 丙種化学(液化石油ガス)責任者
  6. 丙種化学(特別試験科目)責任者
  7. 第一種冷凍機械責任者
  8. 第二種冷凍機械責任者
  9. 第三種冷凍機械責任者

 

各資格によって取り扱い業務や範囲が違います。

9つの資格を1つずつ紹介します。

 

①甲種化学責任者・②甲種機械責任者

甲種化学責任者と甲種機械責任者は石油化学コンビナートなどの高圧ガス製造事業所で保安業務を行う資格です。

甲種の化学と機械の責任者は、下記のすべての業務の取り扱いが可能です。

  • 保安技術管理者
  • 保安主任者
  • 保安係員
  • 販売主任者
  • 移動監視者
  • 取扱主任者
  • 容器検査主任者

 

甲種の化学と機械の責任者は特に資格保有者が足りていないため、就職・転職に有利です。

 

③乙種化学責任者・④乙種機械責任者

乙種化学責任者と乙種機械責任者は石油化学コンビナートなどの高圧ガス製造事業所で保安業務の統括と実務を行う資格です。

乙種の化学と機械の責任者は、下記のすべての業務の取り扱いが可能です。

  • 保安技術管理者(処理能力が100万㎥/日未満の事業所に限る)
  • 保安主任者
  • 保安係員
  • 販売主任者
  • 移動監視者
  • 取扱主任者
  • 容器検査主任者

 

⑤丙種化学(液化石油ガス)責任者

丙種化学(液化石油ガス)責任者はLPガス充てん事業所やLPガススタンドなどのLPガス製造事業所で保安業務の統括や実務を行う資格です。

丙種化学(液化石油ガス)責任者は、下記のすべての業務の取り扱いが可能です。

  • 保安技術管理者(処理能力が100万㎥/日未満の事業所に限る)
  • 保安主任者(LPガスに限る。一般高圧ガスの保安係員への選任は都道府県に確認が必要)
  • 保安係員(LPガスに限る。一般高圧ガスの保安係員への選任は都道府県に確認が必要)
  • 販売主任者(LPガスに限る。一般高圧ガスの保安係員への選任は都道府県に確認が必要)
  • 移動監視者
  • 取扱主任者
  • 容器検査主任者

 

⑥丙種化学(特別試験科目)責任者

丙種化学(特別試験科目)責任者は石油化学コンビナートなどの製造事業所・充てん事業所・天然ガススタンドなどで、保安業務の実務を行う資格です。

丙種化学(特別試験科目)責任者は、下記の業務の取り扱いが可能です。

  • 保安係員
  • 移動監視者
  • 取扱主任者
  • 容器検査主任者

 

保安技術管理者、保安主任者、販売主任者は取り扱いができません。

 

⑦第一種冷凍機械責任者

第一種冷凍機械責任者は大型の冷凍空調機器のある施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場などで保安業務の実務と統括を行う資格です

1日の冷凍能力の上限なく、すべての製造施設の保安業務が可能です。

※第二種と第三種には1日の冷凍能力の制限があります。

 

⑧第二種冷凍機械責任者

第二種冷凍機械責任者は1日の冷凍能力が300t未満の製造設備の保安業務が可能な資格です。

中型冷凍空調機器のある施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場などで、保安業務の実務と統括を行います。

 

⑨第三種冷凍機械責任者

第三種冷凍機械責任者は1日の冷凍能力が100t未満の製造設備の保安業務が可能な資格です。

小型冷凍空調機器のある施設、冷凍倉庫、冷凍冷蔵工場などで、保安業務の実務と統括を行います。

参考:高圧ガス保安協会「国家資格の概要及び職務範囲

 

高圧ガス製造保安責任者の合格率から見る試験の難易度

ノートパソコン

高圧ガス製造保安責任者の合格率から見る試験の難易度を解説します。

令和元年度の合格率を見てみましょう。

科目 全科目受験の合格率 科目免除の合格率 全体の合格率
甲種化学 15.7% 90.4% 49.3%
甲種機械 18.6% 85.3% 48.6%
乙種化学 23.7% 75% 45.4%
乙種機械 19.7% 82.2% 39.2%
丙種化学(液化石油ガス) 13.1% 95.6% 38.5%
丙種化学(特別試験科目) 20.3% 87.1% 51.8%
第一種冷凍機械 28.6% 80.4% 53.2%
第二種冷凍機械 31.3% 79.1% 45.5%
第三種冷凍機械 32.4% 78% 40.5%

