浄化槽管理士の合格率や過去問からみる、試験の難易度をご紹介します。
浄化槽管理士は、浄化槽の保守点検を行う国家資格です。
筆記試験と講習のどちらかで取得できますが、会社からいわれて講習を受ける人も多いですね(^^)
この記事では、
- 浄化槽管理士の試験の合格率からみる難易度
- 講習を受ける方が合格率が高い!
- 過去問からみる難易度
- 浄化槽管理士の試験情報
- 独学の勉強方法
- そもそも浄化槽管理士とは?
- 浄化槽管理士と他の資格の難易度の比較
などをご紹介します。
あなたが浄化槽管理士を取得する参考になると思います!
それでは、さっそくみていきましょう(^^)
目次
浄化槽管理士の試験の合格率からみる難易度
浄化槽管理士の試験の合格率からみる難易度は、5段階中4くらいです。
ちょっと高めの難易度といえます。
近年の浄化槽管理士の試験の合格率を見てみましょう。
年度 | 合格率 |
平成21年 | 22.7% |
平成22年 | 23.1% |
平成23年 | 21.6% |
平成24年 | 27.1% |
平成25年 | 25.6% |
平成26年 | 20% |
平成27年 | 21.5% |
平成28年 | 24.4% |
平成29年 | 24.8% |
平成30年 | 19.3% |
令和元年 | 20.3% |
過去10年では、合格率19.3%~27.1%の間で推移しています。
ちなみに、過去10年の平均合格率は23%です。
浄化槽管理士の試験は、5人中4人くらいは不合格になるため、難易度が高い試験です。
浄化槽管理士は講習を受ける方が合格率が高い!
浄化槽管理士の資格を得るには、試験を受ける以外に講習を受ける方法があります。
そして、講習を受ける方が合格率は高いです(^^)
講習を受けた人の合格率は80~90%で、ほとんどの人が合格します。
講習は公益財団法人日本環境整備教育センターが実施しており、13日間(80時間)にわたって開催されます。
13日間の長期間で、開催地が東京、宮城、茨城、愛知、大阪、福岡に限定されているため、遠方の人が泊りがけで講習に参加します。
13日間の講習の最終日に試験が実施され、80~90%の人が合格します。
ちなみに、浄化槽についてまったくの素人でも、まじめに講習さえ聞けば合格できます。
もし、講習最終日の試験に不合格だとしても、5回までは再試験がありますので、ほとんどの人が合格します。
「確実に浄化槽管理士の資格を取得したい!」という人は、講習をおすすめします。
会社が費用を負担してくれて、講習に参加する人も多いですよ(^^)
浄化槽管理士の試験と講習の違いをまとめてみた!
浄化槽管理士の試験と講習の違いを見てみましょう。
試験 | 講習 | |
合格率 | 約23% | 80~90% |
期間 | 1日 | 13日 |
試験問題 | マークシート5択 | マークシート4択 |
問題数 | 100問 | 40問 |
試験時間 | のべ5時間 | 2時間 |
再試験 | なし | あり |
開催地 | 東京・宮城・愛知・大阪・福岡 | 東京・宮城・茨城・愛知・大阪・福岡 |
開催頻度 | 年1回 | 年10回以上 |
受験料・受講料・その他費用 | 20200円 | 受講料:129700円
宿泊費:12泊として約7万円 食事代など:約4万円 交通費:地域による 合計:25万円くらい? |
どうみても、講習に参加する方が合格しやすいですよね。
講習の方が試験問題も簡単なので、合格率が高いのもうなづけます。
講習のデメリットがあるとしたら、お金と時間でしょうね。
遠方から参加する人は、合計25万円くらいの費用がかかります。
また、13日間仕事を空けることになるため、時間を確保できるかがネックになりそうです。
お金と時間が許すなら、講習を受けることをおすすめします(^^)
浄化槽管理士の過去問からみる難易度
浄化槽管理士の過去問からみる難易度は、当然ですが人によって変わります。
浄化槽の基礎知識や実務経験がある人はわかる問題もありますが、未経験者にはかなり難しい問題です。
なので、浄化槽管理士の過去問をいくつかご紹介します。
過去問を見て「わからない…」と思った人は、きちんと勉強しましょう(^^)
富栄養化現象に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
(1) 富栄養化現象は、河川より湖沼で発生しやすい。
(2) 赤潮は、プランクトンの異常増殖によって海面の色が赤褐色や茶褐色に変わる現象である。
(3) 富栄養湖では、植物プランクトンが多量に増殖して透明度が小さくなる。
