過去問とか合格率も知りたい。
あと、試験に合格するための勉強方法も知っておきたい。
こういった疑問に答える記事です。
この記事の内容は下記のとおり。
- 2級電気通信工事施工管理技士の難易度を過去問や合格率から分析
- 2級電気通信工事施工管理技士の勉強方法【テキストと過去問題集でOK】
私たちワット・コンサルティングは、施工管理の転職サポートを行う会社です。
電気通信工事施工管理技士は、令和元年からできた新資格です。
文字通り、電気通信工事の施工管理に関する資格です。
2020年から5Gが始まったこともあり、需要が増えています。
電気通信工事施工管理技士は、下記の工事などの施工管理を担当します。
- モバイル基地局の設置工事
- 有線LANや無線LANの工事
- 大型のサーバーの設置
2級電気通信工事施工管理技士に合格すると、一般建設業の下記の仕事をすることができます。
- 営業所の専任技術者
- 工事現場の主任技術者
資格取得の難易度や、勉強方法を見ていきましょう。
目次
2級電気通信工事施工管理技士の難易度を過去問や合格率から分析
2級電気工事施工管理技士の難易度を、下記などから分析しました。
- 過去問
- 合格率
- 試験内容
- 受験資格
まずは、どれくらい難しい試験なのか知っておきましょう。
過去問からみる2級電気通信工事施工管理技士の難易度
2級電気通信工事施工管理技士の過去問を紹介します。
過去問を見て「わからない…」という人は、しっかり勉強しましょう。
試験問題は下記のとおり。
- 第一次検定(学科):4つから1つマークシート方式
- 第二次検定(実地):経験記述あり
第一次検定(学科)から1問、第二次検定(実地)から1問を紹介します。
無線通信において,アンテナの入力インピーダンスと給電線の特性インピーダンスの整 合が必要となる理由に関する記述として,適当でないものはどれか。
⑴ 効率の良い送受信ができなくなる。
⑵ 送信機の電力増幅回路の動作が不安定になる。
⑶ 電波障害の発生原因となる。
⑷ 受信機の選択度の低下原因となる。
引用元:一般財団法人全国建設研修センター「令和元年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 学科試験(前期)問題」
【問題 1】 あなたが経験した電気通信工事のうちから,代表的な工事を1つ選び,次の設問1から設問3の答えを解答欄に記述しなさい。
〔注意〕 代表的な工事の工事名が工事以外でも,電気通信設備の据付調整が含まれている場合は,実務経験として認められます。
ただし,あなたが経験した工事でないことが判明した場合は失格となります。
〔設問1〕 あなたが経験した電気通信工事に関し,次の事項について記述しなさい。
〔注意〕 経験した電気通信工事は,あなたが工事請負者の技術者の場合は,あなたの所属会社が受注した工事内容について記述してください。従って,あなたの所属会社が二次下請業者の場合は,発注者名は一次下請業者名となります。
なお,あなたの所属が発注機関の場合の発注者名は,所属機関名となります。
⑴ 工事名
⑵ 工事の内容
①発注者名
②工事場所
③工 期
④請負概算金額
⑤工事概要
⑶ 工事現場における施工管理上のあなたの立場又は役割
〔設問2〕 上記工事を施工することにあたり「安全管理」上,あなたが特に重要と考えた事項をあげ,それについてとった措置又は対策を簡潔に記述しなさい。
ただし,安全管理については,交通誘導員の配置のみに関する記述は除く。
〔設問3〕 上記工事を施工することにあたり「品質管理」上,あなたが特に重要と考えた事項をあげ,それについてとった措置又は対策を簡潔に記述しなさい。
引用元:一般財団法人全国建設研修センター「令和元年度 2級電気通信工事施工管理技術検定 実地試験問題」
第一次検定(学科試験)は選択問題あり
第一次検定(学科試験)は選択問題があります。
- 1~12問目:12問から9問を選択
- 13~32問目:20問から7問を選択
- 33~44問目:12問から7問を選択
- 45問目:必須問題
- 46~52問目:7問から3問を選択
- 53~65問目:必須問題
つまり、65問中40問に答える感じです。
不得意な問題を飛ばせる点では、難易度は少々低めです。
第二次検定(実地試験)は経験記述あり
前述の過去問のとおり、第二次検定(実地試験)には経験記述があります。
つまり、あなたが今まで経験した工事を記述する問題です。
経験記述は、ぶっつけ本番は危険です。
