電気通信工事の主任技術者と監理技術者になれる資格一覧

電気通信工事の主任技術者と 監理技術者になれる資格一覧

この記事では、電気通信工事で主任技術者と監理技術者になれる資格を解説します。

主任技術者や監理技術者になってキャリアアップしたい人は、ぜひ資格取得に挑戦してみましょう。

電気通信工事の主任技術者になれる5つの資格

電気通信工事の主任技術者になれる5つの資格

電気通信工事の主任技術者になれる資格は以下の5つです。

  1. 1級電気通信工事施工管理技士
  2. 2級電気通信工事施工管理技士
  3. 電気電子・総合技術監理の技術士
  4. 電気通信主任技術者
  5. 工事担任者

1つずつ解説していきます。

ちなみに、主任技術者の工事規模は以下のとおりです。

  • 下請に出す工事の総額が4500万円未満の工事
  • 建築一式工事の総額が7000万円未満の工事

1級電気通信工事施工管理技士

受験資格 学校を卒業後に所定の実務経験年数がある電気主任技術者(6年以上の実務経験が必要)など
合格率 約21%
難易度 ★★★★☆

令和元年に新しく作られた施工管理技士の資格です。

1級電気通信工事施工管理技士の受験資格は以下のとおりです。

※スマホを横にすると見やすいです。

最終学歴or資格 電気通信工事の実務経験年数
指定学科 指定学科以外
大卒、専門卒(高度専門士) 卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
短大卒、高専卒、専門卒(専門士) 卒業後5年以上 卒業後7年6ヶ月以上
高卒、中等教育学校卒、専門卒(高度専門士・専門士以外) 卒業後10年以上 卒業後11年6ヶ月以上
その他 15年以上
電気主任技術者 6年以上
高卒、中等教育学校卒、専門卒(高度専門士・専門士以外) 卒業後8年以上の実務経験に1年以上の指導監督的実務経験を含み、かつ、5年以上の実務経験後に専任の監理技術者に2年以上の指導を受けている者
専任の主任技術者の実務経験1年以上 高卒、中等教育学校卒、専門卒(高度専門士・専門士以外) 卒業後8年以上 卒業後9年6ヶ月以上
その他 13年以上
2級の実地試験に合格した人

続いて、第二次検定試験の受験資格は以下のとおりです。

最終学歴or資格 電気通信工事の実務経験年数
指定学科 指定学科以外
2級の実地試験に合格後3年以上 合格後1年以上の指導監督的実務経験および専任の監理技術者に2年以上の指導を受けた実務経験が3年以上
2級の実地試験に合格後5年以上 合格後5年以上
2級の実地試験に合格後5年未満 高卒、中等教育学校卒、専門卒(高度専門士・専門士以外) 卒業後9年以上 卒業後10年6ヶ月以上
その他 14年以上
専任の主任技術者の実務経験が1年以上の2級の実地試験合格者 合格後3年以上 合格後1年以上、専任の主任技術者実務経験を含む3年以上
合格後3年未満の短大卒、高専卒、専門卒(専門士) 卒業後7年以上
合格後3年未満の高卒、中等教育学校卒、専門卒(高度専門士・専門士以外) 卒業後7年以上 卒業後8年6ヶ月以上
合格後3年未満のその他 12年以上

参考:一般財団法人全国建設研修センター

さらに、近年の合格率は以下のとおりです。

年度 第一次検定 第二次検定
令和元年度 43.1% 49.5%
令和2年度 49.1% 49.3%
令和3年度 58.6% 30.1%
令和4年度 54.5% 37.4%
平均 51.3% 41.6%

第一次検定×第二次検定の平均合格率は21.3%なので、難易度は高めです。

詳しくは、1級電気通信工事施工管理技士の難易度を合格率や過去問題から解説にまとめています。

2級電気通信工事施工管理技士

受験資格 学校を卒業後に所定の実務経験年数がある電気主任技術者(1年以上の実務経験が必要)など
合格率 約27%
難易度 ★★★☆☆

2級電気通信工事施工管理技士の受験資格は以下のとおりです。

受験資格は下記のとおりです。※スマホを横にすると見やすいです。

最終学歴 実務経験年数(指定学科卒業後) 実務経験年数(指定学科以外卒業後)
大学・専門学校「高度専門士」 1年以上 1年6ヶ月以上
短期大学・高等専門学校・専門学校「専門士」 2年以上 3年以上
高等学校・中等教育学校・高度専門士と専門士以外の専門学校 3年以上 4年6ヶ月以上
その他 8年以上 8年以上

