あと、電気工事施工管理技士として給料を上げる方法も知りたい。
こういった疑問に答える記事です。
この記事でわかることは下記のとおり。
- 電気工事施工管理技士の年収相場
- 他の電気系資格との年収比較
- 電気工事施工管理技士を取得するメリット
- 電気工事施工管理技士の給料を上げる3つの方法
私たちワット・コンサルティングは、施工管理の転職サポートの会社です。
電気工事施工管理技士の年収相場を解説します。
電気施工管理技士は不足しているため、資格があれば今後の需要は大きいです。
給料を上げる方法も解説するので、最後まで読んでみてください!
目次
電気工事施工管理技士とは
電気工事施工管理技士とは、施工管理技士の1つで電気工事分野に特化した資格です。
1級と2級があり違いは以下のとおり。
1級 | 2級 | |
担当できる工事規模 | 下請に出す工事の総額が4500万円以上
建築一式工事の総額が7000万円以上の工事 | 下請に出す工事の総額が4500万円未満
建築一式工事の総額が7000万円未満の工事 |
担当できる役職 | 監理技術者・主任技術者 | 主任技術者 |
経営事項審査の加点 | 5点 | 2点 |
電気工事施工管理技士の仕事内容
電気工事施工管理技士は以下のような仕事を行います。
- 作業員さんたちが働きやすいように仕事の準備をする
- 作業員さんの安全が保たれるように安全な作業環境を作る
- 工事が予算内におさまるように工事費を調整する
- 工事のスケジュール管理
- 現場の進捗を写真にとる
- 顧客や業者との打ち合わせ
- 電力会社への申請作業
- 朝礼の指揮
- 現場の掃除
- 事務作業
詳しくは、電気工事の現場監督(施工管理)の仕事内容や給料【未経験の会社選び】にまとめています。
電気工事施工管理技士の将来性
電気工事施工管理技士は、以下のような工事に関わるため将来性があると言えるでしょう。
- IoTやAIの進化:電力の需要が高まる
- 5Gの普及:電気通信の需要が高まる
- 災害復旧:電気設備の復旧工事が必要
- 無電柱化:電線の埋没工事の需要が高まる
- LEDの普及:照明設備工事の需要が高まる
- オール電化の普及:新築やリフォームで需要あり
- 自然エネルギー化:発電設備工事の需要が高まる
- 自動運転の普及:自動運転車の電気設備が必要になる
- 電気自動車の普及:自動車工場の設備工事の需要が高まる
- メンテナンス工事:電気設備は継続的なメンテナンスが必要
- リニア中央新幹線の建設:鉄道電気工事や駅構内の電気設備工事が必要
詳しくは、電気工事業界の将来性や動向は明るい【未経験で転職する手順も解説】を参考にどうぞ。
1級・2級電気工事施工管理技士の試験の合格率や難易度
1級・2級の電気工事施工管理技士の過去11年の平均合格率は以下のとおりです。
1級 | 2級 | |
第一次検定 | 45.2% | 59% |
第二次検定 | 65% | 46.1% |
合計 | 29% | 27.2% |
1級・2級ともに難易度の高い試験といえるでしょう。
難易度や勉強方法の詳細は、以下の記事を参考にどうぞ。
電気工事施工管理技士の年収相場|1級と2級の違い
電気工事施工管理技士の年収は400万~500万円くらいです。
正確なデータがないので、求人情報を調べてみたり、弊社の電気工事施工管理技士の平均年収を調べてみた結果です。
※あくまで目安です。現場や会社によってはさらに年収が高いこともあります。
電気工事施工管理技士は1級と2級がありますが、やはり1級の方が年収が高いです。
- 1級電気工事施工管理技士の年収:450万~500万円
- 2級電気工事施工管理技士の年収:400万~450万円
電気工事施工管理技士でも年収は個人差があります。
勤務する企業規模別の年収の目安
勤務する企業の規模が大きいほど、年収は高くなる傾向です。
大企業ほど基本給が高かったり、資格手当が大きかったり、昇給幅が大きいから。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査から企業規模ごとの年収を試算してみました。
※賃金構造基本統計調査の「設備工事業」の給料データから算出しています。あくまでも目安としてください。
1級 | 月給 | ボーナス | 年収 |
大企業(1000人以上) | 34~38万円 | 118~132万円 | 531~591万円 |
中企業(100~999人) | 29~33万円 | 101~112万円 | 452~503万円 |
小企業(10~99人) | 26~29万円 | 89~99万円 | 401~446万円 |
2級 | 月給 | ボーナス | 年収 |
大企業(1000人以上) | 31~34万円 | 105~118万円 | 471~531万円 |
中企業(100~999人) | 26~29万円 | 89~101万円 | 401~452万円 |
小企業(10~99人) | 23~26万円 | 79~89万円 | 355~401万円 |