参考:高圧ガス保安協会「高圧ガス製造保安責任者試験等の合格率の公表

「全科目受験の合格率」と「科目免除の合格率」が大きく違うのが特徴ですね。

「科目免除の合格率」は8割~9割が合格しています。

後述しますが、高圧ガス製造保安責任者の受験方法は下記の2つがあります。

  1. 全科目筆記試験を受ける
  2. 講習と検定を受ける

 

②「講習と検定を受ける」という方法だと試験科目が免除されます。

講習と検定を受ける方が難易度が下がるため、講習と検定を受けられる人は受けましょう。

①「全科目筆記試験を受ける」のは難易度が高いです。

 

近年の合格率の推移

高圧ガス製造保安責任者の近年の合格率の推移もご紹介しておきます。

※スマホを横にすると見やすいです。

科目 2016年 2017年 2018年 2019年
甲種化学 56.7% 49.9% 58.7% 58.7%
甲種機械 52.9% 45.8% 52.3% 52.3%
乙種化学 46.2% 48.4% 46.2% 46.2%
乙種機械 42.1% 42.2% 36.9% 36.9%
丙種化学(液化石油ガス) 40.9% 42.4% 35.1% 35.1%
丙種化学(特別試験科目) 46.6% 56.5% 54.7% 54.7%
第一種冷凍機械 62.8% 65.5% 64.9% 64.9%
第二種冷凍機械 47.2% 48.5% 49.1% 49.1%
第三種冷凍機械 46.5% 46.6% 48.1% 48.1%

特に合格率が低いのは乙種機械と丙種化学(液化石油ガス)ですね。

また、問題が難しいといわれるのは甲種化学です。

化学は文字通り化学の学力が必要、機械は物理や機械工学の学力が必要です。

 

甲種化学の難易度

甲種化学の難易度をご紹介します。

試験科目は下記の3科目です。

  1. 法令
  2. 保安管理技術
  3. 学識

 

学識の問題レベルは大学入試の化学のレベルくらいですが、講習・検定の問題レベルは高校の化学レベルです。

前述のとおり講習・検定の方が合格率が高いですが、理由は検定の問題レベルの方が本試験のみを受けるより低いからです。

保安管理技術は暗記系で、問題レベルは大学のセンター試験の生物のレベルです。

保安管理技術も講習を受けると問題に出るところを教えてもらえるため、かなり難易度が下がります。

やはり講習・検定を受ける方がかなり難易度が下がります。

 

ただし、過去問が一切通用しない問題もあるため、高校化学を理解できるくらいの基礎学力は必要です。

微分積分・関数・割合・方程式も使うため、高校数学の基礎力もいります。

難しい計算問題や論述問題もあるため、暗記だけでは合格できません。

ちなみに、近年は合格者を増やしたいという意向もあるので、問題の難易度は下がっている傾向です。

 

高圧ガス製造保安責任者の試験問題

マークシート

高圧ガス製造保安責任者の試験問題をご紹介します。

試験は大きく分けると、経済産業省の国家試験と都道府県知事試験に分かれています。

経済産業省の国家試験は下記の3つ。

  • 甲種化学
  • 甲種機械
  • 第一種冷凍機械

 

経済産業省の国家試験は、記述式の試験(学識)があるため難易度が高いです。

 

都道府県知事の試験は下記の6つ。

  1. 乙種化学
  2. 乙種機械
  3. 丙種化学(液化石油ガス)
  4. 丙種化学(特別試験科目)
  5. 第二種冷凍機械
  6. 第三種冷凍機械

 

都道府県知事の試験はすべてマークシート方式です。

参考:高圧ガス保安協会「国家試験の概要

 

甲種化学の試験問題

甲種化学の試験問題は下記のとおりです。

  • 法令(マークシート・択一式)20問60分:高圧ガス保安法に係る法令
  • 保安管理技術(マークシート・択一式)15問90分:高圧ガスの製造(冷凍を除く)に必要な化学の高度な保安管理の技術
  • 学識(記述式)6問120分:高圧ガスの製造に必要な高度の応用化学

 

甲種機械の試験問題

甲種機械の試験問題は下記のとおりです。

  • 法令(マークシート・択一式)20問60分:高圧ガス保安法に係る法令
  • 保安管理技術(マークシート・択一式)15問90分:高圧ガスの製造(冷凍を除く)に必要な機械の高度な保安管理の技術
  • 学識(記述式)5問120分:高圧ガスの製造に必要な高度の機械工学

