建築設備の定期報告の対象の建物や検査内容

検査する人

建築物を維持管理していくには建築設備の定期検査が必要です。

定期検査をしないと設備不良になって建築物を使いにくくなることはもちろん、火災や地震などの際に人命に関わる危険があります。

 

この記事では、

  • 建築設備の定期報告の対象の建物
  • 検査内容
  • 検査できる資格
  • 報告書の提出先

などをご紹介します。

 

建築設備の定期報告の参考になればうれしいです(^^)

それでは、さっそく見ていきましょう!

なぜ建築設備の定期報告が必要なのか?

デパート

建築基準法第12条では特定建築物の定期検査について定められています。

「特定建築物」とは不特定多数の人が利用する、延べ面積3000㎡以上の建築物のことです。

 

該当する主な建築物は、

  • オフィスビル
  • 学校
  • 工場
  • 映画館
  • 劇場
  • 商業施設・百貨店
  • 大学
  • マンション
  • 店舗

などです。

 

建築設備の定期検査をしないと環境が悪くなるどころか、火災などで煙を外に出せないと命の危険があります。

定期検査をすることで快適な環境づくりと、非常時の対応ができるようになります。

 

「法律で決められているから」だけでなく、定期検査は重要です。

建築設備の定期検査の内容

チェックリスト

建築設備の定期検査の主な内容は、

  1. 換気設備の検査
  2. 排煙設備の検査
  3. 非常用の照明器具の検査
  4. 給水設備・排水設備の検査

の4つです。

 

国では検査対象を定めていないため、各地の特定行政庁に検査内容が決められています。

※対象の建物の検査内容は、建物のある地域の特定行政庁に確認してください。

換気設備の定期点検の内容

換気

換気設備の定期点検の内容をご紹介します。

検査箇所の用途によって検査の内容が異なります。

 

詳しい検査の内容を見ていきましょう。

厨房など火器やガスを使う場所の換気設備の定期点検

中華鍋

厨房など火器やガス使う場所の換気設備の定期点検の内容は、

  • 換気扇の検査
  • ガス器具の検査
  • 給気・排気設備の検査
  • 防火ダンパーの検査

です。

 

ガスコンロなどの機器に必要な換気量が排気できているかを確認します。

換気フードの換気量の測定が必要です。

酸素量が足りないと人体への危険があります。

 

また、厨房などの換気設備は油で汚れやすいため、定期的な清掃も大切です。

窓がない室内の換気設備の検査

映画館

建築物には原則的に窓を設けて換気ができるようにしておきます。

ですが、窓をつけられない特定の用途の部屋はきちんと換気ができているか定期検査が必要です。

 

「窓をつけられない部屋」には、映画館が代表的です。

※窓があると上映に支障があるためです。

 

換気を行う設備の点検や、酸素量の測定が必要です。

換気口が詰まっていないかや、フィルターが汚れていないかも検査をします。

換気設備の換気量を風速計を使って検査します。

仕様が変える場合は検査が必要

設計図

間取りや部屋の仕様を変更する場合は、換気設備の検査が必要です。

仕様変更をすることで、換気量が減少したり、酸素量が減少しないか検査をする必要があります。

 

また、仕様変更後の定期検査でもしっかりと変更箇所の検査が必要です。

排煙設備の定期検査の内容

排煙設備

排煙設備は火災発生時に室内の煙を外に出す設備です。

当然ですが、排煙設備の不良があると、火災時に室内に有毒ガスが充満してしまい命の危険があります。

 

特に、窓がない箇所には排煙設備の排煙口があります。

 

検査時は実際に排煙設備を作動させて検査します。

  • 排煙口のファンが正常に作動するか
  • 排煙量に不足がないか
  • 煙の感知器は正常に作動するか
  • ダクト内に亀裂や損傷はないか、煙が建物内に逃げていないか
  • 電動機は正常に作動するか
  • 排煙設備全体に劣化や損傷がないか
  • 排煙機が正常に作動するか
  • 予備電源に問題はないか
  • 排煙口の近くに障害物がないか

などの検査が必要です。

 

火災時の人命にかかわる設備のため、きちんと検査が必要です。

非常用の照明器具の定期検査の内容

電気

非常用の照明器具は、非常時の停電など電源が失われたときに使う照明器具です。

非常時に点灯しないと二次災害の発生や救助に支障がでるため、きちんと定期検査が必要です。

 

蓄電池を電源にするタイプの照明器具や、照明器具内に電池が入っているタイプもあります。

きちんと点灯するかはもちろん、明るさが足りているか、電源の問題がないかや電池残量のチェックが必要です。

 

また、非常灯の近くに障害物があると点灯しても室内を照らすことができませんので、障害物がないかも確認します。

給水設備・排水設備の定期検査の内容

水道管

給水設備・排水設備の定期検査の内容は、

  • ポンプが正常に作動しているか
  • 配管の損傷・亀裂がないか
  • 受水槽・貯水槽の衛生が保たれているか
  • 通気管・水抜き管・オーバーフロー管は適切か
  • 水道・トイレなどの設備が正常に作動するか
  • 漏水していないか
  • 設備の劣化がないか

などです。

 

ちなみに、給水設備・排水設備の検査内容は各地の特定行政庁によって違います。

※地域によっては定期報告が不要のところもあります。

 

また、給水設備・排水設備の検査は目視で確認できる部分に限定されています。

土の下に埋まっている部分や隠れて見えない部分の検査は必要ありません。

 

検査内容は建物がある地域の特定行政庁に確認してください。

建築設備の定期報告の頻度

書類

特定行政庁の定める建築設備の定期報告の頻度は「年に一度」です。

ですので、毎年検査をして報告が必要です。

 

ですが、国土交通省が定める建築設備の定期報告の頻度は「1年から3年」となっています。

国土交通省の検査項目は多いため、1年ですべての検査を行うのは時間的にも費用的にも困難です。

 

3年に分けてすべてを検査するのが妥当でしょう。

建築設備の検査ができる資格

検査

建築設備の検査ができる資格は、

  • 一級建築士
  • 二級建築士
  • 建築設備検査員

の3つです。

 

検査をしている主な業態は、

  • 設備メンテナンス会社
  • 点検専門業者
  • 建築士事務所

などです。

 

建物の規模が大きいと複数の人数の検査員が必要です。

検査員の人数が増えると、当然費用が高くなります。

定期報告の提出者と提出先

封筒

建築設備の定期報告をする人は、建築設備の所有者か管理者です。

報告先は「一般財団法人日本建築設備・昇降機センター」です。

 

検査後1ヶ月以内に一般財団法人日本建築設備・昇降機センターに報告データを提出しなければいけません。

一般財団法人日本建築設備・昇降機センターが書類を受付後、各地の特定行政庁に提出されます。

 

詳しくは一般財団法人日本建築設備・昇降機センターのホームページを見てみてください。

参考:一般財団法人日本建築設備・昇降機センター

まとめ

オフィス

建物の環境を保つためや、非常時の安全性を確保するためにも建築設備の定期検査・定期報告が必要です。

  1. 換気設備
  2. 排煙設備
  3. 非常用の照明器具
  4. 給水設備・排水設備

の検査方法の参考になれば幸いです。

 

きちんと建築設備を維持管理することで、快適な建物空間を維持することできます。

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