「登録冷凍空調基幹技能者ってどんな資格なの?」
「資格を取得するメリットは何?」
「資格を取得するにはどうすればいいの?」
こういった疑問に答える記事です。
この記事でわかることは下記のとおり。
- 登録冷凍空調基幹技能者の内容や取得するメリットがわかる
- 登録冷凍空調基幹技能者を取得する方法がわかる
- 併せて取得したいおすすめの資格がわかる
登録冷凍空調基幹技能者は、冷凍空調設備施工の職長クラスの資格です。
特にプラント工事の施工管理を行う人は、取得しておきたい資格といえるでしょう。
この記事では、登録冷凍空調基幹技能者を取得するメリットや、講習や試験の内容などを解説します。
また、キャリアアップのために併せて取得したいおすすめの資格もまとめたので、今後の参考にしてみてください。
それでは、さっそく見ていきましょう。
目次
登録冷凍空調基幹技能者とは
登録冷凍空調基幹技能者は、一般社団法人日本冷凍空調設備工業連合会(日設連)が主宰する資格です。
冷凍空調設備施工の施工管理・品質管理・原価管理・安全管理などのスキルを証明することができます。
主な仕事内容は下記のとおり。
- 現場の状況に応じた施工方法などの提案・調整
- 現場の作業を効率的に行うための技術者の配置、作業方法や手順の構成
- 生産グループ内の一般技能者に施工の指示・指導
- 前工程・後工程に配慮した他の職長との連絡・調整
冷凍空調設備は、冷媒としてフロン・アンモニア・CO2などの高圧ガスを使うため、法律を遵守し、正しい施工をしないといけません。
そのため、冷凍空調設備施工のエキスパートである登録冷凍空調基幹技能者が必要です。
特にプラント施工では、冷凍空調工事以外にも下記のような施工があります。
- 電気設備工事
- 配管工事
- 衛生設備工事
- ダクト工事
- 断熱工事
- 塗装工事
これらの知識も求められる、レベルの高い資格です。
登録冷凍空調基幹技能者を取得する4つのメリット
登録冷凍空調基幹技能者を取得するメリットは、下記の4つです。
- 経営事項審査で3点がつく
- 主任技術者、専任技術者になれる
- 国土交通省の「建設キャリアアップシステム」のレベル4になれる
- 昇給や転職が有利になる
経営事項審査で点数がつくと、企業は公共工事を受注しやすくなります。
また、主任技術者・専任技術者になれることで、企業に貢献できるでしょう。
「企業に貢献できる人材」になれることで、昇給のチャンスが生まれてきます。
また、建設技能者のスキルを適正に評価する、国土交通省の「建設キャリアアップシステム」のレベル4になれる資格なので、キャリアアップにも有益です。
※レベル4は最高位。
当然ながら転職も有利になるので、ぜひとも取得しておきたい資格ですね。
登録冷凍空調基幹技能者を取得する方法【受講資格アリ】
登録冷凍空調基幹技能者を取得するには、日本冷凍空調設備工業連合会が実施する講習を受けて、試験に合格する必要があります。
まず、講習の受講資格は、下記にすべて該当する人です。
- 冷凍空調工事の実務経験10年以上
- 実務経験のうち3年以上の職長経験がある
- 1級冷凍空気調和機器施工技能士を取得している
まだ1級冷凍空気調和機器施工技能士を取得していない人は、冷凍空気調和機器施工技能士の資格試験情報【勉強方法も解説します】を参考にどうぞ。
登録冷凍空調基幹技能者の講習と試験内容
講習は2日間に渡って実施されます。
- 1日目→9:45~18:05
- 2日目→9:20~14:55/試験15:35~16:55
※2日目の講習が終わると、最後に試験があります。
講習と試験の内容は下記のとおり。
1日目の科目 | 内容 |
基幹技能一般に関する科目 | 工事現場における基本的な役割及び当該役割を担うために必要な技能に関する事項(建設技術者の労働環境、基幹技能者のあり方):60分 |
基幹技能一般に関する科目 | OJTとその進め方に関する事項:60分 |
建設工事の施工管理、工程管理に関する科目 | 施工管理:60分工程管理:100分
資材管理:60分 原価管理:60分 |
2日目の科目 | 内容 |
基幹技能一般に関する科目 | 冷凍空調業界の最新の動向に関する事項:80分 |
建設工事の施工管理、工程管理に関する科目 | 品質管理60分安全管理:60分 |
基幹技能者関係法令に関する科目 | 労働安全衛生法その他関係法令に関する事項:60分 |
修了試験 | 四肢択一式で25問:80分 |
参考:一般社団法人日本冷凍空調設備工業連合会「登録冷凍空調基幹技能者講習」
資格試験に合格するコツ
登録冷凍空調基幹技能者の試験に合格するコツは、下記の2つです。
- 1日目の夜に復習と予習をしておく