 

乙種化学の試験問題

乙種化学の試験問題は下記のとおりです。

  • 法令(マークシート・択一式)20問60分:高圧ガス保安法に係る法令
  • 保安管理技術(マークシート・択一式)15問90分:高圧ガスの製造(冷凍を除く)に必要な化学の通常の保安管理の技術
  • 学識(マークシート・択一式)15問120分:高圧ガスの製造に必要な通常の応用化学

 

乙種機械の試験問題

乙種機械の試験問題は下記のとおりです。

  • 法令(マークシート・択一式)20問60分:高圧ガス保安法に係る法令
  • 保安管理技術(マークシート・択一式)15問90分:高圧ガスの製造(冷凍を除く)に必要な機械の通常の保安管理の技術
  • 学識(マークシート・択一式)15問120分:高圧ガスの製造に必要な通常の機械工学

 

丙種化学(液化石油ガス)の試験問題

丙種化学(液化石油ガス)の試験問題は下記のとおりです。

  • 法令(マークシート・択一式)20問60分:高圧ガス保安法に係る法令
  • 保安管理技術(マークシート・択一式)20問90分:液化石油ガスの製造に必要な通常の保安管理の技術
  • 学識(マークシート・択一式)20問120分:液化石油ガスの製造に必要な通常の応用化学と基礎の機械工学

 

丙種化学(特別試験科目)

丙種化学(特別試験科目)の試験問題は下記のとおりです。

  • 法令(マークシート・択一式)20問60分:高圧ガス保安法に係る法令
  • 保安管理技術(マークシート・択一式)20問90分:高圧ガスの製造に必要な基礎の保安管理の技術
  • 学識(マークシート・択一式)20問120分:高圧ガスの製造に必要な基礎の応用化学と機械工学

 

第一種冷凍機械の試験問題

第一種冷凍機械の試験問題は下記のとおりです。

  • 法令(マークシート・択一式)20問60分:高圧ガス保安法に係る法令
  • 保安管理技術(マークシート・択一式)15問90分:冷凍のための高圧ガスの製造に必要な高度の保安管理の技術
  • 学識(記述式)5問120分:冷凍のための高圧ガスの製造に必要な通常の応用化学と機械工学

 

第二種冷凍機械の試験問題

第二種冷凍機械の試験問題は下記のとおりです。

  • 法令(マークシート・択一式)20問60分:高圧ガス保安法に係る法令
  • 保安管理技術(マークシート・択一式)10問90分:冷凍のための高圧ガスの製造に必要な通常の保安管理の技術
  • 学識(マークシート・択一式)10問120分:冷凍のための高圧ガスの製造に必要な基礎の応用化学と機械工学

 

第三種冷凍機械の試験問題

第三種冷凍機械の試験問題は下記のとおりです。

  • 法令(マークシート・択一式)20問60分:高圧ガス保安法に係る法令
  • 保安管理技術(マークシート・択一式)15問90分:冷凍のための高圧ガスの製造に必要な初歩の保安管理の技術

 

第三種冷凍機械のみ、学識の試験がありません。

 

高圧ガス製造保安責任者の試験概要

マークシート

高圧ガス製造保安責任者の試験概要をご紹介します。

※詳しくは高圧ガス保安協会のホームページを見るようにしてください。

 

受験資格

高圧ガス製造保安責任者に受験資格はありません。

だれでも受験できます。

 

願書受付

願書受付期間は8月中旬~9月上旬です。

年に1回しか願書受付がないので注意してください。

 

試験日

試験日は11月中旬です。

試験も年に1回しかありません。

 

試験地

試験によって試験地が違います。

経済産業省の国家試験(甲種化学、甲種機械、第一種冷凍機械)の試験地は、下記のとおり。

  • 札幌市
  • 宮城県
  • 茨城県
  • 東京23区
  • 愛知県
  • 大阪府
  • 広島県
  • 香川県
  • 福岡県
  • 沖縄本島

 

都道府県知事の試験(乙種化学、乙種機械、丙種化学液化石油ガス、丙種化学特別試験科目、第二種冷凍機械、第三種冷凍機械)は全都道府県で試験があります。

 