(4) アオコは水の華ともいわれ、利水障害の原因となる。
(5) 富栄養湖では、夏の日中は表層から底層までの全層で溶存酸素が高くなる。
引用元:公益財団法人日本環境整備教育センター「平成30年度試験問題(午前)」
スロット型沈殿槽の保守点検項目として、最も不適当なものは次のうちどれか。
(1) 汚泥返送量の状況
(2) スカムの生成状況
(3) 底部汚泥の蓄積状況
(4) 流出水の性状
(5) 越流せきの水平の確認
引用元:公益財団法人日本環境整備教育センター「平成30年度試験問題(午後)」
マークシートの5択問題なので、最低でも20%の正答率をもっています。
まぐれで正解になることもありますが、まぐれで合格できるほど甘くないので、しっかり勉強しましょう(^^)
また、試験の合格点は毎年変動します。
過去の合格点を見てみましょう。※試験は1問1点で100点満点です。
年度 | 合格点 |
平成21年 | 64点 |
平成22年 | 65点 |
平成23年 | 65点 |
平成24年 | 65点 |
平成25年 | 65点 |
平成26年 | 64点 |
平成27年 | 65点 |
平成28年 | 65点 |
平成29年 | 65点 |
平成30年 | 64点 |
合格点は64~65点であることがわかります。
合格点が毎年変動する理由は、毎年一定数の合格者を出すためです。
合格点に左右されて不合格にならないように、しっかり勉強して高い得点を目指しましょう(^^)
浄化槽管理士の試験情報
浄化槽管理士の試験情報をご紹介します。
受験資格 | なし |
試験科目 | 浄化槽概論
浄化槽行政 浄化槽の構造・機能 浄化槽工事概論 浄化槽の保守・点検・修理概論 水質管理 浄化槽清掃概論 |
免除制度 | 浄化槽設備士は浄化槽概論と浄化槽工事概論が免除 |
願書申し込み期間 | 7月 |
試験日 | 10月の第3日曜日 |
合格発表 | 試験から2ヶ月以内に、
公益財団法人日本環境整備教育センターのホームページに掲載 |
受験資格がないので誰でも受験できますが、試験科目の数が多いので難しい試験です。
浄化槽管理士に独学で合格する勉強方法は?
浄化槽管理士に独学で合格する勉強方法は、
- まずはテキストを読む
- あとはひたすら過去問集をくりかえし解く
です。
過去問は、過去5年分を3周は解いてください。
※できれば5周が良いです。
過去問集でわからないところは、解説やテキストを見て覚えましょう。
おすすめの参考書・テキスト・問題集
公益財団法人日本環境整備教育センターのホームページで、テキストや問題集が販売されているので、購入してみるのも良いでしょう(^^)
がおすすめです。
また、
- 6ヵ年全問題収録 浄化槽管理士試験完全解答(改訂6版)
- これだけマスター浄化槽設備士試験
- 浄化槽管理士試験徹底研究
- 浄化槽管理士試験完全解答―6ヵ年全問題収録
- 図解入門 よくわかる最新水処理技術の基本と仕組み[第3版]
- 浄化槽管理士試験完全解答 (なるほどナットク!)
などもおすすめです。
ただし、テキストと過去問集は1冊ずつ購入すれば十分です。
たくさんテキストと過去問集を買い込むよりも、1冊をくりかえし勉強する方が覚えます。
できれば、書店に行って本の中身をみて、わかりやすいと感じるものを買ってみましょう(^^)
そもそも浄化槽管理士とは?
浄化槽管理士とは、浄化槽の水質汚染を防ぐために保守点検をする国家資格です。
保守点検の中には補修工事も入り、浄化槽の施工図面の作成、施工管理なども行います。
浄化槽の保守点検は、環境庁管轄で浄化槽管理士の独占業務です。
つまり、浄化槽の保守点検は浄化槽管理士しかできないため、仕事ではとても有利な資格です。
浄化槽の保守点検は継続的に行う必要があるので、浄化槽管理士の仕事も途絶えることがありません。
主な就職先は浄化槽設備会社ですが、中には独立する人もいます。
ただし、近年は浄化槽自体がへっています。
都市部は下水道、農村部は農業集落排水になっているため、以前ほど仕事は多くありません。
海外での需要は大きいため、浄化槽管理士を取得して海外で活躍する進路もあります。
浄化槽管理士の年収は300万~400万円くらいです。
薬剤の計量業務が多いので数字に強い必要があるのと、臭いに強い人が向くでしょう。
浄化槽管理士と他の資格の難易度の比較
浄化槽管理士を目指す人は、他の資格も気になると思います。
- 資格をとる順番を考えたい
- 難易度の低い資格からとりたい
など、他の資格との難易度の比較も大切ですよね(^^)
浄化槽管理士と近い資格との、難易度を比較してみたので参考にしてください!