やはり、大企業ほど年収が高いのがわかりますね。
大企業だと、年収700万円以上稼ぐ人もいます。
経験年数(勤続年数)別の年収の目安
電気工事施工管理は技術職であるため、経験年数や勤続年数が多くなるほど、年収は上がる傾向です。
下記は、厚生労働省の賃金構造基本統計調査のデータをもとに計算した、経験年数(勤続年数)別の年収の目安です。
※現場や会社によってはさらに年収が高いこともあります。
経験年数(勤続年数) | 年収の目安 |
0年 | 240〜299万円 |
1〜2年 | 287〜359万円 |
3〜4年 | 326〜408万円 |
5〜9年 | 362〜408万円 |
10〜14年 | 407〜509万円 |
15〜19年 | 452〜565万円 |
20〜24年 | 475〜594万円 |
25〜29年 | 552〜690万円 |
30年以上 | 553〜692万円 |
役職別の年収の目安
役職が上がることで、年収も上がっていく傾向です。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査のデータをもとに計算した、役職別の年収の目安は下記のとおり。
※現場や会社によってはさらに年収が高いこともあります。
役職の目安 | 年収の目安 |
非役職 | 258〜323万円 |
職長級 | 313〜391万円 |
係長級 | 354〜443万円 |
課長級 | 432〜540万円 |
部長級 | 482〜603万円 |
都道府県別の年収の目安
都道府県によっても年収の目安は違います。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査のデータをもとに計算した、都道府県別の年収の目安は下記のとおり。
※現場や会社によってはさらに年収が高いこともあります。
都道府県 | 年収の目安 |
北海道 | 350〜437万円 |
青森 | 277〜346万円 |
岩手 | 321〜401万円 |
宮城 | 310〜388万円 |
秋田 | 307〜383万円 |
山形 | 345〜432万円 |
福島 | 337〜421万円 |
茨城 | 364〜455万円 |
栃木 | 408〜510万円 |
群馬 | 392〜489万円 |
埼玉 | 370〜463万円 |
千葉 | 388〜484万円 |
東京 | 491〜614万円 |
神奈川 | 447〜558万円 |
新潟 | 349〜437万円 |
富山 | 386〜483万円 |
石川 | 396〜495万円 |
福井 | 352〜440万円 |
山梨 | 407〜508万円 |
長野 | 375〜469万円 |
岐阜 | 392〜490万円 |
静岡 | 385〜481万円 |
愛知 | 420〜525万円 |
三重 | 396〜495万円 |
滋賀 | 406〜508万円 |
京都 | 353〜441万円 |
大阪 | 431〜538万円 |
兵庫 | 405〜506万円 |
奈良 | 365〜456万円 |
和歌山 | 449〜562万円 |
鳥取 | 285〜356万円 |
島根 | 348〜435万円 |
岡山 | 375〜469万円 |
広島 | 444〜555万円 |
山口 | 362〜453万円 |
徳島 | 335〜419万円 |
香川 | 395〜494万円 |
愛媛 | 334〜418万円 |
高知 | 314〜393万円 |
福岡 | 394〜492万円 |
佐賀 | 301〜376万円 |
長崎 | 326〜407万円 |
熊本 | 306〜382万円 |
大分 | 389〜486万円 |
宮崎 | 318〜398万円 |
鹿児島 | 313〜391万円 |
沖縄 | 306〜383万円 |
工事の種類によっても年収が変わる
もちろん工事の種類によっても、年収は変わります。
例えば、小規模な現場と大規模な現場なら、当然、大規模現場の方が年収は高めです。
特に、発電所やプラントなどの大規模工事を行う会社は給料が高いです。
プラントの施工管理については、プラント施工管理の仕事内容【激務なのかや、転職に有利な資格も紹介】に詳しくまとめています。
電気工事施工管理技士を取得するメリット
結論、以下の4つのメリットがあります。
- 主任技術者になれる
- 監理技術者になれる
- 転職が有利になる
- 独立しやすくなる
1つずつ解説します。
主任技術者になれる
前述のとおり、電気工事施工管理技士を取得すると主任技術者になれます。
以下に該当する工事は、現場に主任技術者を配置しなければいけません。
- 下請に出す工事の総額が4500万円未満
- 建築一式工事の総額が7000万円未満
会社の売上に貢献しやすい資格といえるでしょう。
資格手当や昇進で収入アップすることも可能です。
監理技術者になれる
1級電気工事施工管理技士を取得すると、監理技術者になれます。
