空調設備士試験の難易度【合格率は低め。過去問でスピードに慣れよう】

空調設備士試験の難易度【合格率は低め。過去問でスピードに慣れよう】
考える男性
考える男性
空調設備士の試験の難易度を知りたいな。

難しい試験だったらイヤだなぁ…

勉強のコツとかも知っておきたい。

あと、空調設備士以外に取得しておいた方がいい資格も知りたいな。

こういった疑問に答える記事です。

この記事でわかることは下記のとおり。

  • 空調設備士試験の難易度がわかる
  • 空調設備士の勉強方法がわかる
  • 空調設備士以外に取得しておきたい資格がわかる

空調設備士は、空調の技術者であることを認める民間資格です。

正式名称は、「工学会設備士」もしくは「空調衛生工学会設備士」と呼ばれます。

資格を取得すると、空調の施工図作成や設計、施工管理を行える証明になるため、下記のような会社に転職が有利になりますよ。

  • 建築設備会社
  • 空調設備会社
  • 建設会社
  • メンテナンス会社

会社によっては資格手当がつくこともあるので、年収アップにも有効です。

キャリアアップのために、ぜひとも取得しておきましょう。

勉強のコツや、他にも取得しておきたい資格も紹介します。

あなたの今後のキャリアの参考にどうぞ!

空調設備士(空調衛生工学会設備士)試験の難易度【合格率は低め】

空調設備士(空調衛生工学会設備士)試験の難易度【合格率は低め】

空調設備士試験の難易度は、ちょっと高め。

なぜなら、合格率が低いからです。

空調部門と衛生部門で試験が分かれており、近年の合格率は下記のとおり。

空調部門 衛生部門
平成28年 33% 31%
平成29年 30% 29%
平成30年 31.4% 29.7%
令和元年 28.8% 29.4%

合格率が低い理由は、下記が考えられます。

  1. あまり勉強しないで試験を迎える人もいる
  2. テキストや過去問集が少ない(後述します)
  3. 問題数に対して試験問題が多い(こちらも後述)

いずれにせよ、難易度は高めなのでしっかり勉強しましょう。

試験の合格基準【60%くらい】

試験の明確な合格基準は発表されていませんが、だいたい60%くらいです。

※設備士資格検定委員会が決定します。

合格基準は他の資格試験と同レベルといったところですね。

空調設備士の受験資格【実務経験が必要】

受験資格は下記のとおりでして、誰でも受験できる資格ではありません。

条件 必要な実務経験年数
大学で理科系課程を卒業 なし
短大・高専で理科系課程を卒業 1年以上
高校の理科・工業課程を卒業 4年以上
高校の建築設備課程を卒業 3年以上
18歳以上で上記以外 7年
設備士資格検定委員会で認定された人 設備士資格検定委員会で実務経験年数を認定
職業能力開発総合大学の長期課程(4年制) なし
職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校の専門課程 1年以上
職業能力開発総合大学の長期課程(4年制)、職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校の専門課程以外の職業能力開発施設修了者 訓練期間は実務経歴年数に加算できる

上記の「実務経験」とは下記を指します。

  • 建築設備の設計
  • 工事監理
  • 施工管理
  • 見積
  • 積算
  • 建築設備の設計図書のトレース
  • 建築設備の教育・研究機関の従事者
  • 建築設備の行政の従事者

ちなみに、この実務経験にはアルバイトは含まないので、正社員での実務経験が必要です。

受験資格が設けられている点では、少し難易度が高いと言えるでしょう。

参考:公益社団法人空気調和・衛生工学会

空調設備士の試験問題【問題数に対して試験時間が短め】

前述のとおり、空調部門衛生部門の2つに分かれています。

それぞれの試験問題(試験範囲)は下記のとおり。

空調部門
  • 暖房・冷房・換気空気調和の計画・設計・施工・環境・エネルギー・安全などに関する専門知識
  • 給水・給湯・消火・排水・衛生器具・し尿浄化槽その他の計画・設計・施工に関する基本知識
衛生部門
  • 給水・給湯・消火・排水・衛生器具・し尿浄化槽その他の計画・設計・施工・環境・エネルギー・安全などに関する専門知識
  • 暖房・冷房・換気その他の計画・設計・施工に関する基本知識

問題数は50問で、すべてマークシートです。

記述式問題がないのは、少し易しいですね。

ただし、試験時間は合計3時間20分しかありません。

  • 10:30~11:50(1時間20分)
  • 13:00~14:20(1時間20分)
  • 14:50~15:30(40分)

3時間20分で50問を解かないといけないので、単純計算でも1問あたり4分で解答しないといけません。

計算問題もあるので、スピーディーに解答する必要があり、この辺が合格率が低い要因の1つと言えるでしょう。

空調設備士の試験概要

試験概要は下記のとおりです。

願書申込期間 7~8月
試験日 11月
合格発表 2月
受験地 札幌、仙台、新潟、東京、大阪、名古屋、広島、福岡、那覇
受験料 9900円(1部門ごと)

詳しくは、公益社団法人空気調和・衛生工学会のホームページで確認してみてください。

空調設備士の勉強方法【テキストと過去問でOK】

空調設備士の勉強方法【テキストと過去問でOK】

考える男性
考える男性
空調設備士って、どうやって勉強すればいいの?

