「登録防水基幹技能者ってどんな資格?」
「取得すると、どんなメリットがあるの?」
「登録防水基幹技能者を取得する方法は?」
こういった疑問に答える記事です。
この記事でわかることは下記のとおり。
- 登録防水基幹技能者の内容や取得するメリット
- 登録防水基幹技能者を取得する方法やコツ
- 併せて取得しておきたい資格
登録防水基幹技能者は、防水工事の職長クラスのスキルを証明できる資格です。
防水工事の技術者さんにとって、キャリアアップに有益な資格なので、できれば取得を目指してみてください。
この記事では、登録防水基幹技能者を取得するメリットや、取得する方法を解説します。
また、併せて取得しておきたい資格もまとめたので、今後のキャリアプランの参考にどうぞ。
それでは、さっそく見ていきましょう。
目次
登録防水基幹技能者とは【取得するメリットが多い】
登録防水基幹技能者とは、一般社団法人全国防水工事業協会が主宰する資格です。
前述のとおり職長向けの資格で、取得すると下記のような業務を行います。
- 元請企業に施工方法の提案や調整
- 他の職長に前工程・後工程の連絡・調整
- 技能者の配置や作業方法・手順の構成
- 技能者に施工の指示・指導
また、資格を取得すると下記のメリットもあります。
- 主任技術者・専任技術者になれる
- 建設キャリアアップシステムのレベル4になれる(最高ランク)
- 経営事項審査で点数がつく(3点)→公共工事を受注しやすくなる
「建設キャリアアップシステム」とは、国土交通省が進める「建設技能者の資格・社会保険加入状況・現場の就業履歴などを記録し、技能者の適正な評価に役立てる仕組み」のことです。
登録防水基幹技能者を取得すると、建設キャリアアップシステムでは最高ランクの「レベル4」になれるため、高い技術力を証明できます。
主任技術者や専任技術者になれることや、経営事項審査で点数がつくこともあり、登録防水基幹技能者を取得すると、下記のようなメリットも期待されます。
- 資格手当がつくかもしれない
- 昇進・昇給するかもしれない
- 転職が有利になる
防水工事でキャリアアップしたい人は、ぜひとも取得したい資格といえるでしょう。
登録防水基幹技能者を取得する方法【講習と試験アリ】
登録防水基幹技能者を取得するには、全国防水工事業協会が実施する講習をうける必要があります。
下記をすべて満たす人は、講習を受けることができます。
- 1級防水施工技能士の資格がある
- 防水工事で10年以上の実務経験がある
- 実務経験年数のうち3年以上の職長経験がある
講習の概要は下記のとおりです。
- 講習地:仙台、大阪
- 講習の申込時期:8月~9月中旬頃
- 講習時期:10月
- 合格発表:12月
- 受講料:44000円
詳しくは、全国防水工事業協会のホームページで確認してみてください。
登録防水基幹技能者講習の概要
登録防水基幹技能者講習は、2日間に渡って下記を学びます。
科目 | 講習内容 |
基幹技能一般知識に関する科目 | 建築一般・コンクリートの知識:1時間30分最近の建築技術と防水工事:1時間
基幹技能者のあり方:1時間 実務に役立つ話し方、OJT教育:1時間30分 |
基幹技能関係法令に関する科目 | 労働安全衛生法その他関係法令に関する事項:1時間 |
建設工事の施工管理、工程管理、資材管理その他の技術上の管理に関する科目 | 施工管理に関する事項:1時間工程管理に関する事項:1時間
資材管理に関する事項:1時間 原価管理に関する事項:1時間 品質管理に関する事項:1時間 安全管理に関する事項:1時間 |
講習が終わると、1時間の試験があります。
問題形式は四肢択一式で、25問が出題されます。
合格基準は、68点以上/100点満点です。
登録防水基幹技能者試験に合格するコツ
結論、講習1日目の夜に集中して勉強しましょう。
具体的には、下記の2つを勉強するのがおすすめです。
- 1日目の講習の復習
- 2日目の講習の予習