勉強中にある程度パターンを作っておきましょう。
文量的には、2~3文でOK。
「簡潔に記述しなさい」とあるので、ダラダラと長文を書くのはNGです。
合格率から見る2級電気通信工事施工管理技士の難易度
続いて、2級電気通信工事施工管理技士の合格率を見てみましょう。
合格率 | 第一次検定 | 第二次検定 |
令和元年 | 57.7% | 41.9% |
令和2年 | 63.9% | 33.9% |
令和3年 | 70% | 35% |
3年間の平均合格率 | 63.8% | 36.9% |
第一次検定×第二次検定の合格率は24%くらいです。
「超難関試験」というほどではありません。
きちんと勉強すれば合格できるでしょう。
参考:国土交通省「令和3年度管工事・電気通信工事・造園施工管理技術検定(1級・2級)「第一次検定(2級後期)」及び「第二次検定」合格者の発表」
試験内容から見る2級電気通信工事施工管理技士の難易度
2級電気通信工事施工管理技士の試験問題は、下記のとおり。
第一次検定(学科) | 電気通信工学等施工管理法
法規 |
第二次検定(実地) | 施工管理法(電気通信設備の施工図の作成、機材の選定や配置など) |
第一次検定はマークシートなのでマグレ正解もあり得ますが、第二次検定は記述式なのでマグレはありません。
合格基準は、第一次検定も第二次検定も総得点の60%以上で合格です。
反対にいえば40%も間違えられるので、そこまで難易度が高いというわけではありません。
しかも2級は、試験が年2回あるので、チャンスも多いです。
年2回の試験スケジュールは下記のとおりです。
第一次検定(前期) | 第二次検定(後期)・第一次と第二次 | |
願書の申込み | 3月 | 7月 |
試験 | 6月 | 11月 |
合格発表 | 7月 | 第一次のみ受験者:1月第一次と第二次受験者:3月 |
その他の試験情報
詳しくは一般財団法人全国建設研修センターのサイトを見てほしいですが、その他の試験情報は下記のとおり。
試験 | 受験地 |
第一次検定(前期) | 札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇 |
第二次検定(後期)・第一次と第二次同時受験 | 札幌・釧路・青森・仙台・東京・新潟・金沢・静岡・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・鹿児島・那覇 |
また、受験料は下記のとおりです。
- 第一次と第二次:13000円
- 第一次のみ:6500円
- 第二次のみ:6500円
受験資格から見る2級電気通信工事施工管理技士の難易度
2級電気通信工事施工管理技士は、誰でも受験できる試験ではありません。
なので、受験資格からみる難易度は高め。
受験資格は下記のとおりです。
最終学歴 | 実務経験年数(指定学科卒業後) | 実務経験年数(指定学科以外卒業後) |
大学・専門学校「高度専門士」 | 1年以上 | 1年6ヶ月以上 |
短期大学・高等専門学校・専門学校「専門士」 | 2年以上 | 3年以上 |
高等学校・中等教育学校・高度専門士と専門士以外の専門学校 | 3年以上 | 4年6ヶ月以上 |
その他 | 8年以上 | 8年以上 |
ちなみに、上記の「実務経験」についても、一般財団法人全国建設研修センターのサイトに記載があります。
第一次検定(学科試験)だけに合格すると以後は第一次検定が免除
- 第一次検定:合格
- 第二次検定:不合格
だと、以後の第一次検定は免除されます。
次に解説する「技士補」になれるためです。
第二次検定(実地試験)に落ちても技士補資格が与えられる
2021年から、下記の人には「技士補」の資格が与えられます。
- 第一次検定:合格
- 第二次検定:不合格
施工管理技士の補助役の資格です。
施工管理技士が不足していることから作られた資格で、下記のメリットがあります。
- 1級技士補がいると監理技術者の配置義務が緩和される
- 下請けの主任技術者の配置義務も緩和される
技士補については、技士補はいつから?【答え:2021年から!どんな資格かも解説】にまとめています。
2級電気通信工事施工管理技士の勉強方法【テキストと過去問題集でOK】
2級電気通信工事施工管理技士の勉強方法は、下記でOKです。
- テキストで基礎を勉強
- あとはひたすら過去問を解く
ただし、令和元年にできた資格なので、まだ過去問のデータが少ないです。
おすすめのテキストや問題集は下記の2つ。