参考:一般財団法人全国建設研修センター

続いて、近年の合格率は以下のとおりです。

年度 第一次検定 第二次検定
令和元年度 57.7% 57.1%
令和2年度 63.9% 42.9%
令和3年度 70% 35%
令和4年度 59.1% 35.6%
平均 62.7% 42.7%

第一次検定×第二次検定の平均合格率は26.8%です。

詳しくは、2級電気通信工事施工管理技士の難易度を過去問や合格率から分析にまとめています。

また、電気通信工事施工管理技士の1級と2級の違いは、電気通信工事施工管理技士の1級と2級の違い【取得するメリットも解説】を参考にどうぞ。

年収相場や試験問題の違いなどを詳しく解説しています。

電気電子・総合技術監理の技術士

受験資格 第一次試験:誰でも受験できる第二次試験:第一次試験に合格した人or指定の教育課程を修了した人で一定の実務経験を積んだ人など
合格率 電気電子:約5%総合技術監理:約15%
難易度 ★★★★★

技術士は高度な専門知識と経験を証明できる国家資格です。

技術士には以下の種類があります。

  • 機械
  • 船舶・海洋
  • 航空・宇宙
  • 電気電子
  • 化学
  • 繊維
  • 金属
  • 資源工学
  • 建設
  • 上下水道
  • 衛生工学
  • 農業
  • 森林
  • 水産
  • 経営工学
  • 情報工学
  • 応用理学
  • 生物工学
  • 環境
  • 原子力・放射線
  • 総合技術監理

このうち「電気電子」と「総合技術監理」が、電気通信工事の主任技術者になれます。

技術士の受験資格も詳しく解説します。

  • 第一次試験:誰でも受験できる
  • 第二次試験:第一次試験に合格した人or指定の教育課程を修了した人で一定の実務経験を積んだ人

※「指定の教育課程」については、文部科学省のページを参考にどうぞ。

第二次試験の受験資格の詳細は以下のとおりです。

技術士を目指すルート 必要な実務経験
技術士補→技術士を目指す場合 指導技術士の元で4年以上の実務経験が必要
修習技術者→技術士を目指す場合 職務上の監督者の元で4年以上の実務経験が必要7年以上の実務経験が必要(修習技術者になる前の経験を含む)

※第一次試験に合格した人を「技術士補」といいます。

ただし、下記に該当する人は、上記の実務経験年数から2年を差し引くことができます。

  • 大学院修士課程・専門職学位課程(理系系統)の修了者
  • 大学院修士課程・専門職学位課程(理系系統)を修了し、大学院博士課程(理系系統)に在学中or在宅していた人

電気電子の近年の合格率は以下のとおりです。

電気電子 第一次試験 第二次試験
令和元年度 51.8% 12.2%
令和2年度 48.3% 13%
令和3年度 33.1% 10%
令和4年度 36.5% 9.7%
平均 42.4% 11.2%

第一次試験×第二次試験の平均合格率は、わずか4.7%です。

特に第二次試験が難関です。

続いて、総合技術監理の近年の合格率は以下のとおり。

総合技術監理 第二次試験
令和元年度 15.4%
令和2年度 12.6%
令和3年度 14.5%
令和4年度 18.3%
平均 15.2%

参考:公益社団法人日本技術士会|統計情報

総合技術監理も合格率が低いため、難しい試験となっています。

電気通信主任技術者

受験資格 誰でも受験できる
合格率 約36%
難易度 ★★☆☆☆

電気通信主任技術者の資格には、以下の2つの種別があります。

  • 伝送交換:電気通信事業の伝送交換設備などの工事や維持・運用
  • 線路:電気通信事業の線路設備などの工事や維持・運用

近年の合格率は以下のとおりです。

年度 伝送交換の合格率 線路の合格率
令和2年度第2回 29.5% 27%
令和3年度第1回 45.6% 61.3%
令和3年度第2回 32.8% 45.1%
令和4年度第1回 23.9% 43.2%
令和4年度第2回 29.4% 38.8%
令和5年度第1回 27.9% 32.4%
平均 31.5% 41.3%

参考:電気通信国家試験センター

電気通信主任技術者の試験については、電気通信主任技術者の難易度を合格率などから解説【免除あり】にまとめています。

ちなみに、電気通信主任技術者のすごいところは以下の5つです。

  1. 合格率が低め
  2. 主任技術者になれる
  3. 年収が上がりやすい
  4. 転職が有利になる
  5. 将来性がある国家資格

詳しくは、電気通信主任技術者のすごいところ5選【取得するメリットが大きい】にまとめています。

工事担任者

受験資格 誰でも受験できる
合格率 29〜37%
難易度 ★★☆☆☆

先ほどの電気通信主任技術者と似ていると思われがちですが、工事する箇所が違います。

電気通信主任技術者
  • 通信事業者の設備と建物にインターネットを引く設備の工事(電線やONUを含む)
  • 主に監督業務を行う
工事担任者
  • 屋内のインターネット設備の工事(ルーター、電話機など)
  • 実際にお客様の室内に入り工事する
  • 監督業務も行うが工事がメイン

