
取得したいけど、けっこう難しいのかな?
勉強方法とかも知りたい。
こういった疑問に答える記事です。
本記事でわかることは下記のとおり。
- 設備設計一級建築士試験の難易度がわかる
- 合格するための勉強方法がわかる
- 設備設計一級建築士の人数や年収がわかる
設備設計一級建築士とは、3階以上で床面積5000㎡超の建築物の設備設計や適合性の確認を行う資格です。
耐震偽装問題などから平成20年に設立された資格ですが、需要は多く、将来性のある資格です。
設備設計一級建築士の難易度や勉強方法、年収などをまとめたので、参考にしてみてください。
目次
設備設計一級建築士の難易度を合格率や受験資格から分析してみた
設備設計一級建築士の難易度を、
- 合格率
- 受験資格
などの面から分析してみました。
試験合格の参考にしてください。
設備設計一級建築士試験の合格率からみる難易度
近年の設備設計一級建築士の合格率は、下記のとおりです。
申込区分Ⅰ(全科目受講) | 申込区分Ⅱ(法適合確認のみ受講) | 申込区分Ⅲ(設計製図のみ受講) | 申込区分Ⅳ(建築設備士) | 申込区分Ⅴ(全科目免除) | |
平成27年度 | 35.3% | 82.4% | 87.5% | 79.1% | 100% |
平成28年度 | 39.2% | 78.8% | 61.3% | 74.1% | – |
平成29年度 | 48.6% | 93.3% | 71.8% | 78.1% | – |
平成30年度 | 29.9% | 68.4% | 76% | 42.7% | – |
令和元年度 | 41.8% | 87.5% | 69.2% | 82.3% | – |
簡単にいうと、
- 法適合確認
- 設計製図
の2科目の両方に合格が必要です。
過去2年以内に法適合確認か設計製図どちらかに合格した人は、翌年・翌々年の試験が免除されます。
申込区分Ⅰは、法適合確認と設計製図の両方を受験する人で、どうしても合格率は下がりがち。
上記の合格率から見てわかるとおり、まず法適合確認か設計製図どちらかに合格して、翌年に残り1つに挑むと合格率が高いようです。
結論、一発で設備設計一級建築士に合格するのは、少々ハードル高めです。
ちなみに、建築設備士も受験資格がありますが、合格率は高めですね。
理由は、建築設備士は設計製図試験が免除されるからです。
設備設計一級建築士の試験問題
- 法適合確認
- 設計製図
の試験問題は下記のとおり。
法適合確認(記述式) | 設計製図(記述式と製図) |
空調・換気設備:5問
電気設備:5問 給排水衛生設備:5問 輸送設備:5問 |
設備計画:10問
設備設計:選択問題 |
必須問題の割合が多いので「得意分野だけ答える」という作戦が使えません。
まんべんなく勉強する必要があり、少々難易度が高めです。
設備設計一級建築士の受験資格からみる難易度【講習が必要】
設備設計一級建築士の資格は「一級建築士として5年以上、設備設計の業務経験があること」と、下記のいずれかに該当することです。
- 建築設備に関する工事監理の業務
- 消防同意に関する業務
- 建築設備士
- 建築確認の建築設備に関する審査や補助業務
結論、受験資格はけっこうハードル高めです。
簡単にいうと「一級建築士としてキャリアを積んだ人」向けの資格ですね。
また、試験前に3日間の講習を受けないといけません。
講習の内容は下記のとおり。
- 電気設備の設計技術
- 空調・換気設備の設計技術
- 給排水衛生設備の設計技術
- 輸送設備の設計技術
- 建築設備関係法令
- 建築設備設計総論
- 法適合確認
3日間を割かないといけないのも、何気に難易度が高いポイントですね。
設備設計一級建築士の講習の費用【スケジュールも紹介】
ちなみに、設備設計一級建築士の講習費用は下記のとおり。
- 申込区分Ⅰ(全科目受講):66000円
- 申込区分Ⅱ(法適合確認のみ受講):44000円
- 申込区分Ⅲ(設計製図のみ受講):55000円
- 申込区分Ⅳ(建築設備士):44000円
- 申込区分Ⅴ(全科目免除):2200円
また、申込~合格までの流れは下記のとおりです。
- 受講の申込:6月
- 講習の受講:9~10月
- 試験:11月
- 合格発表:1月
詳しくは、公益財団法人建築技術教育普及センターのホームページで確認してください。
設備設計一級建築士の勉強方法【過去問なし】
設備設計一級建築士の勉強方法は「講習をしっかり聞いて、試験日まで勉強」しかありません。
なぜなら、過去問集とかテキストがないから。
受験者数も少ないので、出版社も儲からないでしょうから本は出てないんです。
なので、マジメに講習を聞いて勉強しましょう。
講習から試験本番までは1ヶ月くらいあるので、追い込むのがポイントです。
日建学院に設備設計一級建築士の講座あり
一応、日建学院に設備設計一級建築士の講座があるようです。
費用はかかりますが、どうしても必要なら受講してみても良いでしょう。
設備設計一級建築士でよくある質問
設備設計一級建築士で、よくある質問をまとめてみました。
資格取得の参考にどうぞ。
設備設計一級建築士の人数【超貴重】
約6000人です。
一級建築士が36万人ですから、いかに設備設計一級建築士が貴重な存在かわかりますね。
一級建築士の中でも差別化が図れるので、ぜひとも取得しておきましょう。
設備設計一級建築士の年収
年収は700万円くらいが相場かと。
資格を取得すると、
- 資格手当で稼げる
- 転職時に年収交渉しやすい
などのメリットがあり、年収アップしやすいです。
・建築設備士と設備設計一級建築士の違い
2つの差は、けっこう明確です。
設備設計一級建築士 | 建築設備士 |
3階以上で床面積5000㎡超の建築物の設備設計・適合性の確認が可能 | 建築士に建築設備の設計や工事監理のアドバイスをする資格 |
つまり、建築設備士は建築士の補佐的な役割です。
建築士がみんな設備に詳しいわけではないので、アドバイザーが必要というわけですね。
ちなみに、建築設備士については、
建築設備士の受験資格や試験の難易度!独学でも合格できるのか?にまとめたので、参考にどうぞ。
設備設計一級建築士の求人
正直、けっこう求人はあります。
前述のとおり、設備設計一級建築士は貴重だから。
まさしく「手に職」の資格ですね。
終身雇用も崩壊したことですし、将来の安定を考えれば、取得しておいて損はないと思います。
まとめ【設備設計一級建築士は難易度高めです】
この記事をまとめます。
- 法適合確認と設計製図試験を同年に合格するのは、少々ハードル高め
- まず法適合確認か設計製図のどちらかに合格して、翌年に残りに合格する人も多い
- 試験は必須問題が多いので、まんべんなく勉強する必要あり
- 試験を受けるには3日間の講習を受けないといけない
- 過去問集やテキストがないので、講習でしっかり勉強するのが一番
- 設備設計一級建築士は、たった6000人しかいないので貴重です
あなたの資格取得の参考になればうれしいです。
ちなみに、一級建築士試験については、
一級建築士試験の合格率や受験資格からみる難易度にまとめてます。
資格を取得して、キャリアアップを目指しましょう。