結論、テキストと過去問題集で勉強しましょう。

それしか勉強方法がないので。

建築設備技術者協会から過去問題集とテキストが出ているので、購入して勉強しましょう。

国土交通省の「建築設備設計基準」の設計基準の出題が多いのですが、建築設備技術者協会のテキストがわかりやすいです。

試験問題は過去問を中心に出題される傾向なので、勉強方法は下記の2ステップでOK。

  1. まずはテキストで知識を勉強
  2. あとはひたすら過去問を繰り返し解く

できれば5周以上は過去問を解きましょう。

試験時間が短いので過去問で慣れておく必要あり

前述のとおり、試験問題は50問のマークシートです。

3時間20分で50問を解かないといけないので、単純計算でも1問あたり4分しかありません。

計算問題もあるので、けっこうスピードが必要です。

結論、ひたすら過去問を解いて、問題に慣れておくのが最大のコツですね。

この辺のスピード感に慣れておかないと、「問題は解けるのに時間が足りない」という悲劇になりますよ。

過去問を解いた回数が勝負なので、ひたすら過去問で勉強しましょう。

空調設備士以外に取得しておきたい資格3選【年収アップを狙おう】

空調設備士以外に取得しておきたい資格3選【年収アップを狙おう】

考える男性
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ちなみに、空調設備士以外に取得しておいた方がいい資格ってある?

キャリアアップしていきたいんだよね。

結論、下記の3つも取得しておくとかなり良いですね。

  1. 管工事施工管理技士
  2. 電気工事施工管理技士
  3. 建築設備士

1つずつ解説しますね。

①管工事施工管理技士

管工事施工管理技士は、できれば取得しておきましょう。

空調工事以外の管工事の施工管理もできるから。

つまり、施工管理に関われる範囲が広がるので貴重な人材になれます。

施工管理技士は資格手当を出してる会社も多いので、年収アップに直結しやすいですよ。

また、施工管理技士があれば転職もかなり有利なので、キャリアアップのためには取得しておいて損はないかと。

より大きい会社に転職もしやすいので、転職で年収を上げる人もいますね。

管工事施工管理技士については、下記の記事にまとめてます。

②電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士を取得すると、空調以外の電気工事の施工管理もできるため有利です。

  1. 会社から重宝される
  2. 資格手当をもらえる
  3. 転職が有利

という感じでして、キャリアアップには有益すぎる資格。

電気工事施工管理技士については、下記の記事にまとめてます。

③建築設備士

建築設備士がおすすめの理由は、建築設備の最高峰の資格だから。

建築設備においては一目置かれる資格なので、キャリアアップのために取得しておきたいところです。

業務としては、建築士に対して建築設備の設計や工事監理のアドバイスをするため、まさしく「建築設備のスペシャリスト」として認められますよ。

  1. 建築士試験の実務経験が緩和される
  2. 設備設計一級建築士講習の受講資格が緩和される
  3. 防火対象物点検資格者講習の受講資格を得られる
  4. 登録建築設備検査員講習の受講資格を得られる
  5. 転職が有利で年収が上がりやすい

などのメリットもあるため、かなり有利な資格です。

建築設備士については、建築設備士の受験資格や試験の難易度!独学でも合格できるのか?にまとめてます。

まとめ【空調設備士試験の難易度は高め。過去問中心で勉強しよう】

まとめ【空調設備士試験の難易度は高め。過去問中心で勉強しよう】

この記事をまとめます。

  • 空調設備士の合格率は低め
  • 問題数に対して試験時間が短いのが難関
  • 建築設備技術者協会の過去問題集とテキストで勉強すべし
  • 過去問でスピーディーに解答できるように練習しよう
  • 他にも管工事施工管理技士、電気工事施工管理技士、建築設備士がおすすめ

ということで、空調設備士を目指すなら、まずはテキストと問題集を買いましょう。

建築設備技術者協会のホームページで、過去問題集とテキストを購入できます。

また、試験の申し込みは、公益社団法人空気調和・衛生工学会のホームページからどうぞ。

管工事施工管理技士、電気工事施工管理技士、建築設備士については、下記の3記事にまとめたので参考にどうぞ。

あなたのキャリアアップの参考になればうれしいです!

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