浄化槽管理士と浄化槽設備士の難易度の比較
浄化槽管理士と浄化槽設備士なら、浄化槽管理士の方が少し難易度が高いです。
理由は合格率です。
合格率 | |
浄化槽管理士 | 約23% |
浄化槽設備士 | 約29% |
浄化槽管理士の方が、わずかに合格率が低いですね。
浄化槽管理士と浄化槽技術管理者の難易度の比較
浄化槽管理士と浄化槽技術管理者なら、浄化槽管理士の方が難易度が高いです。
理由はかんたん、浄化槽技術管理者は試験がないからです(^^)
浄化槽技術管理者は、浄化槽管理士の資格がある人が講習を受けるだけで取得できます。
浄化槽管理士と浄化槽検査員の難易度の比較
浄化槽管理士と浄化槽検査員なら、浄化槽管理士の方が難易度が高いです。
浄化槽検査員も講習のみで試験がありません(^^)
浄化槽検査員は、浄化槽管理士の資格をもっている人が講習を受けられます。
浄化槽管理士と浄化槽清掃技術者の難易度の比較
浄化槽管理士と浄化槽清掃技術者なら、浄化槽管理士の方が難易度が高いです。
浄化槽清掃技術者も試験がなく、講習だけで取得できます(^^)
浄化槽技術管理者は浄化槽の清掃実務経験が2年以上あれば、講習を受けるだけで取得できます。
浄化槽管理士と公害防止管理者の難易度の比較
浄化槽管理士と公害防止管理者なら、浄化槽管理士の方が少し難易度が高いです。
理由は合格率です。
合格率 | |
浄化槽管理士 | 約23% |
公害防止管理者 | 約26% |
少しだけ浄化槽管理士の合格率が低いですね。
ただし、公害防止管理者は、
- 大気関係第1種公害防止管理者
- 大気関係第2種公害防止管理者
- 大気関係第3種公害防止管理者
- 大気関係第4種公害防止管理者
- 水質関係第1種公害防止管理者
- 水質関係第2種公害防止管理者
- 水質関係第3種公害防止管理者
- 水質関係第4種公害防止管理者
- 騒音・振動関係公害防止管理者
- 特定粉じん関係公害防止管理者
- 一般粉じん関係公害防止管理者
- ダイオキシン類関係公害防止管理者
- 公害防止主任管理者
と13種類もあります。
公害防止管理者の方が勉強量が多いことや、種類によっては難しいものもあります。
一概に「浄化槽管理士の方が難しい」とは言えない部分もあるので、微妙な判定でした(^^;
浄化槽管理士と第二種電気工事士の難易度の比較
浄化槽管理士と第二種電気工事士なら、浄化槽管理士の方が難易度が高いです。
理由は合格率です。
合格率 | |
浄化槽管理士 | 約23% |
第二種電気工事士 | 約41% |
第二種電気工事士は、比較的簡単な試験として有名です(^^)
「手に職をつけたい!」という人にもおすすめの資格ですね。
ちなみに、電気工事士の難易度については、『電気工事士1種2種の資格難易度や合格率!勉強や技能試験のコツ』を読んでみてください(^^)
まとめ
この記事をまとめます。
- 浄化槽管理士の合格率は23%くらい。ちょっと難易度が高い試験
- 講習を受ける方が合格率が高いけど、ネックはお金と時間
- 浄化槽管理士試験の合格点は64~65点
- 独学の勉強方法は、テキストと過去問集をくりかえし勉強する
- 浄化槽管理士は、浄化槽関係の他の資格よりも難易度が高め
となりました(^^)
お金と時間が許すなら、講習を受講しましょう。
講習がもっとも確実に資格をとれます。
独学で勉強するでも、きちんと勉強すれば合格できる資格なので、がんばりましょう(^^)
あなたの浄化槽管理士の合格の参考になればうれしいです!