電気通信主任技術者との違いは、電気通信主任技術者と工事担任者の違い【目的別のおすすめ資格】で詳しく解説しています。

工事担任者には以下の区分があります。

  • 第1級アナログ通信
  • 第2級アナログ通信
  • 第1級デジタル通信
  • 第2級デジタル通信
  • 総合通信
  • AI第2種
  • DD第2種

このうち、総合通信、第1級アナログ通信、第1級デジタル通信を取得後に、3年以上の実務経験があると主任技術者になれます。

近年の総合通信の合格率は以下のとおりです。

年度/回 総合通信の合格率
令和3年度第1回 30.9%
令和3年度第2回 28.5%
令和4年度第1回 28.6%
令和4年度第2回 30.3%
令和5年度第1回 27.5%
平均 29.2%

続いて、近年の第1級アナログ通信の合格率は以下のとおり。

年度/回 第1級アナログ通信の合格率
令和3年度第1回 38.7%
令和3年度第2回 35.5%
令和4年度第1回 34.1%
令和4年度第2回 36%
令和5年度第1回 38.6%
平均 36.6%

そして、近年の第1級デジタル通信の合格率は以下のとおりです。

年度/回 第1級デジタル通信の合格率
令和3年度第1回 27.5%
令和3年度第2回 31.2%
令和4年度第1回 32.3%
令和4年度第2回 28.1%
令和5年度第1回 27.4%
平均 29.3%

参考:電気通信国家試験センター

工事担任者の詳細は、電気通信の工事担任者の難易度を合格率などから解説【効率的な勉強法】にまとめています。

電気通信工事の監理技術者になれる2つの資格

電気通信工事の監理技術者になれる2つの資格

続いて、電気通信工事の監理技術者になれる資格は以下の2つです。

  • 1級電気通信工事施工管理技士
  • 電気電子・総合技術監理の技術士

ちなみに、監理技術者の工事規模は以下のとおりです。

  • 下請に出す工事の総額が4500万円以上の工事
  • 建築一式工事の総額が7000万円以上の工事

電気通信工事の主任技術者・監理技術者になる4つのメリット

電気通信工事の主任技術者・監理技術者になる4つのメリット

電気通信工事の主任技術者・監理技術者になるメリットは、以下の4つです。

  1. 昇進しやすい
  2. 資格手当をもらいやすい
  3. 転職が有利になる
  4. 独立が見えてくる

1つずつ解説していきます。

昇進しやすい

主任技術者・監理技術者になると、会社によっては昇進できます。

そもそも工事を受注するには、主任技術者・監理技術者を現場に配置しなければいけません。

つまり、会社は主任技術者・監理技術者がいないと工事を受注できないため、とても貴重な人材になります。

会社の売上に直結する立場になれるため、昇進させてくれる会社が多いです。

資格手当をもらいやすい

主任技術者・監理技術者になると、会社によっては資格手当をもらえます。

前述のとおり、会社の売上に直結する立場なので、資格手当で還元してくれる会社が多いです。

収入アップしたい人は、主任技術者・監理技術者を目指しましょう。

転職が有利になる

当然ながら、転職は有利になります。

どの会社も主任技術者・監理技術者を採用したいからです。

特に監理技術者になれば大規模現場の責任者になれるので、大手に転職できる可能性もあります。

電気通信設備の施工会社は、大手になるほど年収が上がる傾向です。

稼ぎたい人は監理技術者を目指しましょう。

独立が見えてくる

主任技術者・監理技術者になれば、独立しやすくなります。

建設業許可を取得できるからです。

  • 主任技術者:一般建設業許可
  • 監理技術者:特定建設業許可

「いつか独立したい」という人も、主任技術者・監理技術者を目指しましょう。

まとめ

まとめ

最後にもう一度、電気通信工事で主任技術者と監理技術者になれる資格をまとめておきます。

主任技術者 1級電気通信工事施工管理技士2級電気通信工事施工管理技士

電気電子・総合技術監理の技術士

電気通信主任技術者

工事担任者

監理技術者 1級電気通信工事施工管理技士電気電子・総合技術監理の技術士

主任技術者と監理技術者になりたい人は、資格取得に向けて勉強を始めましょう。

以下の記事も参考にしてみてください。

あなたのキャリアアップの参考になればうれしいです!

SAN-SUKE

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