排水設備について解説します。
排水設備の全体像をつかむ参考になれば幸いです。
この記事でわかることは下記のとおり。
- 排水設備とは
- 排水設備の設置工事を行う手順
- 排水設備に関する2つの資格
それでは、さっそく見ていきましょう!
目次
排水設備とは
排水設備とは、下水を公共下水道に流入させるための排水管などの設備のことです。
排水設備は大きく分けると「宅地内排水設備」と「私道排水設備」があり、宅地内排水設備には「屋内排水設備」と「屋外排水設備」の2種類があります。
参考:公益社団法人日本下水道協会「下水道排水設備指針と解説2016年版」
下水の種類
前述のとおり、排水設備は下水を公共下水道に流入させるための設備ですが、下水は「汚水」と「雨水」に分けられます。
汚水:生活もしくは事業に起因 |
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雨水:自然現象に起因 |
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ちなみに下水道の詳細は、上水道と下水道の違いや仕組みを解説【中水道も簡単に解説します】にもまとめています。
排水方式の違い
排水設備の排水方式は「分流方式」と「合流方式」があります。
違いは下記のとおり。
方式 | 特徴 |
分流方式 |
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合流方式 |
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下水道がない地域では浄化槽を設置する
日本の下水道の普及率は約80%です。
下水道がない地域では「浄化槽」を設置します。
浄化槽とは、建物ごとに汚水を浄化する設備のことで、微生物の働きによって水を浄化できます。
浄化槽については、浄化槽と下水道の違いを比較【メリットとデメリットや資格も解説】に詳しくまとめたので参考にどうぞ。
排水設備工事の注意点
排水設備では基準が定められており、きちんと守って設置しなければいけません。
- 汚水管の勾配
- 排水横管の管径と勾配の基準
- 雨水排水管や合流管の勾配
- 雨水排水管の縦管の管径と最大屋根面積
- 器具別のトラップの口径など
詳しくは、排水管の勾配の付け方や基準【工事の4つの注意点も解説します】にまとめています。
排水設備の設置工事を行う手順【排水設備計画確認申請書が必要】
排水設備の設置工事は、下記の手順で行います。
- 排水設備計画確認申請書を作成して土木事務所に提出
- 計画確認申請を行う
- 排水設備指定工務店が施工
- 工事が終わったら完了届を提出
※詳しくは各自治体に必ず確認してください。
排水設備指定工務店は、1名以上の排水設備工事責任技術者が必要です。
※排水設備工事責任技術者については後述します。
これらを怠ると工事申込者・下水道使用者・指定工務店に罰金などの罰則があります。
必ず実施しましょう。
排水設備の資格
排水設備に関する代表的な資格は下記の2つです。
- 排水設備工事責任技術者
- 管工事施工管理技士
1つずつ解説します。
排水設備工事責任技術者
排水設備工事の計画・施工・保守・撤去までを行う資格です。
前述のとおり、排水設備指定工務店には1名以上の排水設備工事責任技術者が必要なので、資格を取得すると転職も有利になるでしょう。
試験の詳細は、排水設備工事責任技術者の難易度を合格率から分析【勉強方法も解説】にまとめたので参考にどうぞ。
管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、排水設備を含む管工事の施工管理を行う国家資格です。
1級と2級があり、違いは下記のとおり。
1級 | 監理技術者になれる監理技術者は特定建設業(下請に出す工事の総額が4000万円以上、建築一式工事の総額が6000万円以上の工事)と一般建設業(特定建設業の規模未満の工事)の両方を担当できる |
2級 | 主任技術者になれる主任技術者は一般建設業(特定建設業の規模未満の工事)のみを担当できる |
現場には監理技術者や主任技術者を配置しなければならず、管工事施工管理技士を取得すると会社の売上に貢献できます。
そのため、給料が上がったり、転職が有利になる資格です。
排水設備の施工管理を行う人は取得しておきましょう。
管工事施工管理技士の詳細は、下記の記事にまとめています。
まとめ:排水設備について知っておこう
排水設備について解説してきました。
まずは全体像を知っておきましょう。
排水工事の仕事を行う人は、排水設備工事責任技術者や管工事施工管理技士の取得も検討してみてください。
また、給排水設備の図面記号をよく使う給排水設備の図面記号49選にまとめたので、業務の参考にしてみてください。