くりかえしですが、監理技術者は以下の規模の工事を担当できます。
- 下請に出す工事の総額が4500万円以上
- 建築一式工事の総額が7000万円以上
監理技術者は大規模な工事を担当できるので、主任技術者よりさらに会社の売上に貢献できます。
こちらも収入アップしやすいです。
転職が有利になる
電気工事施工管理技士を取得すると主任技術者や監理技術者になれるので、当然ながらどの会社も電気工事施工管理技士を採用したがっています。
そのため、転職が有利になります。
特に1級は大手サブコンにも転職しやすいでしょう。
独立しやすくなる
電気工事施工管理技士を取得すると、独立もしやすくなります。
電気工事業の建設業許可を取得できるからです。
いずれ独立したい人も、電気工事施工管理技士を取得しましょう。
ただし、独立にはデメリットもあります。
詳しくは、電気工事施工管理が独立する5つのデメリット|4つの注意点を参考にどうぞ。
電気工事施工管理技士の給料を上げる3つの方法
電気工事施工管理技士の給料を上げる方法は、大きくわけて3つです。
- 1級電気工事施工管理技士を取得する
- 電気系の他の資格を取得して資格手当・昇給をねらう
- 給料が高い大企業に転職する
1つずつ解説します。
①1級電気工事施工管理技士を取得する
前述のとおり、2級より1級電気工事施工管理技士の方が年収が高い傾向です。
まずは2級を取得して、いずれ1級を取得しましょう。
1級電気工事施工管理技士を取得するコツは、1級電気工事施工管理技士の合格率や難易度!効率的な勉強方法にまとめています。
②電気系の他の資格を取得して資格手当・昇給をねらう
電気系の他の資格があることで、資格手当・昇給で給料アップを狙いましょう。
具体的には、下記の2つの資格がおすすめ。
- 電気工事士
- 電気主任技術者
電気工事士については、電気工事士1種2種の資格難易度や合格率!勉強や技能試験のコツにまとめてます。
かなり難関ですが、電気主任技術者(電験)もねらってみるのは良いでしょう。
電気主任技術者の資格取得については、電気主任技術者・電験試験の難易度や年収!三種二種一種のコツを参考にどうぞ。
電気主任技術者は難関資格なので、取得すれば高く評価してくれる会社もあります。
③給料が高い大企業に転職する
前述のとおり、大企業の方が給料が高いので、大企業への転職をねらうのもアリです。
ただし、大企業は人気が高く、採用倍率が高いです。
超大手のゼネコンだと、学歴も見られることがあります。(大卒以上でないと応募できないなど)
でも、現在は建設業界の深刻な人材不足で、特に施工管理技士の不足は深刻です。
「学歴よりも、スキルがあれば採用したい」という大企業も増えているので、チャンスです。
また、大企業に転職する方法を2つご紹介しておきます。
大企業に転職する方法①:今の会社で実績を積む
今の会社で実績をつんで、多くの施工管理経験があれば、大企業も採用したがります。
経験した現場の数や種類を増やして、大企業の中途採用にエントリーしてみましょう。
もし不採用になっても、さらに今の会社で経験を積んでリトライすれば、採用される可能性もあります。
また、1級電気工事施工管理技士があると大企業に転職しやすくなります。
大企業は現場規模が大きいため、監理技術者になれる1級電気工事施工管理技士を採用したいから。
監理技術者は、下請に出す工事の総額が4500万円以上、建築一式工事の総額が7000万円以上の工事のことで、いずれも規模が大きい工事です。
「まだ1級電気工事施工管理技士をもっていない」という人は、1級取得を目指してがんばりましょう。
大企業に転職する方法②:技術者派遣で大企業の現場で働く
技術者派遣の会社は、大企業の現場に人材を派遣しているところもあります。
所属は技術者派遣の会社ですが、大企業の現場で働くことができます。
働きぶりが良いと「うちにこない?」と、大企業からスカウトされることがあります。
大企業ほどスカウトされる確率は下がりますが、現実に起こっているケースです。
「自分が本当に大企業の現場でやっていけるか?」を知るためにも、まずは技術者派遣から大企業の現場を体験するのも大切です。
「大企業に転職したい!」という人は、技術者派遣から始めて、スカウトされるのを狙う手もあります。
ちなみに、技術者派遣については、施工管理の派遣で働く14のメリットと6つのデメリット|やめとけと言われる理由を参考にどうぞ。
年収が高い大企業の求人を紹介できるかも
冒頭でもふれましたが、私たちワット・コンサルティングは、施工管理の転職サポートを行なっています。
年収が高い大手の求人を紹介できることもあるので、稼ぎたい人は情報収集に活用してみてください。
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電気工事施工管理技士の年収でよくある質問
最後に、電気工事施工管理技士の年収でよくある質問に答えていきます。
電気工事施工管理技士と電気工事士の違いは?