まだテキストも問題集も少ないですが、要点を絞って勉強できるので効率は良いかと。
勉強のコツ【第一次→第二次の順で勉強】
まずは、第一次検定の暗記系から勉強しましょう。
最初は法規から勉強するのがおすすめ。
とにかく丸暗記なので、点数を稼げます。
暗記系を覚えたら、技術系を勉強しましょう。
第一次検定である程度の基礎を固めたら、第二次検定の勉強に移る感じでOKです。
とりあえず第一次検定に合格すれば、第二次検定に落ちても翌年免除なので、やはり第一次検定で基礎固めが重要です。
また、第二次検定の経験記述は、前述のとおり文章のパターン・型を作っておくと楽です。
2級電気通信工事施工管理技士の講習会もあるがまだデータが少ない【独学でいいかも】
2級電気通信工事施工管理技士の試験は、資格系のスクールが講習会を実施しています。
まだ試験自体の回数が少ないのでデータは多くないですが、一応参加しておくのがおすすめ。
講習会に参加すると、第二次検定の経験記述に使えるテキストをもらえるところがあるので役立ちます。
ただし、どうしても忙しければ独学で学びましょう。
他の電気系資格と2級電気通信工事施工管理技士の難易度比較
ちなみに、他の電気系視覚と2級電気通信工事施工管理技士の難易度を比較してみました。
受験する順番などの参考にしてください。
2級電気工事施工管理技士とは、ほぼ互角の合格率
2級電気通信工事施工管理技士と2級電気工事施工管理技士の合格率は、下記のとおり。
第一次検定の合格率 | 第二次検定の合格率 | |
2級電気通信工事施工管理技士 | 70% | 35% |
2級電気工事施工管理技士 | 57.1% | 68.7% |
合格率は2級電気工事施工管理技士の方が高いですね。
もちろん試験問題が違うので難易度は人によりますが。
ちなみに2級電気工事施工管理技士については、2級電気工事施工管理技士の合格率から見る難易度!勉強方法も解説にまとめています。
電気通信主任技術者より簡単
電気通信主任技術者と比較すると、電気通信主任技術者の方が難しいとわかります。
第一次(伝送交換)の合格率 | 第二次(線路)の合格率 | |
2級電気通信工事施工管理技士 | 70% | 35% |
電気通信主任技術者 | 32.8% | 45.1% |
電気通信主任技術者の方が合格率が低いです。
ちなみに電気通信主任技術者については、電気通信主任技術者の難易度を合格率や過去問から解説【免除あり】にまとめています。
第二種電気工事士よりは難しい
第二種電気工事士の合格率を比較すると、第二種電気工事士の方が合格率が高いです。
第一次(筆記)の合格率 | 第二次(技能)の合格率 | |
2級電気通信工事施工管理技士 | 70% | 35% |
第二種電気工事士 | 60.4% | 74.2% |
そもそも工事と施工管理なので職種が違いますが、同じ電気系資格で比較するとこんなに違います。
ちなみに電気工事士については、電気工事士1種2種の資格難易度や合格率!勉強や技能試験のコツにまとめています。
まとめ【2級電気通信工事施工管理技士の難易度を知って勉強しよう】
この記事をまとめます。
- 2級電気通信工事施工管理技士の合格率は第一次63.8%・第二次36.9%
- 合格基準は60%正答で、年2回試験があるので難易度は高くない
- 第一次検定に合格、第二次検定に不合格だと、翌年の試験で第一次検定が免除される
- まずは法規など暗記系を固めて、次に技術系の勉強に移る
- 第二次検定の経験記述は、文章のパターンや型を作っておくと楽
- 講習会に参加すると、第二次検定の経験記述に役立つテキストをもらえるところがある
- 他の試験と比較しても、2級電気通信工事施工管理技士はそこまで難しくない
あなたの試験勉強の参考になればうれしいです!
本気で合格したいなら、さっそく今日から勉強を始めましょう。
試験の合否は、1点が左右します。
合格するには1点でも多くとるしかないし、1点でも多くとるには1日でも速く勉強を始めるしかありません。
もし不合格だと、また勉強のやり直しでかなり辛いですよ。
できるところからでいいので、今日から勉強を始めてみましょう。
今日から勉強を始めれば合格しやすいし、電気通信工事施工管理技士で手に職をつけて安定した人生にできますよ。
あとは行動あるのみ。
あなたのキャリアアップの参考になればうれしいです!
また、1級電気通信工事施工管理技士については、1級電気通信工事施工管理技士の難易度を合格率や過去問題から解説にまとめています。