設計のときにも役立つし。
あと、簡単な仕組みや設置場所も知りたい。
こういった疑問に答える記事です。
本記事の内容は下記のとおり。
- 泡消火設備の設置基準を解説
- 泡消火設備の仕組み
泡消火設備は、名前のとおり泡で消火する消火設備です。
石油タンクや危険物など、油火災の鎮火に用いられる設備です。
泡消火設備の設置基準を知っておきましょう。
設計の参考にしてください。
表になっているので、見やすいと思います。
それでは、さっそく見ていきましょう(^^)
泡消火設備の設置基準を解説
泡消火設備の設置基準は、下記の表のとおりです。
適用場所 | 設置 |
飛行機、ヘリコプターの格納庫 | ○ |
屋上のヘリコプターの発着場 | ○ |
道路(屋上部分600㎡以上) | ○ |
道路(屋上以外400㎡以上) | ○ |
自動車修理場(地階、2階以上200㎡以上) | ○ |
自動車修理場(1階以上500㎡以上) | ○ |
駐車場(地階、2階以上200㎡以上) | ○ |
駐車場(1階以上500㎡以上) | ○ |
駐車場(屋上部分300㎡以上) | ○ |
10台以上の機械式駐車場 | ○ |
発電機、変圧器の電気設備室200㎡以上 | |
鍛造場、ボイラー室、乾燥室の火器使用部分200㎡以上 | |
通信機器室500㎡以上 | |
綿花類、木毛、かんなくず、ぼろ、紙くず、糸類、わら類、再生資源燃料、12合成樹脂類(指定数量の1000倍以上の指定可燃物を貯蔵する場所) | ○ |
ぼろ、紙くず、動植物油が染み込んでるもの、石炭、木炭(指定数量の1000倍以上の指定可燃物を貯蔵する場所) | ○ |
可燃性固体類、可燃性液体類、13合成樹脂類(指定数量の1000倍以上の指定可燃物を貯蔵する場所) | ○ |
木材加工品、木くず(指定数量の1000倍以上の指定可燃物を貯蔵する場所) | ○ |
設計などの参考にしてください(^^)
泡消火設備の仕組み
泡消火設備の仕組みを解説します。
水と泡消火薬剤を混ぜることで、泡を作ります。
泡消火設備は、炎を泡で覆うことで消火します。
また、ガスなど可燃性の蒸気を冷却して蒸発を抑えます。
冷却作用があるので、建物自体の温度上昇を防ぐ効果があります。
泡消火薬剤には、
- たん白泡消火薬剤:ガソリン消火に強い
- 合成界面活性剤消火薬剤:保存がきく
- 水成膜泡消火薬剤:再着火を防ぐ
の3種類があります。
泡水溶液の作り方には、
- プレッシャープロポーショナー方式
- プレッシャーサイドプロポーショナー方式:石油コンビナートに適している
- ポンププロポーショナー方式
- ラインプロポーショナー方式
の4種類があります。
泡消火設備によって、
- 低発泡(泡の膨張比20以下)
- 中発泡
- 高発泡(泡の膨張比80〜1000未満)
があり、高発泡ほど消火能力が高いです。
※「泡の膨張比」とは、全体の泡の体積と泡水溶液の体積の比率です。
泡消火設備の構成は、
- 消火ポンプ
- 泡消火薬剤の貯蔵槽
- 泡消火薬剤
- ポンプ制御盤
- 呼水装置
- 混合器
- 泡放出口:高発泡用
- 配管
- 感知ヘッド
- 泡ヘッド:低発泡用(フォームヘッドとスプリンクラーヘッドがある)
- 自動警報装置
- 非常電源
- 一斉開放弁
- 手動起動弁
- 水源
などとなっています。
泡消火設備の種類と設置場所など
泡消火設備には、下記の6種類があります。
種類と設置場所は下記のとおり。
種類 | 設置する施設 | 特徴(設置場所など) |
固定泡ヘッド | 屋内駐車場など | 天井に設置 |
固定泡放出口 | 危険物貯蔵タンクなど | 壁上部に設置 |
高発泡放出口 | LNGなどの貯蔵施設 | 囲われた範囲の消火用 |
泡モニター | 屋外危険物貯蔵タンクなど | 床に設置してピストルのように噴射 |
泡消火栓(移動式・低発泡) | ホースで人が消火 | |
中発泡放出口 | 可燃性液体を扱う施設 | 固定の消火栓から人がホースで消火 |
建物の用途に合わせて、泡消火設備を選びましょう。
泡消火設備に役立つ資格は消防設備士
泡消火設備に役立つ資格は、消防設備士です。
正確には消防設備士の、
- 甲種2類
- 乙種2類
の2つです。
2類は泡消火設備と、パッケージ型消火設備などが対象です。
甲種は点検・整備・工事が可能。
乙種は点検・整備が可能です。
乙種は工事がないので、試験問題は乙種の方が簡単です。
また、甲種は受験資格がありますが、乙種は受験資格がないので最初は乙種が良いですね。
合格率は、
- 甲種:約35%
- 乙種:約34%
となっています。
甲種も乙種も、試験は筆記と実技があります。
実技試験は、記述式の問題や、製図問題があるので少々難関です。
60%以上の正答率で、合格となります。
消防設備士は1〜7類まであるのですが、2類は正直難しい方です。
難しい順に並べると、
- 5類
- 2類
- 3類
- 1類
- 4類
- 7類
- 6類
なので、しっかり勉強しないと合格できません。
消防設備士があると転職も有利になるので、検討してみてください(^^)
詳しくは、消防設備士の試験内容や合格率からみる難易度にまとめています。
まとめ【泡消火設備の設置基準を確認しましょう】
この記事をまとめます。
- 泡消火設備の設置基準を確認しましょう
- 泡消火設備の基礎的な仕組みを理解しましょう
- 種類と設置場所を知っておきましょう
泡消火設備の設置の参考になればうれしいです(^^)
また、消火設備・消防設備として、
- 屋内消火栓
- スプリンクラー
- 火災報知器
の設置基準も知っておきましょう。
屋内消火栓、スプリンクラー、火災報知器については、下記の3記事を読んでみてください(^^)
あなたの業務の参考になればうれしいです!