火災報知器の設置基準を解説【設置場所も紹介します】

火災報知器の設置基準を解説【設置場所も紹介します】
施工管理
施工管理
火災報知器の設置基準を知りたいな。

あと、設置場所も知りたい。

こういった疑問に答える記事です。

この記事の内容は下記のとおり。

  • 火災報知器の設置基準を解説
  • 火災報知器の設置場所を解説

火災報知器の設置基準と設置場所を確認しておきましょう。

設計の参考にしてください。

それでは、さっそく見ていきましょう!

SAN-SUKE

火災報知器の設置基準を解説

火災報知器の設置基準を解説

火災報知器の設置基準を解説します。

下記の基準があるので、それぞれ解説します。

  • 延べ面積による火災報知器の設置基準
  • 地階・無窓階の火災報知器の設置基準
  • 階の規模による火災報知器の設置基準
  • 地階と2階以上の駐車場と通信機器室の火災報知器の設置基準
  • 収容人数による火災報知器の設置基準

延べ面積による火災報知器の設置基準

延べ床面積による火災報知器の設置基準は、下記のとおりです。

※スマホで見る場合は、スマホを横にすると見やすいです。

全部 200㎡ 300㎡ 500㎡ 1000㎡
劇場、映画館、演芸場又は観覧場 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
公会堂又は集会場 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
キャバレー、カフェー、ナイトクラブの類 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
遊技場又はダンスホーム 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
性風俗関連特殊営業店舗等 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
カラオケボックス、漫画喫茶、ネットカフェ、個室ビデオ等 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
待合、料理店の類 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
飲食店 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
百貨店、マーケットなど店舗又は展示場 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
旅館、ホテル、宿泊所の類 自動火災報知設備 火災通報設備
寄宿舎、下宿又は共同住宅 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
病院、診療所又は助産所 自動火災報知設備 火災通報設備
老人短期入所施設等 自動火災報知設備と自動火災報知設備
老人デイサービスセンター等 自動火災報知設備 火災通報設備
幼稚園又は特別支援学校 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
学校の類 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
図書館、博物館、美術館の類 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
蒸気浴場、熱気浴場などの公衆浴場 火災通報設備or一般電話
上記以外の公衆浴場 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
神社、寺院、協会の類 自動火災報知設備と火災通報設備or一般電話
工場又は作業場 自動火災報知設備と火災通報設備or一般電話
映画スタジオ又はテレビスタジオ 自動火災報知設備と火災通報設備or一般電話
自動車車庫、駐車場 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
飛行機又は回転翼航空機の格納庫 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
倉庫 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話
前各号に該当しない事業場(事務所など) 自動火災報知設備と火災通報設備or一般電話
複合用途防火対象物のうち特定防火対象物の用途に供される部分が存在するもの 自動火災報知設備
複合用途防火対象物のうち上記の防火対象物以外のもの
地下街 火災通報設備or一般電話と放送設備 自動火災報知設備
準地下街 火災通報設備or一般電話と放送設備 自動火災報知設備
重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡など 自動火災報知設備 火災通報設備or一般電話

地階・無窓階の火災報知器の設置基準

地階・無窓階の火災報知器の設置基準は、下記のとおりです。

※スマホで見る場合は、スマホを横にすると見やすいです。

100㎡ 200㎡ 300㎡ 1000㎡
劇場、映画館、演芸場又は観覧場 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
公会堂又は集会場 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
キャバレー、カフェー、ナイトクラブの類 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
遊技場又はダンスホーム 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
性風俗関連特殊営業店舗等 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
カラオケボックス、漫画喫茶、ネットカフェ、個室ビデオ等 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
待合、料理店の類 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
飲食店 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
百貨店、マーケットなど店舗又は展示場 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
旅館、ホテル、宿泊所の類 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
寄宿舎、下宿又は共同住宅 自動火災報知設備
病院、診療所又は助産所 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
老人短期入所施設等 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
老人デイサービスセンター等 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
幼稚園又は特別支援学校 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
学校の類 自動火災報知設備
図書館、博物館、美術館の類 自動火災報知設備
蒸気浴場、熱気浴場などの公衆浴場 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
上記以外の公衆浴場 自動火災報知設備
車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場 自動火災報知設備
神社、寺院、協会の類 自動火災報知設備
工場又は作業場 自動火災報知設備
映画スタジオ又はテレビスタジオ 自動火災報知設備
自動車車庫、駐車場 自動火災報知設備
飛行機又は回転翼航空機の格納庫 自動火災報知設備
倉庫 自動火災報知設備
前各号に該当しない事業場(事務所など) 自動火災報知設備
複合用途防火対象物のうち特定防火対象物の用途に供される部分が存在するもの 自動火災報知設備 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
複合用途防火対象物のうち上記の防火対象物以外のもの 自動火災報知設備
地下街 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
準地下街 自動火災報知設備 ガス漏れ警報設備(地下のみ)
重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡など 自動火災報知設備