受験料

高圧ガス製造保安責任者の受験料は試験によって違います。

試験 書面申込 インターネット申込
甲種化学

甲種機械

第一種冷凍機械

13000円 12400円
乙種化学

乙種機械

第二種冷凍機械

9000円 8500円
丙種化学(液化石油ガス)

丙種化学(特別試験科目)

第三種冷凍機械

8400円 7900円

インターネット申込みの方が安いですし簡単なのでおすすめです。

 

合格基準

合格基準は法令・保安管理技術・学識のすべての科目で60%以上の正答で合格です。

1科目でも60%を下回ってしまうと不合格です。

 

合格発表

合格発表は高圧ガス保安協会のホームページで確認できます。

経済産業省の国家試験(甲種化学、甲種機械、第一種冷凍機械)の合格発表は1月下旬。

都道府県知事の試験(乙種化学、乙種機械、丙種化学液化石油ガス、丙種化学特別試験科目、第二種冷凍機械、第三種冷凍機械)の合格発表は1月上旬です。

 

高圧ガス製造保安責任者には科目免除になる講習と検定がある

ジャンプ

前述の通り、高圧ガス製造保安責任者には科目免除になる講習と検定があります。

講習と検定を受ける方が試験の難易度が低いためおすすめです。

講習を受けて、その後の検定に合格すると、本試験で保安管理技術と学識の試験が免除され、法令だけ受験すれば良いことになります。

高圧ガス製造保安責任者の講習は1日7時間の講習が3日間あります。

※途中で帰ると無効になってしまいます。3日間の時間をとりましょう。

講習では、講習後に行われる検定試験で出題されるところも教えてくれます。

そのため、検定試験の合格率は高いです。

 

講習終了から数日後に保安管理技術と学識の検定試験があります。

合格基準は保安管理技術と学識ともに60%以上の正答率が必要です。

ちなみに、検定試験が不合格だと科目免除を受けられないので必ず合格しましょう。

経済産業省の国家試験(甲種化学、甲種機械、第一種冷凍機械)の講習は年1回。

都道府県知事の試験(乙種化学、乙種機械、丙種化学液化石油ガス、丙種化学特別試験科目、第二種冷凍機械、第三種冷凍機械)の講習は年2回あります。

 

講習の開催地は宮城、東京、新潟、愛知、大阪、広島、愛媛、福岡で、講習の料金は18000円~20000円程度です。

参考:高圧ガス保安協会「講習の予定表・申込先

 

保有資格と講習後の検定合格で科目免除になる

走る

講習と検定を受けることで保安管理技術と学識の試験が免除される以外にも、科目免除制度があります。

受験する試験と保有資格・講習と検定合格の組み合わせで科目免除が変わるので、詳しくご紹介します。

 

甲種化学の免除科目

甲種化学の免除科目制度をご紹介します。

条件 免除される科目 受験する科目
甲種機械取得者 法令 保安管理技術、学識
製造第一講習の修了者 保安管理技術 法令、学識
甲種化学講習の修了者 保安管理技術、学識 法令
甲種機械取得者、甲種化学講習の修了者 全科目 なし

 

甲種機械の免除科目

甲種機械の免除科目制度をご紹介します。

条件 免除される科目 受験する科目
甲種化学取得者 法令 保安管理技術、学識
製造第四講習の修了者 保安管理技術 法令、学識
甲種機械講習の修了者 保安管理技術、学識 法令
甲種化学取得者、甲種機械講習の修了者 全科目 なし

 

乙種化学の免除科目

乙種化学の免除科目制度をご紹介します。

条件 免除される科目 受験する科目
甲種機械か乙種機械の取得者 法令 保安管理技術、学識
製造第二講習の修了者 保安管理技術 法令、学識
乙種化学講習の修了者 保安管理技術、学識 法令
甲種機械、乙種機械取得者

乙種化学講習の修了者

全科目 なし

 

乙種機械の免除科目

乙種機械の免除科目制度をご紹介します。

条件 免除される科目 受験する科目
甲種化学か乙種化学の取得者 法令 保安管理技術、学識
製造第五講習の修了者 保安管理技術 法令、学識
乙種機械講習の修了者 保安管理技術、学識 法令
甲種化学、乙種化学取得者

乙種機械講習の修了者

全科目 なし

 

丙種化学(液化石油ガス)の免除科目

丙種化学(液化石油ガス)の免除科目制度をご紹介します。

条件 免除される科目 受験する科目
製造第三講習の修了者 保安管理技術 法令、学識
丙種化学(液化石油ガス)講習の修了者 保安管理技術、学識 法令

 