違いは以下のとおりです。
- 電気工事施工管理技士:工事の管理業務を行う
- 電気工事士:実際に電気工事を行う
スポーツに例えるなら、電気工事施工管理技士が監督、電気工事士が選手のようなイメージです。
電気工事施工管理技士と電気工事士の年収比較は?
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、電気工事士の平均年収は480万円ほどです。
電気工事施工管理技士の方が、少し年収が高めです。
電気工事士の年収については、電気工事士の平均年収【さらに給料を上げる4つの方法】を参考にどうぞ。
電気工事施工管理技士と電気主任技術者の年収比較は?
電気主任技術者は年収400~500万円くらいです。
もちろん会社や現場によりますが、電気工事施工管理技士と同じくらいの年収です。
ただし、第1種電気主任技術者はかなり希少なので年収が高め。
電気主任技術者については「電験3種が役に立たない」はウソ【資格を活かして稼ぐ4つの方法】を参考にどうぞ。
電気工事施工管理技士はやめとけ・きついと言われるところは?
よく言われるのは以下の3つです。
- 工期が迫れば悪天候でも仕事
- 工事の後ろの方なのでスケジュールがきつい
- 他の業者に邪魔者あつかいされることアリ
ですが、以下のようなやりがいもあります。
- スキルが上がれば稼げる
- 資格を取得すればさらに稼げる
- 将来の安定が手に入る
詳しくは、電気施工管理のきついところ3選【失敗しない転職活動のコツも解説】にまとめています。
電気工事施工管理技士がホワイト企業に転職するコツは?
コツは以下の25個です。
- 給料・休日数・残業時間を確認する
- 残業代の計算方法を確認する
- 資格手当や資格取得支援制度があるか確認する
- 有休消化率が高い会社を選ぶ
- 大手の会社に転職する
- 元請の会社に転職する
- 経営事項審査の点数を確認する
- 営業力が強い会社を選ぶ
- 職人を抱えていない会社を選ぶ
- あなたの能力を活かせる現場がある会社を選ぶ
- 求人が増える時期に転職活動を始める
- 小規模な現場が多い会社を選ぶ
- 地方の会社に転職する
- 評判や口コミを調べる
- 労働組合の存在を確認する
- 女性の採用が多い会社を選ぶ
- 外国人採用が多い会社を選ぶ
- ICTを導入している会社を選ぶ
- 求人情報が抽象的な会社は避ける
- 研修制度が整っている会社を選ぶ
- 面接の時間が短すぎる会社を避ける
- すぐに内定が出る会社を避ける
- 企業分析してもわからなかったことを逆質問で聞く
- 転職エージェントに優良求人を紹介してもらう
- 施工管理技士を取得して有利な立場で転職活動を進める
詳しくは、ホワイトな電気施工管理に転職する25のコツ【ブラックを避ける】にまとめています。
電気工事施工管理技士が派遣会社を選ぶときのコツは?
以下の7つをチェックしましょう。
- 優良派遣事業者に認定されているか
- 求人数が多いか
- 定着率は高いか
- 研修制度がしっかりしているか
- 福利厚生は整っているか
- サポート体制はあるか
- 口コミ・評判は良いか
詳しくは、電気工事施工管理の派遣会社を選ぶときの7つのチェック項目を参考にどうぞ。
まとめ:電気工事施工管理技士の年収は400~500万円くらい
この記事をまとめます。
- 電気工事施工管理技士の年収は400~500万円くらい
- 給料を上げるには、1級取得、他の電気系の資格を取得する、大企業に転職する
- 大企業に転職するなら、今の会社で実績を積むか、技術者派遣で働いてスカウトを狙う
「年収を上げたい!」という人は、できることから始めてみましょう。
行動しないと何も変わらないので。
電気工事は今後もなくならないので、可能性が大きい業界です。
建設業界は人材不足なので、今後はさらに給料が上がる可能性もあります。
年収を上げるために、資格を取得したり、大企業への転職をねらってみましょう。
転職を考える人は、とりあえず求人情報を眺めてみれば良いかと。
くりかえしですが、私たちワット・コンサルティングは、施工管理の転職サポートを行なっています。
年収が高い大手の求人を紹介できることもあるので、稼ぎたい人は情報収集にどうぞ。
あなたの年収アップの参考になればうれしいです!