階の規模による火災報知器の設置基準

階の規模による火災報知器の設置基準は、下記の3分類があります。

  • 地下3階
  • 地上3階
  • 地上11階

上記の表の施設すべてで設置が必要です。

  • 地下3階:放送設備
  • 地上3階:自動火災報知設備
  • 地上11階:自動火災報知設備と放送設備

地階と2階以上の駐車場と通信機器室の火災報知器の設置基準

地階と2階以上の駐車場と通信機器室の火災報知器の設置基準は、下記に分類されます。

  • 200㎡
  • 500㎡

上記の表の施設すべてで、200㎡・500㎡ともにすべて自動火災報知設備の設置が必要です。

収容人数による火災報知器の設置基準

収容人数による火災報知器の設置基準は、下記のとおりです。

※スマホで見る場合は、スマホを横にすると見やすいです。

20人 50人 300人 500人 800人
劇場、映画館、演芸場又は観覧場 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
公会堂又は集会場 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
キャバレー、カフェー、ナイトクラブの類 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
遊技場又はダンスホーム 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
性風俗関連特殊営業店舗等 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
カラオケボックス、漫画喫茶、ネットカフェ、個室ビデオ等 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
待合、料理店の類 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
飲食店 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
百貨店、マーケットなど店舗又は展示場 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
旅館、ホテル、宿泊所の類 非常警報設備 放送設備
寄宿舎、下宿又は共同住宅 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
病院、診療所又は助産所 非常警報設備 放送設備
老人短期入所施設等 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
老人デイサービスセンター等 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
幼稚園又は特別支援学校 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
学校の類 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
図書館、博物館、美術館の類 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 放送設備
蒸気浴場、熱気浴場などの公衆浴場 非常警報設備 放送設備
上記以外の公衆浴場 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備
車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備
神社、寺院、協会の類 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備
工場又は作業場 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備
映画スタジオ又はテレビスタジオ 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備
自動車車庫、駐車場 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備
飛行機又は回転翼航空機の格納庫 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備
倉庫 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備
前各号に該当しない事業場(事務所など) 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備
複合用途防火対象物のうち特定防火対象物の用途に供される部分が存在するもの 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 自動火災報知設備 放送設備
複合用途防火対象物のうち上記の防火対象物以外のもの 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備
地下街 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備 自動火災報知設備
準地下街 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備
重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡など 非常警報設備(地階、無窓階) 非常警報設備

指定可燃物による火災報知器の設置基準

指定可燃物は、500倍の場合に火災報知器の設置が必要です。

上記の表の設備すべてで、自動火災報知設備を設置しなければいけません。

特定一階段等の火災報知器の設置基準

特定一階段等の火災報知器の設置基準は、下記の通りです。

※スマホで見る場合は、スマホを横にすると見やすいです。

全部
劇場、映画館、演芸場又は観覧場 自動火災報知設備
公会堂又は集会場 自動火災報知設備
キャバレー、カフェー、ナイトクラブの類 自動火災報知設備
遊技場又はダンスホーム 自動火災報知設備
性風俗関連特殊営業店舗等 自動火災報知設備
カラオケボックス、漫画喫茶、ネットカフェ、個室ビデオ等 自動火災報知設備
待合、料理店の類 自動火災報知設備
飲食店 自動火災報知設備
百貨店、マーケットなど店舗又は展示場 自動火災報知設備
旅館、ホテル、宿泊所の類 自動火災報知設備
寄宿舎、下宿又は共同住宅
病院、診療所又は助産所 自動火災報知設備
老人短期入所施設等 自動火災報知設備
老人デイサービスセンター等 自動火災報知設備
幼稚園又は特別支援学校 自動火災報知設備
学校の類
図書館、博物館、美術館の類
蒸気浴場、熱気浴場などの公衆浴場 自動火災報知設備
上記以外の公衆浴場
車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場
神社、寺院、協会の類
工場又は作業場
映画スタジオ又はテレビスタジオ
自動車車庫、駐車場
飛行機又は回転翼航空機の格納庫
倉庫
前各号に該当しない事業場(事務所など)
複合用途防火対象物のうち特定防火対象物の用途に供される部分が存在するもの 自動火災報知設備
複合用途防火対象物のうち上記の防火対象物以外のもの
地下街
準地下街
重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡など

火災報知器の設置場所

まとめ【火災報知器を設置基準と設置場所を確認しよう】

火災報知器の設置場所を解説します。

設置が義務付けされている場所と、設置しなくていい場所もあります。

住宅の火災報知器の設置場所

消防法で、住宅の火災報知器の設置が義務付けられている場所は、下記のとおりです。

  • 各寝室に1つずつ
  • 階段

寝室に火災報知器を設置する理由は、火災時に音で人を起こすため。

階段に火災報知器を設置する理由は、音で知らせて2階からの逃げ遅れを防ぐためです。

ちなみに、寝室も階段も煙式の火災報知器が良いです。

設置が消防法で義務付けされていなくても、条例で推奨されている箇所もあります。※下記など

  • キッチン
  • 居室

特にキッチンは、火元になる確率が高い場所なので重要です。

キッチンに火災報知器を設置する場合は、煙式・熱式どちらでも大丈夫です。

各市町村の火災報知器の設置義務については、一般社団法人日本火災報知機工業会の「市町村条例別の設置場所一覧」を見てください。

ちなみに、浴室に火災報知器を設置してはいけません。

お風呂の湯気に反応してしまうからです。

火災報知器を設置するときの注意点

火災報知器を設置するときの注意点は、下記の4つです。

火災報知器の設置場所①


火災報知器の設置場所②


火災報知器の設置場所③


火災報知器の設置場所④

設置場所を間違えないように注意しましょう。

まとめ【火災報知器を設置基準と設置場所を確認しよう】

まとめ【火災報知器を設置基準と設置場所を確認しよう】

この記事をまとめます。

  • 火災報知器の設置基準を確認しよう
  • 火災報知器の設置場所を確認しよう

設計の参考になればうれしいです!

ちなみに、火災時に必要となるスプリンクラーの設置基準は、スプリンクラーの設置基準を解説【5種類のスプリンクラーの違い】で解説しています。

重要な消火設備なので、確認しておきましょう。

また、火災報知器の知識は消防設備士の資格で勉強できます。

消防設備士の資格については、消防設備士の合格率や試験内容からみる難易度【勉強のコツも解説】にまとめているので、まだ資格を取得していない人は参考にどうぞ。

あなたの参考になればうれしいです!

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