丙種化学(特別試験科目)の免除科目

丙種化学(特別試験科目)の免除科目制度をご紹介します。

条件 免除される科目 受験する科目
丙種化学(特別試験科目)講習の修了者 保安管理技術、学識 法令

 

第一種冷凍機械の免除科目

第一種冷凍機械の免除科目制度をご紹介します。

条件 免除される科目 受験する科目
製造第六講習の修了者 保安管理技術 法令、学識
第一種冷凍機械講習の修了者 保安管理技術、学識 法令

 

第二種冷凍機械の免除科目

第二種冷凍機械の免除科目制度をご紹介します。

条件 免除される科目 受験する科目
製造第七講習の修了者 保安管理技術 法令、学識
第二種冷凍機械講習の修了者 保安管理技術、学識 法令

 

第三種冷凍機械の免除科目

第三種冷凍機械の免除科目制度をご紹介します。

条件 免除される科目 受験する科目
第三種冷凍機械講習の修了者 保安管理技術、学識 法令

参考:高圧ガス保安協会「科目免除について

 

高圧ガス製造保安責任者の勉強方法

勉強

高圧ガス製造保安責任者の勉強方法は下記がおすすめ。

  1. まずテキストを読む
  2. 過去問を直近から5年分を繰り返し解く

 

どの資格試験の勉強にも共通する勉強方法ですが、やっぱりこれが一番です。

高圧ガス製造保安責任者の予備校はなかなかないので、勉強方法は独学か通信教育です。

 

甲種の勉強期間

甲種の勉強期間は3ヶ月~1年半です。

ずいぶん幅のある期間ですが、大学で化学や機械工学を勉強していた人は3~5ヶ月の勉強期間で大丈夫でしょう。

まったくゼロから勉強する人は1年~1年半はかかります。

まったくゼロから勉強する人は、高校の化学や機械工学の基礎本から勉強しましょう。

甲種は特に難易度が高いので、勉強期間は長めにとりましょう。

 

乙種の勉強期間

乙種の勉強期間は2ヶ月~1年です。

大学で化学や機械工学を勉強していた人は2~3ヶ月の勉強期間で大丈夫でしょう。

まったくゼロから勉強する人は1年は想定しておきましょう。

まったくゼロから勉強する人は、高校の化学や機械工学の基礎本から勉強しましょう。

 

丙種の勉強期間

丙種の勉強期間は1ヶ月~1年です。

大学で化学や機械工学を勉強していた人は1~2ヶ月の勉強期間で大丈夫でしょう。

まったくゼロから勉強する人は1年は想定しておきましょう。

まったくゼロから勉強する人は、高校の化学や機械工学の基礎本から勉強しましょう。

 

おすすめのテキスト・参考書

本棚

高圧ガス製造保安責任者の勉強のおすすめのテキスト・参考書をご紹介します。

あなたの勉強に役立ててください。

 

高圧ガス製造保安責任者の関連資格

ノートとペン

高圧ガス製造保安責任者の関連資格をご紹介します。

資格取得の順番の参考にしてください。

  • ガス主任技術者:一般家庭のガス製造や供給
  • 特定高圧ガス取扱主任者:高圧ガスを取り扱う事業所に必要(高圧ガス製造保安責任者が就任できます)
  • 液化石油ガス設備士:一般家庭用などのLPガス供給設備や消費設備の設置工事をする資格
  • 危険物取扱者
  • エネルギー管理士(熱)
  • 公害防止管理者(大気)
  • ボイラー技士

 

下記の記事も参考にどうぞ。

 

まとめ【高圧ガス製造保安責任者は難易度が高いので講習と研修を受けよう】

石油工場

高圧ガス製造保安責任者は特に甲種の難易度が高いです。

講習・検定を修了することで科目免除を受けられて、合格率が飛躍的に高くなるためおすすめです。

高圧ガス製造保安責任者は種類が多いため、自分の職種に合う試験を受けるようにしてください。

また、新しい職種にチャレンジするために受験するのも良いでしょう。

 

高圧ガス製造保安責任者は不足しているため、今後の就職・転職にも有利になるためおすすめの資格です。

テキストと過去問を活用して勉強しましょう。

特に、過去問は繰り返し解いて問題文と解答を覚えるくらいになれば高確率で合格できるでしょう。

あなたの資格合格の参考になればうれしいです!

SAN-SUKE

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