- 過去問を見ておく
前述のとおり、講習は2日間に渡って実施されます。
集中して自学習できるのは1日目の夜しかないので、1日目の復習と、2日目の予習をしておきましょう。
2日目の講習が終わって40分後には試験が始まるので、1日目の夜の自学習が合否を分ける可能性が高いです。
また、日本冷凍空調設備工業連合会のホームページに過去問が掲載されているので、必ず目を通しておきましょう。
試験問題の雰囲気を知っておくことも、大事な試験対策です。
講習・試験の概要
講習・試験は年2回行われます。
- 上期(4月):札幌、東京、広島、那覇
- 下期(11月):金沢、大阪、福岡
※年によって開催場所が変わることがあるので、必ず日本冷凍空調設備工業連合会のホームページを確認しましょう。
受講料と講習会用テキスト+サブテキストで39800円が必要です。
ちなみに、もし試験が不合格だった場合は、翌々年度まで講習が免除されます。(再受験費用12500円)
資格の有効期限と更新制度
登録冷凍空調基幹技能者資格の有効期限は5年です。
更新できるので、忘れずに更新しましょう。
更新申請料は9350円で、更新用の試験もあります。(通信教育により提出)
登録冷凍空調基幹技能者と併せて取得したいおすすめ資格3選
ちなみに、登録冷凍空調基幹技能者と併せて取得しておきたい資格は下記の3つです。
- 1級管工事施工管理技士
- 1級電気工事施工管理技士
- 高圧ガス製造保安責任者
1つずつ解説するので、キャリアアップの参考にどうぞ。
①1級管工事施工管理技士
おすすめの理由は下記の3つです。
- プラントの配管工事に有益だから
- 経営事項審査の点数が5点だから
- 年収アップや転職に有益だから
プラントは配管工事がつきものなので、管工事施工管理技士も取得しておくと良いでしょう。
登録冷凍空調基幹技能者も施工管理を行うので、よりスキルを強化できるイメージです。
また、1級管工事施工管理技士は経営事項審査の点数が5点なので、企業の売上に大きく貢献できる可能性があります。
※2級管工事施工管理技士の経営事項審査は2点。
以上のことから、年収アップが期待できたり、転職が有利になる可能性が高いです。
キャリアアップしたい人は、併せて取得しておくと良いでしょう。
1級管工事施工管理技士の詳細は、1級管工事施工管理技士の合格率や難易度!効率的な勉強方法も解説にまとめてます。
②1級電気工事施工管理技士
1級電気工事施工管理技士がおすすめの理由は、下記の3つです。
- プラント施工は電気工事もつきものだから
- 経営事項審査の点数が5点だから
- 年収アップや転職に有益だから
プラント施工は電気工事(電気設備工事)もあるので、電気工事施工管理技士を取得しておくのもおすすめです。
ちなみに、1級の施工管理技士は「監理技術者」になれるため、大規模な現場(特定建設業の工事)を請けることもできます。
プラント施工のような大規模案件になくてはならない存在になれるため、年収アップや転職に有益です。
1級電気工事施工管理技士の詳細は、1級電気工事施工管理技士の合格率や難易度!効率的な勉強方法にまとめてます。
③高圧ガス製造保安責任者
高圧ガス製造保安責任者は、高圧ガスや液化石油ガス(LPガス)を取り扱うのに必要な国家資格です。
高圧ガスを使用する第一種製造者などの事業所では、保安のために高圧ガス製造保安責任者を配置しなければいけないため、とても重宝される資格です。
冷凍空調設備など高圧ガスを扱う現場で活かせる資格なので、併せて取得をおすすめします。
詳しくは、高圧ガス製造保安責任者の合格率や試験内容からみる難易度を参考にどうぞ。
まとめ【登録冷凍空調基幹技能者の取得を目指してみましょう】
この記事をまとめます。
- 登録冷凍空調基幹技能者は冷凍空調設備施工の職長クラスの資格
- 経営事項審査の点数、主任技術者、専任技術者、建設キャリアアップシステムのレベル4になれるなどメリットが多い
- 資格を取得するには、講習の受講資格を満たしている必要がある
- 2日間の講習の最後の試験がある
- 講習1日目の夜に自学習し、過去問も見ておくのがコツ
ということで、受講資格を満たす人は、さっそく日本冷凍空調設備工業連合会のホームページから受講の申し込みをしてみましょう。
冷凍空調設備施工に有益な資格なので、ぜひとも挑戦してみてください。
また、登録冷凍空調基幹技能者と併せて取得しておきたい資格は、下記の3つです。
- 1級管工事施工管理技士
- 1級電気工事施工管理技士
- 高圧ガス製造保安責任者
3つの資格の詳細は下記の記事にまとめたので参考にどうぞ。
あなたのキャリアアップの参考になればうれしいです!