できるだけ講習会場に近いホテルをとって、勉強時間を多く取れるようにするのがコツです。
また、全国防水工事業協会のホームページに過去問が掲載されているので、試験の雰囲気をつかむために見ておきましょう。
もし試験が不合格だった場合【講習免除あり】
試験が不合格だった場合は、2回まで講習が免除されます。
講習なしの受験料は7700円です。
ただし、移動費や滞在費がかかるため、できるだけ1回で合格を目指しましょう。
登録防水基幹技能者と併せて取得していきたい資格4選
ちなみに、登録防水基幹技能者と併せて取得しておくと良い資格は下記の4つです。
- 1級建築施工管理技士
- 建築設備診断技術者
- マンション維持修繕技術者
- マンション改修施工管理技術者
1つずつ紹介するので、キャリアアップの参考にしてみてください。
①1級建築施工管理技士
おすすめの理由は下記の3つです。
- 防水を含む建築工事全般の施工管理を行うから
- 経営事項審査の点数が5点だから
- 年収アップや転職がさらに有利になるから
新築やリフォームの建築工事の施工管理を行う国家資格です。
登録防水基幹技能者の経営事項審査の点数は3点ですが、1級建築施工管理技士はさらに上の5点です。
業務範囲を広げてキャリアアップしていきたい人には、おすすめの資格です。
1級建築施工管理技士については、1級建築施工管理技士の合格率や過去問や受験資格から見る難易度に詳しくまとめてます。
②建築設備診断技術者
建築設備診断技術者は、昇降機以外の建築設備の劣化を診断して保全を行う民間資格です。
ビルやマンションの設備の劣化を診断することもあるので、登録防水基幹技能者と併せて取得しておくと会社に貢献しやすいでしょう。
建築設備診断技術者の詳細は、建築設備診断技術者とは【受験資格は実務経験が必要。難易度は低め】にまとめてます。
③マンション維持修繕技術者
マンション維持修繕技術者は、マンションの維持や修繕のスキル・知識を証明できる民間資格です。
代表的な業務内容は下記の3つ。
- マンションの建物診断
- 修繕設計
- 工事監理
マンション大規模修繕に防水工事はつきものなので、登録防水基幹技能者と併せてマンション維持修繕技術者を取得しておくと、さらに高いレベルで仕事ができるでしょう。
マンション管理組合の信用も得やすいため、会社への貢献度も高くなる可能性があります。
マンション維持修繕技術者の詳細は、マンション維持修繕技術者試験の難易度【過去問とテキストで独学可能】にまとめてます。
④マンション改修施工管理技術者
マンション改修施工管理技術者は、マンション施工管理の技術や知識を証明する資格です。
施工会社にマンション改修施工管理技術者がいることで、マンション管理組合の信用を得やすく、大規模修繕工事を受注しやすくなることもあるでしょう。
くりかえしですが、マンション大規模修繕工事は防水工事がつきものなので、会社に貢献しやすくなる可能性があります。
マンション改修施工管理技術者の詳細は、マンション改修施工管理技術者とは【合格率や難易度も解説します】にまとめてます。
まとめ【登録防水基幹技能者を取得してキャリアアップしていこう】
この記事をまとめます。
- 登録防水基幹技能者は、防水工事の職長クラスのスキルを証明する資格
- 主任技術者・専任技術者になれたり経営事項審査の点数がつくのでキャリアアップに有益
- 講習は2日間あり、試験に合格する必要がある
- 講習1日目の夜に自学習しておくのがコツ
登録防水基幹技能者を取得したい人は、さっそく全国防水工事業協会のホームページから講習の申込みをしてみましょう。
また、登録防水基幹技能者と併せて取得しておきたい資格は下記の4つです。
- 1級建築施工管理技士
- 建築設備診断技術者
- マンション維持修繕技術者
- マンション改修施工管理技術者
詳しくは下記の記事にまとめたので参考にどうぞ。
あなたのキャリアアップの参考になればうれしいです!